国公立大学を受験しようとしている人の中には、「2次試験が勝負の分かれ目」と考えている人も多いと思います。
とはいっても、共通テストを軽視するわけにもいきません。
2次試験の勉強をいつから、どんなスケジュールで進めればいいのかわからなくなってしまいますよね。
また、「今のままでは2次試験に間に合わない」と焦っている人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、2次試験の勉強のスケジュール、過去問の効果的な使い方、時間が足りないときの対処法を、自身の実体験を踏まえて解説します。
まずは現状把握をしよう!
2次試験の勉強をいつから始めるか考えるにあたり、まずは現状把握が不可欠です。
2次試験の勉強をいつから始めるかは配点比率等によって変わる
2次試験の勉強をいつから始めるべきかは、志望大学の配点比率によって変わります。
まずは、大学の入試要項などを見て、共通テストと2次試験の使用科目や配点比率を確認しましょう。
例えば、旧帝大の多くでは、2次試験の配点比率が50%を超えています。
一方で、共通テストの配点比率が8割を超えている大学もあります。
特に、中期試験や後期試験は、共通テストの割合が高いことが多いです。
2段階選抜にも注意しよう
また、2段階選抜にも注意しなければなりません。
これは、共通テストの成績を用いて2次試験の受験者を事前に選抜する制度です。
選抜が2段階に分かれているので、2段階選抜と呼ばれます。
例えば、大学側が「志願者が募集人員の⚪︎倍を上回った場合第1段階選抜を行う」としていた場合、共通テストの得点を利用して、その倍率まで2次試験の受験者数が絞られます。
この制度の有無や倍率は大学によって異なるので、こちらも調べておきましょう。
いつどんな勉強をすればいい?
ここからは、主に、共通テストと2次試験、いずれも軽視できない人向けに書きます。
共通テストがほぼ不要な人、逆に2次試験の科目数が少ない人など、状況が異なる人もいると思います。
また、共通テスト、2次試験の得意不得意にも個人差があるでしょう。
多くの人に共通する部分は参考にしつつ、以下で紹介したスケジュールをベースに、ぜひ自分に合わせた調整を行ってみてください。
【高2終わりまで】基礎固め、特に英数
高2の終わりまでは、英語と数学の基礎を徹底的に固めるべきです。
これはほぼ全ての人に当てはまるでしょう。
文系理系や志望校が決まってない人もいると思いますが、何を選択するとしても、英語と数学を使う可能性は高いからです。
少なくとも、教科書レベルの問題は、自力で解けるようにしておきましょう。
この時期の基礎固めが遅れると、今後のスケジュールにも影響するので、まずはこの2科目に主眼をおいて勉強しましょう。
【高3:夏まで】必要な科目の基礎固め、共通テストレベルはある程度完成
高3になる頃から、英数以外の科目も徐々に進めていきましょう。
5〜6月ごろと、夏休みにそれぞれ模試があるので、1回目の模試で自分の弱点を知り、2回目の模試を見据えて勉強しましょう。
また、この時期に部活などが終わる方も多いと思います。
そうした勉強時間を増やせるタイミングで、勉強する科目数を増やすのもおすすめです。
夏休みの共通テスト模試で、合計点で本番取りたい点数の-100点ほど取れると、秋以降2次の対策に力を注ぎやすいでしょう。
【高3:秋】記述、応用問題など2次対策
高3の秋からは、記述や応用問題に取り組みましょう。
旧帝大などを受ける方は、秋に大学別の模試があるので、そこでの目標点を決めて勉強するのがおすすめです。
目標点を決めるために、この時期に過去問を解いてみるのもおすすめです。
今後何を勉強していくべきかが分かりますし、難関大学の問題であっても、基礎を固めれば解けるものが意外と多くあることに気づくでしょう。
理科基礎や社会のような共通テストのみで使う科目も、完全に忘れてしまうと冬に大変になってしまうので、定期的に復習しましょう。
【高3:11〜12月】共通テスト対策
11月頃の記述模試や志望大学別の模試が終わった頃から、共通テストの直前対策となります。
開始時期は、共通テストの得意不得意や、配点によって変わってきます。
苦手科目や配点の大きい科目のみ、早めに準備を始めたり、集中的に取り組むのもおすすめです。
実際に私も、模試で毎回80点ほどだった世界史に集中的に取り組んで、本番で満点を取れました。
また、周りで一緒に世界史を勉強していた友達も、この時期の追い込みで20点くらい上がっていました。
このように、社会のような暗記メインの科目は、直前の追い込みで大きく得点を伸ばせます。
