- 古文の勉強法が分からない
- 単語や文法事項が覚えられない
- 暗記をしても古文が読めるようにならない
このような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
古文は、勉強法がよく分からず、後回しにしてしまいがちな科目です。
勉強しようとして、単語や文法事項をやみくもに覚えたとしても、なかなか成績に結びつきません。
しかし、英語や数学などと比べると、覚えることの量や必要な勉強量は少ないので、正しい方法で勉強すれば、短期間でも成績を伸ばしやすいです。
この記事を読めば、古文の勉強をどのように進めていけばいいかが分かります。
暗記や問題演習などにおいて、何を意識すれば良いかを具体的に紹介しているので、今日から実践できます。
この記事を読んで、古文を得意科目にしましょう!
当てはまっていたら注意!古文のNG勉強法4選
まずは、古文のNG勉強法を4つ紹介します。
もし当てはまっていた場合は、この後紹介する勉強STEPを参考にして、勉強法を見直してみてください。
①単語を疎かにする
古文において、最も基本的な部分が単語の知識です。
古文単語の暗記をめんどくさがって後回しにしている人もいるかもしれませんが、単語を覚えないと、解釈や問題演習に進めないです。
入試に必要な古文単語は300〜500語ほどだと言われています。
英単語の場合、2000〜3000語ほど覚える必要があると言われているので、古文の方が圧倒的に楽です。
1日10個覚えれば、1ヶ月で受験に必要な単語を最低限覚えられます。
まずは、単語を覚えましょう。
②フィーリングで読む
古文の文章をフィーリングで読むのも、間違った勉強法です。
経験したことのある人も多いでしょうが、文法の知識が曖昧でも、感覚で解いてそれなりに正解できてしまいます。
しかし、そうした勉強法では、再現性がなく、試験や模試で成績が安定しません。
文法の勉強を疎かにせず、自分の読解の根拠を説明できるレベルを目指して勉強しましょう。
③文法書を通読する
先ほど述べたとおり、文法の知識は必要ですが、文法書をただ通読するだけの勉強はやめましょう。
文法の知識は、実際に文章を読むための知識として活用できなければなりません。
そのためには、文法の知識を読解に活かせるようにする必要があります。
文法書の通読は、退屈で時間がかかる割に、読解に活かす練習があまりできません。
細かい知識を全て覚えるよりも、まずは重要な知識を暗記し、その後は実際に文章を読む中で知識を使う練習をするのがおすすめです。
文法書は、分からない部分があったときに辞書的に使いましょう。
具体的に覚えるべき知識については後ほど解説します。
④長文を解きっぱなしにする
長文を解きっぱなしにするのもNGな勉強法です。
長文を解いている中で、分からない単語や、解釈の曖昧な部分は必ず出てくると思います。
ある程度単語や文法の知識が身についた中で、さらに学力を伸ばすためには、長文の中で、単語や文法事項の使われ方を学んだり、新たな知識を得たりする必要があります。
また、古文では、似た展開や、同じような背景を持った別々の話がある場合も多いです。
後ほど紹介する問題演習のコツをぜひ参考にしてみてください。
古文の正しい勉強STEPは?
