【京大生直伝】受験物理の勉強3STEPを徹底解説!分野別のポイント/おすすめの参考書・問題集も紹介!

・大学受験の物理をどうやって勉強したらいいか分からない…
・物理を勉強しているけどなかなか成績が伸びない…

そんな悩みを抱えている高校生は多いでしょう。

物理は、一見複雑ではじめは理解するのが難しいですよね。

この記事では、そんな悩みを解決するため、物理の勉強方法について詳しく解説していきます。

これを読めば、正しい方法で物理の成績を伸ばすことができるでしょう。

そもそも物理ってどんな科目?

そもそも物理とはどんな科目なのでしょうか。

はじめに物理の基本的な情報や特徴をご説明します。

「物理基礎」と「物理」に分かれる

一般的に「物理」と呼ばれる科目には、「物理基礎」「物理」の2つが存在します。

「物理基礎」は、その名の通り「物理」の基礎で、範囲は「物理」の一部です。

つまり、「物理基礎」の内容を深くしたものが「物理」です。

「物理基礎」は、主に共通テストで使います。

文系の生徒や、二次試験で物理を受けない理系の生徒が学ぶことが多いです。

ここから先は、「物理」「物理基礎」のうち、「物理」について説明していきます。

「物理」はさらに5つの分野に分かれる

物理は、以下の5つの分野を学習します。

力学:物体にかかる力や物体の運動について学びます
波動:音や光の伝達を取り扱います
熱力学:気体や熱に関する分野です。化学と少し内容がかぶっています
電磁気学:電気や磁気について勉強します
原子:光の粒子やX線、原子の構造などを学ぶ分野です

入試科目としての特徴

入試科目としての物理は、どんな特徴があるのでしょうか。

主な2つの特徴をご紹介します。

①暗記が少なく、計算が多め

大学受験において、理科3科目(化学・物理・生物)を比較してみましょう。

まず、暗記の量で比較すると、以下のようになります。

生物>化学>物理

物理は、理科の中では暗記が最も少ない科目です。

一方、計算の多さで比較すると、以下のようになります。

化学>物理>>生物

物理の問題は計算で解くものが多いため、ある程度の計算力が必要です。

②理系科目では一番得点しやすい

物理の2つ目の特徴として、理系科目の中では最も得点しやすいと言われています。

安定して得点しやすい順に並べると、このようになります。

物理>化学>生物

物理の問題は、ある程度パターン化されており、生物のように奇問が出題されることが少ないです。

そのため、理解して定着してしまえば、安定した得点を狙えます。

物理はどの順番で勉強すればいいの?

物理を勉強するにあたって、どの順番で勉強するか迷う人が多いでしょう。

実は、物理の勉強には、おすすめの順番があります。

①まずは力学から

物理を学ぶとき、まずは力学から始めましょう。

力学は物理の基本となる分野です。

運動方程式やエネルギー保存など、他の分野で使う重要な知識が多く含まれています。

力学を学ぶときにしっかりと定着させておきましょう。

②次に電磁気学

力学を学んだら、次は電磁気学を学ぶといいでしょう。

電磁気学は、力学に次いで試験の頻出分野です。

範囲も広く、全てを理解するには時間がかかるため、早い段階で学んでおくのがおすすめです。

③波動・熱力学はどっちからでもいい

波動・熱力学の2分野に関しては、どちらから学んでもいいでしょう。

2分野とも範囲が狭く、比較的理解しやすいです。

志望校の出題傾向を調べて、それに合わせて優先順位を決めることをおすすめします。

④原子は最後に

原子の分野は、最後に勉強することをおすすめします。

原子を授業で扱うのが受験直前になる高校も多いでしょう。

原子が受験で出題されることは稀です。

直前期に詰め込んで間に合うため、他の分野を優先して、最後に学ぶといいでしょう。

受験生の8割がしている物理の間違った勉強法

どれだけ勉強していても、方法が適切でなかったら、成績は上がりません。

ここからは、物理のおすすめできない勉強方法をご紹介します。

①公式を丸暗記している

まず、公式の丸暗記は避けましょう。

公式を丸暗記しても、使い方が分からず役に立ちません。

また、意味を理解せずに丸暗記すると、試験中に公式が出てこなかったとき、どうしようもなくなって大幅に点数を落とすことになります。

理解して覚えた方が、忘れにくいというメリットもありますね。

②最後まで自分の力で解かない

物理が苦手な人に非常に多いパターンです。

問題を解いていて分からなくなったとき、解説を読んでわかった気になっていませんか?

