大学受験での過去問の使い方は?メリットや注意点を京大生が徹底解説!

皆さんは、受験勉強をするうえで「過去問を必ず解こう」と言われたことはありませんか?

しかしどのように過去問を使うのか、なぜ過去問を解くのかについて深く考えたことがある人はあまりいないと思います。

今回は過去問の使い方について、私の経験も交えながら解説していきたいと思います。

この記事を読めば、他の受験生よりも高い意識を持って過去問に取り組むことができるので、是非最後までご覧ください。

そもそもなぜ過去問を解くのか

そもそも受験生は何のために過去問を解くのでしょうか。理由は大きく分けて2つあります。

志望校の傾向をつかむ

1つ目は志望校の傾向を掴むためです。

同じ教科でも大学ごとに出題傾向があります。その傾向を知っておくことで大学受験で有利になります。

例えば、京都大学の世界史は例年大問が4つに分かれていますが、大問1,2はアジア史を、大問3,4は西洋史を中心に出題されます。こうした傾向を把握しておくことで、どういう範囲に力を注いで勉強すれば良いかが分かります。

そして、過去問を解いてみて、どういう範囲で自分の実力が足りていないのかという指標にもなります。

志望校の問題形式に慣れる

2つ目は志望校の問題形式に慣れるためです。

大学によってはその大学特有の出題形式があります。

例えば、早稲田大学の英語では2019年頃から、風刺画の説明を英語でする問題が出題されていました。このような問題は普段の勉強だけでは対策できない部分もありますし、本番の緊張感が漂う中で未知の形式の問題を解くことは非常に難しいです。

なので、問題形式に慣れることは勉強と同じぐらい重要な対策になります。

実力を伸ばすことがメインではない

そもそも過去問を解く主な目的は上で述べた「志望校の傾向を掴むこと・志望校の問題形式に慣れること」の2つです。

注意しておきたいのは、過去問を解く目的は実力を伸ばすことがメインではないということです。

よく、「過去に出た問題は出る可能性が低いし、過去問をやる必要がないんじゃないか」と考える人がいますがそれは少し違います。

また、過去問を通して学ぶのは解き方であって問題そのものではありません。過去問を解く上で大事なのは問題の答えを書けるかよりも問題の解き方が分かるかどうかです。

このことに留意して過去問を解くようにしましょう。

過去問の使い方は?

勉強

1年分通して本番形式で解く

1つ目は1年分の問題を通しで解く使い方です。本番形式で実際の試験時間を測って、1年分の問題を解きます。私は主にこのやり方で解いていました。

1年分解くことで実際に自分が今の実力で試験に望んだ場合の結果が分かりますし、長時間集中力を切らすことができないため本番の練習にもなります。

一方で、実力がない状態でやっても効果は薄いため、少なくとも受験に出題される範囲は学習し終わってからこのやり方を試すようにしましょう。

問題ごとに解く

2つ目は問題ごとに解く使い方です。

この方法であれば、分野ごとに実力を試すことができるので少し早めから取り組むことができます。

一番おすすめな解き方は、解く問題と同じ年度の問題を1年分通して見て、自分ならどういう時間配分で解くかを考えて、その時間に合わせて解くというやり方です。ですが、最初は大変だと思うので、試験時間を問題数で割った時間で1問解くのでも良いでしょう。

かなりややこしくなってしまったので具体例を交えて見てみましょう。例えば京都大学の文系数学であれば、時間は120分で問題は5問出題されます。最初は120÷5=24分で1問解けば良いでしょう。慣れてきたら、他の問題も見てみて、時間配分を増やしたり減らしたりして解くのがベストです。

過去問を使う際にやってはいけないこと

1回解いて終わりにする

過去問を1回解いて終わりにするのはもったいないです。

過去問が初見で解けるかどうかも重要ですが、もっと重要なのは解き方が定着しているかどうかです。

よく受験生の中に「予備校の解説授業などで過去問が解説されてしまってその年の問題を通しで解けない」と悩んでいる人がいますが、その必要はありません。

解説を聞いたうえでそれを答案として再現できることも実力のうちです。1回似たような問題を解いたことがあるのに2回目で解けなかった経験はありませんか?私も実際にありましたが、その場合は解き方が定着していないことになります。

ですので、自分がその問題を解けるのか試すことは十分に意義があります。、見たことのある問題かどうかは気にせずに、解くようにしましょう。

点数が満点からほど遠くて落ち込む

点数が全然取れなくて落ち込む受験生がいますがその必要はありません。

大前提として受験生が狙うべきは満点ではなく合格点です。京都大学を例に取ると、2次試験の合格点の割合は大体4〜5割です。つまり、過去問を解いている時点で3〜4割程取れていれば十分な実力だと言えるでしょう。

そして、本番でトップの受験生でも満点を取れていることはありません。合格最高点でもおよそ7~8割です。

もちろん、できなかった悔しさを糧に頑張るのは良いことですが、絶対的な数字にこだわるのではなく、合格点との差を意識するようにし、満点を取れなかったという理由であまり落ち込み過ぎないようにしましょう。

【現役生が教える!】京大流過去問の効果的な進め方

ここからは私が実際に受験生の時に行っていた過去問の進め方を紹介します。あくまで一例にはなりますが、どういうポイントを意識していたかも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

解き終わったら必ず解説を読む

私は問題を解き終わって採点をしたら、たとえ答えが合っていたとしても、必ず解説を読むようにしていました。

解説にはその問題の答え・解法だけでなくそれに付随する知識が関連付けられて書かれています。解説を読むことでその問題の解法が分かるだけでなく、他の知識も含めて網羅的に学習することができ、他の問題に応用しやすくなります。

ですので、問題の出来に関わらず解説を読むことをおすすめします。

解法を人に説明できるまで復習

解説を読んだ後は解法を人に説明できるまで解きなおし・復習をしていました。

どの程度まで、何回ぐらい復習すればいいのか分からないという受験生の悩みをよく耳にしますが、私の中では「人に説明できるようになるまでです。

人に説明できるようになるには、自分の中である程度その問題に対する理解が進んでいないといけません。「解答の方針は何か」「何を問われていて何を答案に書くべきか」「そのためにどういう手順で必要な要素を導き出すか」などを自分の中で理解して初めて人に説明できるようになります。

逆に言えば、人に説明できるようになっていれば、自分の中でその解法を理解したと言えるでしょう。ですので、人に説明できるレベルを目標にして復習するのをおすすめします。

まとめ

今回は過去問の使い方について紹介してきました。今回の記事をまとめると以下のようになります。

  • 志望校の傾向を掴み、問題形式に慣れるために過去問を解く
  • 1年分通して解く使い方と、問題ごとに解く使い方がある
  • 解説を読んで解きなおすことが重要

これらのことを意識して過去問を解けば、他の受験生とかなり差をつけることができます。ぜひ意識するようにしてください。

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この記事を書いた人

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安藤悠恭

京都大学文学部に在学中。
幼稚園の頃から英会話塾に通っており、高校1年生の時に英検準一級を取得。

夏・秋の模試でどちらもE判定を出してしまったものの、秋以降2次試験までの期間を弱点の克服に専念し、京都大学文学部に現役合格。