ここからは、古文の正しい勉強STEPを、具体的な方法も含めて紹介していきます。
古文の勉強は4STEP
古文の勉強は大きく分けて4つのSTEPからなります。
STEP1 古文単語を覚える
STEP2 文法事項を覚える
STEP3 解釈の方法を学ぶ
STEP4 長文で問題演習する
STEP1とSTEP2は並行して進めると良いです。
「定期テスト等の勉強をしっかりしていて、単語や文法はある程度覚えている」という人は、STEP3から始めるようにしましょう。
【STEP1】古文単語を覚えよう
最初のステップは、古文単語の暗記です。
主要な意味から覚えよう
古文単語には複数の意味がある単語も多いです。
しかし、いきなり全ての意味を覚えるのは大変ですので、主要な意味から覚えましょう。
具体的には、古文単語帳で1番最初に載っている意味や、例文が充実している意味を覚えます。
古文単語には、1つの主要な意味が派生して別の意味が生まれたというパターンも多いです。
例えば、「おぼつかなし」は、つかみどころがなくぼんやりした様子を意味する単語でしたが、そこから派生して「不安だ」「待ち遠しい」の意味が生まれました。
主要な意味を覚えると、その単語の核となるイメージがつかめ、その後の複数の意味の暗記が楽になります。
現代語との違いを意識しよう
大学入試の古文において、現代語と意味の異なる単語は、設問に絡みやすいです。
そのため、特に注意して覚えましょう。
代表的な単語としては以下のようなものがあります。
・いたづらなり(現代語訳:むなしい)
・心にくし(現代語訳:奥ゆかしい)
・かなし(現代語訳:かわいい)
語呂合わせを活用しよう
古文単語を覚えている中で、イメージが掴みにくい単語や、なかなか覚えられない単語と出会うこともあります。
そうしたときにおすすめなのが、語呂合わせの活用です。
全ての単語に語呂合わせを使うのは、手間がかかり過ぎてしまいますが、どうしても覚えられない単語には、語呂合わせは強力な威力を発揮します。
自分で語呂を考えるのが苦手な人には、『古文単語ゴロゴ』のような、語呂合わせが書かれた単語帳を使ってみるのもおすすめです。
古文単語の覚え方については、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
▶【京大生直伝】古文単語の覚え方・暗記法を徹底解説!レベル別5ステップも紹介
【STEP2】文法事項を覚えよう
単語の暗記と並行して、文法の学習も進めましょう。
用言の活用
まずは、用言の活用を覚えましょう。
覚えるべきことは、「活用の種類」と「活用形」です。
活用の種類には以下のものがあります。
<動詞>
四段活用
上一段活用
下一段活用
上二段活用
下二段活用
カ行変格活用
サ行変格活用
ナ行変格活用
ラ行変格活用
<形容詞>
ク活用
シク活用
<形容動詞>
ナリ活用
タリ活用
文法書や文法の参考書を読み、活用の種類の識別方法について学びましょう。
次に、それぞれの活用の種類がどのような活用をするかを学んでください。
基本的に、未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形があります。
最終的には、用言を見たらすぐに、「〇〇活用の〇〇形」と言えるレベルを目指しましょう。
助動詞
古文の文法において、特に重要なのが助動詞です。
助動詞は、動詞の後に付いて、意味を添える働きがあります。
助動詞の暗記が進むと、一気に古文が読みやすくなります。
助動詞では、「接続」「活用」「意味」の3項目を覚えましょう。
みなさんの持っている文法書や参考書にも、この3項目がまとめられた活用表が載っているはずですが、助動詞は種類が多いので、3項目全てをいきなり覚えようとすると、混乱してしまいます。
なので、「接続」→「活用法」→「意味」の順番で覚えるようにしましょう。
接続とは、助動詞の前の動詞がどのような形になるかのルールです。
これを覚えると、助動詞の識別ができます。
次に、活用法を覚えれば、文中での様々な形に対応できるようになります。
最後に意味を覚えれば、助動詞はバッチリです。
各助動詞の詳細な解説や、具体的な暗記法は、以下の記事で紹介されています。
この記事を読んでから勉強すれば、助動詞を完璧にマスターできるはずなので、ぜひご覧ください。
▶古文・古典の助動詞を京大文系が解説!語呂合わせの覚え方や勉強法も紹介
敬語
敬語も、古文の読解には欠かせません。
古文では、主語や目的語に当たる人物がよく省略されます。
それを特定するための知識として必要なのが、敬語です。
例えば、動詞が目上の人に用いられる言葉だった場合、目的語となる人物は、動作主より目上の人物であると分かります。
