【京大生が解説】予備校・塾はいつから通う?メリット・デメリットも紹介

  • 大学受験のためにいつから予備校に通えばいいのかわかる
  • 予備校に通うタイミングのデータを知れる
  • 予備校や塾のメリット・デメリットがわかる

「予備校にいつから通うか」は大学受験を考えている人なら誰でも経験する悩みです。

予備校はうまく活用すれば合格のためのツールとして有効です。しかし入るタイミングを間違えてしまえば、予備校の効果は減少するでしょう。お金と時間を無駄にしてしまいかねません。

この記事では、志望校合格のための適切な予備校に入るタイミングについて解説します。志望校別のおすすめ時期や予備校や塾のメリット・デメリットも紹介します。

現在予備校に通うか迷っている受験生だけでなく、お子さんを塾に通わせることを検討中の保護者の方にも有益な内容です。

大学受験を目指して頑張る受験生の方や、その親御さんたちはぜひ最後まで読んでみてください。

また、スタペディア編集部では、別の記事でも「高校生は塾に行くべきか?」について解説しています。こちらも参考にしてください。

予備校はいつから通う?平均時期をデータから分析

全国の高校生の通塾率

文部科学省による「令和3年度子供の学習費調査」は、公立高校と私立高校に通う生徒の通塾率を公表しています。

同調査によると、通塾率のデータは以下のようになっています。

生徒の通塾率1年生2年生3年生
公立高校30.730.737.9
私立高校35.3 37.6 42.1 

公立・私立に関わらず、1年生のうちから通塾している生徒が約3割ほどいるようです。「高校に入学してすぐの段階で予備校に通い始める人が少なくない」ことがわかります。また、3年生になると通塾する生徒の割合が増加するようです。

浪人生は春からすぐに

浪人生は、浪人が決まってすぐ、遅くとも4月ごろまでに予備校に入るのが一般的なようです。多くの予備校は4月からのカリキュラムを組んでいます。予備校に通うことを考えている浪人生は、それまでに入学するのが望ましいでしょう。

また、この時期は各予備校がさまざまな入塾キャンペーンを行っています。少しでも学費を抑えたいという人は、この時期に予備校に入るのがベストでしょう。

京大合格者は中3から!

現役で京都大学に合格した私は中学3年生から予備校に通っていました。中高一貫校に通っていたので、中学生のうちから予備校に通うことに抵抗はありませんでした。

学校の近くにあった大手予備校の中高一貫生コースに通い、高校範囲の数学と英語の内容を勉強していました。

早くから予備校に通っていたメリットとしては、先取り学習ができたことと、勉強習慣をつけることができたことが挙げられます。

先取りで学習を始めたおかげで高校2年生のうちには標準レベルの問題を解けるようになっていました。そのため、高校3年生では過去問対策に時間を割けました。また、中学生のうちから大学受験を意識して勉強する習慣を身につけたことで、高校に入ってからも余裕を持って勉強できたように思います。

早くから予備校に通ったデメリットとしては、授業料がかかってしまったことです。私は中学3年から高校3年生までの合計4年間予備校に通いました。他の人より余分に予備校の学費を払うことになったのがデメリットだと思います。

【志望大学別】予備校に通うおすすめ時期

最難関大学:高1から予備校へ

東大京大・早慶・医学部などの最難関大学の合格を目指している人は、高校1年生から予備校から予備校に通うのがおすすめです。高校に入学したばかりで、「まだ塾は早いのでは?」と考える人もいると思います。ここでは、そんな人たちに、高1から予備校に通うメリットを解説します。

高校受験のモチベーションを維持できる

一般的に、勉強に対するやる気が1番高い時期とされるのが、高校入学のタイミングです。なぜなら、まだ受験勉強のモチベーションが保たれているからです。

しかし、そのモチベーションもだんだんと失われていきます。部活などで学校生活が忙しくなると、手を抜く人が増えていくでしょう。このタイミングで予備校で勉強をスタートすれば、ハイレベルな高校の授業にもついていけます。模試や定期テストでも好成績をキープできるでしょう。

最難関大学の合格のためには、高校1年生の間に勉強習慣と基礎学力をつけておくことが最も重要です。

中高一貫生に対抗できる

最難関大学を目指す人が意識しなければならないのは、6年間のカリキュラムで先取り授業をする難関中高一貫生です。高校受験がなく、ゆとりある授業スケジュールが確保されているので、基本的に中学生のうちから高校範囲の学習をスタートします。

高校受験をした人が追いつくには、かなり速いペースで学習するしかありません。高校1年生のうちから予備校に通うのは、中高一貫生に対抗するためには必須の選択だと言えるでしょう。