時間をおいてもう一度その問題を解こうとすると、解けないことがほとんどです。

すぐに解説を見て分かった気にならずに、色々な方法を試して自分で解こうとすることが大切です。

どうしても分からないときは教科書を見ながら解くなど、解説の丸写しにならないようにしましょう。

【京大生直伝】受験期の物理勉強3STEPをご紹介

ここからは、京大生の筆者が実際に行った物理の勉強を3STEPでご紹介します。

1:セミナーで基本的な問題を理解

私の学校で使っている問題集がセミナーだったため、まずはセミナーで基本的な問題を演習しました。

教科書などの基本事項を読み、セミナーの基本問題を解きながら理解していくことがおすすめです。

2:良問の風・重要問題集で発展問題を練習

セミナーの基本問題をある程度解いたら、良問の風や重要問題集などの、レベルの高い問題集でとにかく演習を積みました。

演習を積むうちに、コツを掴んだり、よく聞かれるパターンを覚えたりします。

3:過去問を解く

私は範囲によって使い分けていましたが、良問の風か重要問題集を1周したら、過去問にとりかかりました。

過去問を解くときのポイントは以下の2つです。

・直近2〜3年分は直前まで残しておく

過去問は数に限りがある貴重な資料です。特に直近数年分は、問題傾向が近い可能性があるため、直前期まで残しておくことをおすすめします。

・時間を測って解く

過去問で非常に重要なのが、時間配分の練習です。

落ち着いて取りかかれば解ける問題でも、時間に追われた中で解くと全然違います。

実際の試験時間の感覚をつかみ、時間配分の練習を重ねましょう。

また、過去問を解いていく中で、理解が足りないと感じた分野は、セミナーの問題に戻ったり、良問の風や需要問題集でさらに演習を積んだりしていました。

【分野別】物理の勉強で守るべきポイント

ここからは、物理の勉強で守るべきポイントをご紹介します。

必ずSI単位系を考える

全ての分野に共通して、物理の勉強では、SI単位系を考えることが非常に重要です。

SI単位系(国際単位系)とは、世界共通の単位系のことで、基本単位は「m」「kg」「s」「A」「K」「mol」「cd」の7つです。

このSI単位系を考えることで、その数の表す意味がわかりやすくなるし、式も理解しやすくなります。

例えば、圧力の単位である「Pa」は、SI単位系で表すと「N/m^2」となり、「単位面積あたりにかかる力」であることがわかりやすいです。

式で計算するときも、SI単位系を意識すると間違えにくくなります。

①力学

・公式を導出できるようにする

力学で学ぶ公式は、力学だけでなく他の分野でも頻繁に登場する重要な公式です。

公式を導出できるようになるまで、意味をしっかりと理解しましょう。

・物体にかかる力を図にかきこむ

物体にかかる全ての力を把握するために、「その物体に触れている全ての物体からかかる力」と「触れていないものからの力(磁力・重力)」を確認して、書き込むようにしましょう。

触れているものと磁力・重力を確認すれば、かかっている力を抜けなく把握できます。

間違えないように可視化して図にかきこむ癖をつけましょう。

②電磁気学

・回路の図に慣れる

電磁気の分野で頻出する回路の問題は、頭の中で考えることはできないでしょう。

回路に情報をかきこんで解くときに、見やすい図になるようにすることが必要です。

自分の中で、間違えないような図の決まりを作ることをおすすめします。

筆者は、電位の向きを統一して全ての電位差をかきこむようにしていました。

・磁場や電流の図を自分でかく

他の分野にも共通していますが、図を自分でかくことは非常に重要です。

特に電磁気の分野では、左手の法則や右手の法則などの向きがややこしいため、図にかいて理解するようにしましょう。

フレミングの左手の法則・右手の法則は、基本となる非常に重要な知識です。

よく理解して使い分けられるようにしましょう。

③波動

・常に位相を意識する

波動の範囲で最も多い間違いの一つが、位相のずれのミスです。

始めの状態から、位相を把握して、間違えないように確認しましょう。

・固定端と自由端を区別する

波動の範囲で、固定端と自由端はつまずく人が多い内容です。

理解できたとしても、うっかり間違えてしまう人も多いです。

固定端と自由端の違いは、意識的に区別するようにしましょう。

④熱力学

・一定な条件を確認する

圧力が一定、体積が一定、温度が一定など、さまざまなパターンが出てきます。

その問題で一定の条件は何か確認し、状態方程式からその要素を消すと、その状況下での比例・反比例の関係がわかりやすくなります。

⑤原子

・意味と一緒に公式を覚える

原子の範囲は、内容が難しく、全ての公式を導出できるようになるのは難しいかもしれません。

公式の暗記が重要になります。

しかし、覚えた公式の使い道が分からないということがないように、意味や使い方をよく理解したうえで公式をしっかり覚えましょう。

京大生がおすすめする物理の参考書・問題集

最後に、京大生がおすすめする物理の参考書・問題集をご紹介します。

参考書

・物理のエッセンス

受験生に非常に人気の参考書です。

図を用いて説明されており、例題と解説、演習問題もついています。

基礎固めに有効なため、物理のエッセンスを理解し終えたら、問題集を使って実践を積むのがおすすめです。

・宇宙一わかりやすい高校物理

イラストを多く用いて、物理の基本が解説されています。

物理の勉強をこれから始める人や、物理が苦手な人におすすめです。

これも基礎的な内容なので、他の問題集を使って演習を重ねる必要があります。

問題集

・良問の風/名問の森

学校の問題集や物理のエッセンスなどを終え、基本的な問題が解けるようになってから取り組むのがおすすめです。

名問の森は良問の風よりもさらに難易度が高いため、物理に自信がある人や良問の森を終えた人におすすめです。

・重要問題集

難易度によって「A問題」「B問題」に分かれており、好きな使い方ができます。

さまざまな大学で過去に出題された問題が多く取り扱われている問題集です。

二次試験を意識した勉強ができます。

まとめ

今回は、物理の勉強方法についてご説明しました。

限られた時間の中で効率よく成績を上げられるように、正しい方法で勉強できるように意識しましょう。

物理を勉強する順番や、各分野のポイント、おすすめの参考書・問題集もご紹介したので、ぜひ参考にしてください。

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この記事を書いた人

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近藤つむぎ

京都大学農学部食品生物科学科に在学中。

受験勉強のスタートダッシュが遅く、夏の京大模試でE判定をとったことをきっかけに火がつき、独自の勉強法と勉強計画で追い上げました。
その結果、共通テスト・二次試験ともに着実に得点し、医学部以外の全ての学部のボーダーをクリアしました。