このように、敬語は古文を読み進める上で不可欠です。
敬語の一覧や勉強法は、以下の記事で解説されています。
ぜひご一読ください。
▶古文の敬語は重要?京大生が覚え方・勉強法を徹底解説|オススメ参考書も紹介
助詞
助詞は、軽視されがちですが、読解には大切な要素です。
助詞は50個ほどあるので、全てについて完璧に覚える必要はありませんが、読解において重要になるものの知識は入れておきましょう。
具体的には、現代語にない意味を持つものや、複数の意味を持つものは覚えるべきです。
文法書は参考書を読んで、覚えるべきものを確認しましょう。
【STEP3】解釈の方法を学ぼう
続いては解釈の勉強です。
これは、ここまで勉強してきた単語や文法を読解に活かすための重要なステップです。
文法を読解に活かすために解釈を学ぼう
STEP2まで終えた頃には、確実に古文の基礎知識が身についているでしょう。
それにも関わらず、実際に問題を解いてみると、「意外と読めない」と感じるときがあると思います。
その原因は、文法の知識を実際の読解で活かす方法を学んでいないことです。
単に古文の知識を知っていることと、それを使えることには差があります。
例えば、読解中には、文中の省略されている部分の補いが必要になります。
文法の知識を、読解の中で使う方法を学びましょう。
解釈のおすすめ参考書
文法の知識を、読解に活かすためにおすすめなのが、『古文解釈の方法』です。
僕も受験生時代にお世話になりました。苦手科目だった古文を、受験で戦えるレベルに引き上げてくれた1冊です。
この参考書には、古文の知識を読解で活かすための実践的な内容が数多く載っています。
例えば「内容を大掴みする方法」では、文章の大意を素早く掴む方法が解説されています。
共通テストのような、急いで読まねばならない状況で役立ちました。
また、助動詞の細かいニュアンスの違いや、和歌の解釈方法についての項目は、記述式の2次試験で活かせました。
ハイレベルな1冊ですので、古文は共通テストのみの方や、受験まで時間がない方には、この本の初歩的な部分を抜粋した『古文解釈はじめの一歩』がおすすめです。
解釈の勉強は説明できるレベルまでやろう
解釈の勉強は、説明できるレベルまでやりましょう。
単に読んで、答えと照らし合わせるだけの場合、読めたつもりになってしまいがちです。
解釈の勉強の目的は、今目の前にある文章を読むことではなく、様々な文章を読むための汎用的な考え方を身につけることです。
そのためには、読解における思考のプロセスを身につけるのが大切です。
例えば、「AとBの2人がいて、この助詞の後で主語が変わりBになっているので、この助詞より前の部分の主語はAだ」のように、自分で読解の根拠を説明できるようにしましょう。
【STEP4】長文で問題演習しよう
解釈まで終えたら、いよいよ長文を読んで演習を行います。
以下で紹介するポイントを意識して、取り組みましょう。
登場人物や品詞をチェックしながら解こう
新たな登場人物が出てきた際にマーキングしながら解くのがおすすめです。
それぞれの登場人物に、略称やA、B、Cといった記号を振っておきましょう。
省略された主語や目的語を書き込む時に役立ちます。
助動詞なども目印をつけながら読んでいくと良いでしょう。
特に、現代語訳等の設問に関わる部分は、自分の解釈を残しておくと、見直ししやすくなります。
読解の根拠を書き込みながら解こう
読解の根拠を書き込みながら解くのもおすすめです。
例えば、主語が省略されてる部分の人物が特定できたら、先ほどの項目で紹介した、人物の略称や記号を書き込んでおきましょう。
設問を解く際に、省略部分を特定し直す手間がなくなります。
また、回答の根拠だと考えた部分をメモ書き程度に残しておくと、復習の際にも自分の考えが見直せて便利です。
解釈違いや未知の単語は復習しよう
解き終えた後は、単に問題ができたかどうかを見るのではなく、「なぜ間違えたのか」「どの部分で間違えたのか」に注目しましょう。
ここで役に立つのが、問題を解きながらチェックしたり書き込んでいる部分です。
これを解説と照らし合わせれば、自分がどこで何を間違えたのかがすぐに分かります。
解釈を間違えた部分は、文法書や解釈の参考書を見直し、単語など知識的なところで間違えがあれば、ノートなどにまとめて覚えましょう。
まとめ
今回は、古文の勉強法について解説しました。
古文の勉強法は、次の4STEPで構成されています。
STEP1 古文単語を覚える
STEP2 文法事項を覚える
STEP3 解釈の方法を学ぶ
STEP4 長文で問題演習する
この記事で紹介した暗記や問題演習のポイントを参考にして勉強すれば、古文の成績は大きく伸びるはずです。
ぜひ実践してみてくださいね。