学校の先取り学習ができる

高1から予備校に通えば、学校の授業の先取りが可能です。受験までの時間は限られています。基礎の部分を早めに終わらせれば、演習に時間を割くことができます。先取り学習は後々大きなアドバンテージになるでしょう。

地方国公立大:高2〜高3初め頃から予備校へ

地方国公立大学の受験を目指している人は、高2〜高3初め頃から予備校へ通うのが良いでしょう。

地方国公立大学を受けるには、共通テストと大学ごとの個別試験を受験する必要があります。共通テストと二次試験の対策を両立させるためには、しっかりと学習時間を確保しなければなりません。

高校2年生のうちから予備校で力をつけておけば、高校3年生で志望校対策に取り組みやすくなるでしょう。

難関私立大:高2から予備校へ

難関私立大学の受験を目指している人は、高校2年生から予備校へ通うのが良いでしょう。

私立大学は、原則として大学ごとの個別試験で合否が判断されます。そのため、共通テストの受験が必須の国公立大学と比べ、必要科目数は少ないことが多いです。

一方で、各教科で求められるレベルが非常に高くなります。したがって、ハイレベルな入試問題に対応できる力を早くから養っていく必要があるでしょう。

また、私立大学は大学ごとに入試問題の傾向がかなり異なります。私大受験に精通した講師に志望校別の対策をしてもらえるという点でも、早めに予備校に入るのがおすすめです。

その他私立大:高3から予備校へ

その他の一般的な私立大学の受験を目指している人は、高校3年生から予備校へ通うのが良いでしょう。

これらの大学では、入試は高校の学習の基礎知識を問う問題が出題されるのが一般的です。こうした大学の受験を考えている人は、高校1、2年生の間に学校で基礎学力をしっかりつけて、高校3年生から本格的に予備校で受験勉強を始めるのがおすすめです。

予備校に通うメリットは、志望校別対策をしてもらえる点です。また、受験までの勉強計画の立て方を指導してもらえるのも重要な点だと言えるでしょう。

医学部:高1から特化型予備校へ

医学部の受験を目指している人は、高校1年生から医学部受験特化型予備校へ通うのが良いでしょう。

医学部合格は非常に狭き門だと言われています。医学部受験に成功するためには膨大な学習量をこなし、幅広い知識を身につけていく必要があります。そのため、可能な限り早くから対策を行うことが最重要です。

医学部特化型予備校に通うメリットは、医学部受験に特化したサポートを受けることができる点です。医学部といっても入試形式は大学ごとにさまざまですし、医学部受験においては出願戦略も重要なポイントです。

また、医学部受験の特徴である、面接や小論文の指導が手厚いこともメリットの1つです。

医学部の受験を考えている人は、できるだけ早いうちに自分にあった特化型予備校を探すことが重要でしょう。

推薦を狙う:高1から予備校へ

大学入試全体における推薦入試の割合は、年々増加しています。

文部科学省の調査によると、2022年度の入試では一般選抜が43.3%、学校推薦型選抜が26.9%、総合型選抜が16.8%でした。つまり学校推薦型選抜と総合型選抜を合わせた入試方式が全体の約半数に上っているということです。

したがって、一般選抜以外の入試方式も視野に入れることで、受験大学の選択肢が大きく広がるでしょう。こうした推薦入試での合格を目指す人にとって重要なのは、推薦入試で必要な力を養うことです。

推薦入試特化型予備校では、面接や志望理由書で必要になる表現力のトレーニングや、英語4技能向上のための授業を受けられます。また、第一線で活躍する大学教授や有識者の講演など独自のカリキュラムを設定している予備校もあるようです。

推薦入試合格に必要な力は短期間では身につきません。推薦入試の活用を考えている人は、早めに特化型予備校に入るのがおすすめです。

予備校や塾に通うメリット

志望校ごとに大体いつから予備校に通うべきかはわかったけれど、予備校に入るかをまだ迷っているという人もいるでしょう。そんな人のために、予備校や塾に通うメリットをご紹介します。

学習環境が整っている

学習に集中できる環境が整っていることは予備校に通うメリットの1つです。

基本的にどの予備校にも自習室が併設されています。自宅や学校ではなかなか勉強に集中できないという人にとって、自習室で勉強できるのは重要です。また、予備校にいる講師や大学生チューターに疑問点を質問できるというのも予備校に通う利点だと言えるでしょう。

質の高い授業で実力アップ

質の高い授業を受けられるというのも予備校に通うメリットの1つです。

学校の授業に比べ、予備校の授業はより大学受験合格に特化した内容になっています。例えば、大学別の講座では、志望校の入試形式に対応するための実践的なテクニックを学ぶことができるでしょう。また、入試問題に精通したプロの予備校講師の授業を受ければ、合格のために自分に何が足りないのかを知ることができるでしょう。

モチベーションの維持

モチベーションの維持に役立つというのも予備校に通うメリットの1つです。

予備校には同じ志望校を目指すライバルが集まるので、勉強のモチベーションを保ちやすいです。違う学校の生徒と一緒に授業やテストを受けるのも刺激になるでしょう。また、予備校講師の熱血授業を受ける中で、自然と学習意欲が湧いてくることもあります。さらに、講師やチューターに相談できるということもモチベーションを維持するために重要なポイントです。

予備校のサポートを積極的に活用すれば、モチベーションを保ちながら受験勉強を進めることができるでしょう。

受験の情報が得られる

受験の情報が得られることも予備校に通うメリットの1つです。

予備校では、大学入試の傾向や入試問題の研究が行われています。また、これまでの卒業生の模試や共通テストなどのデータも蓄積されています。志望校決定や勉強計画の立て方、入試方式などを相談すれば、さまざまな情報を手に入れられるでしょう。

大学受験は情報戦という言葉があるように、受験において正確なデータや情報を手に入れることは非常に重要です。さまざまな情報を持っている予備校は、入試合格のための強力なサポーターとなることでしょう。

規則正しい生活を送れる

規則正しい生活を送れることも予備校に通うメリットの1つです。

予備校の授業は毎週同じ時間に行われることがほとんどです。予備校の授業をペースメーカーとすれば、勉強計画が大幅に崩れることはないでしょう。毎週の授業の際にテストを実施する予備校もあるようです。予備校の授業の予習と復習を中心に勉強計画を立てれば、予備校をうまく活用することができます。

予備校や塾に通うデメリット

予備校は大学受験のための強力な武器ですが、うまく活用しないと逆効果です。ここでは、予備校や塾に通う上で注意しておくべきデメリットをご紹介します。

自習時間が取れない

授業が忙しくて、自習時間が確保できなくなるというのが予備校に通うデメリットの1つです。

予備校の授業は3時間ほどあることが多いです。そのため、予備校の授業がある日は自習時間が取れないという状況もあり得ます。

こうした状況を防ぐためには、受ける授業をしっかり取捨選択することが大切です。予備校に言われるままにたくさん授業を取ってしまうと、結局自習時間が取れなくて逆効果ということもあり得ます。体験授業を活用して、自分に必要な授業を見極めることが非常に重要です。

授業料が高い

高額な授業料がかかってしまうというのも、予備校に通うデメリットの1つです。

通常授業の費用に加え、講習の費用や模試の受験料なども追加でかかる場合もあるようです。高額な授業料を払い続けるのは負担になります。授業料が負担になって、予備校に通い続けられなくなってしまっては意味がありません。自分に必要な授業や講座をしっかり見極める必要がありそうです。

また、成績優秀者に対して特待生制度を実施している予備校もあります。こうした情報も確認しながら、自分にピッタリの予備校を選択することが大切です。

通学が負担になる

通学時間がかかってしまうのも、予備校に通うデメリットの1つです。

自宅から予備校が離れている場合だけでなく、あるいは学校から予備校が離れている場合も要注意です。通学時間の長さが負担となって、予備校から足が遠のいてしまうのが最悪のパターンです。こうならないように、自分が通い続けられる距離に予備校があるかを確認する必要があります。

通学のための交通費がかかる場合もあるでしょう。何年も通い続けるとなると交通費もかさみます。こうした面も含め、自分にあった予備校を選択することが重要です。

通学時間が長い場合、単語帳を確認したりリスニングの勉強をしたりと、その時間を有効活用することも考えてみましょう。

周りの生徒に流される

周りの生徒に流されてしまいやすいというのも予備校のデメリットの1つです。

他の生徒が刺激になってモチベーションを維持できるのが予備校のメリットです。一方で、周りの生徒に緊張感がない場合、それに影響されて学習意欲が下がってしまうこともあり得ます。予備校に通う上では、どんな人と一緒に勉強するかが重要なポイントです。また、周りの生徒の姿をみて過度に焦ってしまうということもあり得ます。

周りの生徒に影響されて、必要ない参考書や授業に手を出してしまうのはよくあるパターンです。焦りだけで行動せず、信頼できる先生やチューターに相談するのが大切です。

すぐに予備校に行った方がいい人

ある程度学力がある人

インフォグラフィック

すでにある程度学力がある人は、すぐに予備校に入っても良いでしょう。

学校の学習や独学で基礎学力を手に入れている人は、予備校のハイレベルな授業にもついていけるはずです。志望校が決まっている場合は、すぐにでも予備校で大学別の対策を始めればアドバンテージになります。

大学入試では、基礎力だけでなくそれを応用する力が問われます。予備校に通えば、実践的な問題や過去問に対応する力を養えるでしょう。

難関大を志望している人

難関私大や国公立大などの難関大学を志望している人は、すぐに予備校に入っても良いでしょう。

難関大学というだけあり、入試ではハイレベルな問題が出題されます。学校で習った基礎知識を応用して問題を解く力を身につけておく必要があります。そのためには、膨大な勉強時間を確保しなければいけません。予備校に通えば、学力だけでなく合格のために必要な勉強習慣を身につけることができるでしょう。

独学がうまく行っていない人

独学がうまくいっていない人は、すぐに予備校に入っても良いでしょう。

独学がうまくいっていないということは、勉強の仕方に何かしら問題があるということです。そのポイントに自分で気づくのは非常に難しいでしょう。そのまま独学を続けても、時間を浪費してしまいかねません。

予備校で相談する中で、自分にとって最適な勉強方法を身につけられるようになるはずです。

自分なりに勉強はしているけどなかなか成績が伸びないと感じている人は、予備校でサポートを受けるのがおすすめです。

自習室を利用したい人

自習室を利用したい人は、すぐに予備校に入っても良いでしょう。

予備校に通うメリットの中で特に大きいのが、自習室の存在です。自宅と違って、予備校の自習室には勉強の邪魔になるようなものはありません。私語も禁止で静かな環境で集中して勉強することができます。

また、たくさんの生徒が机に向かって勉強している姿を見れば、自然とやる気も湧いてくるでしょう。さらに、わからない問題が出てきた際にすぐに講師やチューターに質問に行けるのも自習室で勉強するメリットです。こうした環境を活用したい人は、予備校に入るのがおすすめです。

まだ予備校に行かなくていい人

忙しくて予備校を活用できない人

部活や学校の授業で忙しくて予備校を活用できない人は、まだ予備校に通う必要はないでしょう。

学校の課題をこなすのに精一杯で予備校に通う余裕はない人もいるでしょう。特に、まだ部活を引退していない場合は、予備校に通うのは負担になってしまいかねません。そうした人は、予備校に通ってしまうと逆効果になる可能性が高いです。そのため、無理して予備校に通う必要はありません。

予備校の授業は基本的に学校の授業よりハイレベルです。学校の授業で精一杯の状態で予備校に通ってもあまり効果はないでしょう。

独学がうまくいっている人

独学がうまくいっている人は、予備校に通う必要がない場合もあります。

先ほど、独学がうまくいっている人は、すぐに予備校に入っても良いと言いました。矛盾しているようですが、実は根本では同じことを言っています。独学がうまくいっているというのは、自分で勉強計画を立てたり、問題を解いて理解する力があるということです。こうした人は、必ずしも予備校の授業を受ける必要はありません。自分で過去問を分析すれば、自力で志望校の対策ができるでしょう。

もちろん、独学はうまくいっているけれど、もっとサポートを受けたりハイレベルな授業を受けたりしたいと感じる人は予備校に通うと良いでしょう。

学校の授業で対策できる人

校の授業で志望校対策ができる人はわざわざ予備校に通う必要はないでしょう。

学校の先生が親身になって過去問の添削や解説をしてくれる場合は、予備校に通うのは余計な負担になります。予備校は別途学費もかかるので、学校の授業で受験対策が十分にできる場合はそちらを最大限活用するのがおすすめです。

まとめ

今回の記事では、大学受験のためにいつから予備校に通えばいいのかについて解説しました。

予備校や塾には、メリット・デメリットの両方があります。現在予備校に通うか迷っている人は、志望校や自分の現在の勉強タイプを基に考えると良いでしょう。今回の記事では、予備校に通うべき人・通うべきでない人も紹介しました。ぜひ参考にしてみてください。

また、予備校といってもさまざまです。今回は、医学部入試や推薦入試に特化した予備校についても解説しました。ぜひこの記事を参考にして自分に最適な予備校探しをしてみてください。

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この記事を書いた人

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hirose akito

京大医学部在学中に受験コーチング事業を起業。1年で生徒数を拡大し、教育系の会社へ事業売却。現在は複数のメディアでメディアディレクターを務める。