得意な科目、基礎が定着している科目は、過去問や予想問題を使って、出題形式に慣れましょう。
共通テストは出題形式が独特な問題もありますが、基礎が定着していれば、その分慣れだけである程度得点を伸ばせます。
【共通テスト後】過去問などで2次対策
共通テスト後は、過去問などを使い、2次試験の直前対策をしましょう。
ここまで、基礎→応用としっかり学習を重ねていれば、答えられる問題は間違いなく増えてきているはずです。
時間配分を意識した練習や、苦手分野に絞った対策などをし、1点でも多く取れるようにしましょう。
過去問の効果的な使い方はこの後紹介します。
また、今までの模試の復習をするのもおすすめです。
1度間違えた部分は、自分が間違えやすい部分なことも多いです。
模試の問題には、予備校の先生の分析が反映されているので、本番で類題が出ることもあります。
実際に、2022年、京都大学の入試の古文では、河合塾の京大オープン模試と同じ問題が出題されました。
【国公立大学受験生必見】過去問の効果的な使い方4選
ここからは、過去問の効果的な使い方について紹介します。
直前期以外での効果的な使い方も説明するので、入試がまだ先という方もぜひご覧ください。
①志望校との距離を測るために解く
過去問の活用法の1つは、志望校との距離を測ることです。
先ほど紹介したスケジュールのそれぞれのタイミングで、解いてみるのがおすすめです。
学習の進みが実感できますし、合格点と比較して何点ぐらい足りないか、その分を埋めるためにどこを伸ばすべきかを考えられます。
②志望校の傾向を掴むために解く
志望校の傾向を掴むのも過去問演習の目的の1つです。
同じ教科や分野であっても、大学ごとに出題傾向は異なります。
例えば、同じ英語の長文問題であっても、京都大学では下線部の和訳か説明しか出題されませんが、東京大学では、適語補充や要約など様々な出題がされます。
傾向を掴んで、志望校にあった対策をしましょう。
③実際に時間を測って本番の練習をする
これは、直前期に特におすすめな使い方です。
入試本番を意識し、解く順番や時間配分を考えて解きましょう。
入試において、学力はもちろん必須条件ですが、同じ学力帯の人が多く集まるので、時間配分のような戦略面が勝負を分ける場合も多いです。
過去問を使ってしっかり練習し、1点でも多く取れるようにしましょう。
④苦手な分野、形式の練習に使う
苦手な分野や形式に絞って解いてみるのもおすすめです。
大学によっては、他の大学ではなかなかみられないような独自の出題の仕方をしてくることがあります。
また、過去問を解く中で、「毎回この分野で点を落としてしまう」という部分が出てくることがあると思います。
そういった場合、苦手な部分を集中的に解くことが効果的です。
大学によっては『〇〇大学の英語〇カ年』のように科目ごとの過去問が出ており、問題が分野ごとにまとめられているのでおすすめです。
過去問の使い方については、こちらの記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。
▶大学受験での過去問の使い方は?メリットや注意点を京大生が徹底解説!
入試までの時間が足りないと感じたときは?
得点比率の高いものを優先する
ここまで読んできて、「このスケジュールは理想論すぎる」と感じた人や、「入試まで明らかに時間が足りない」という人も多いと思います。
そういった方は、まずは得点比率の高いものを優先しましょう。
例えば、私の所属する京都大学総合人間学部は、共通テストの配点比率が20%以下です。
共通テストでいくらリードしたとしても、数学1問分で簡単にひっくり返せるほどの差にしかなりません。
そのため、私の周りにも共通テストが低かったが合格した人が多くいます。
逆に現役時の私は、共通テスト時点では合格圏内だったにも関わらず不合格となってしまいました。
受験勉強において、全てを完璧にするのは不可能です。満点を取らずとも十分合格できるので、重要な部分に集中すべきです。
時間がない場合は、差がつかない部分より先に、配点比率の高い部分に力を注ぎましょう。
「自分一人では何を優先するかの判断ができない」という方はポラリスアカデミアの無料受験相談を利用がおすすめです。
受験のプロから的確なアドバイスがもらえるでしょう。
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まとめ
今回は、2次試験の勉強をいつから始めるかについて紹介しました。
まずは自分の志望する大学の配点比率を確認し、今回紹介した流れをもとに、いつ何をやるか考えてみましょう。
過去問の効果的な使い方や、時間がない場合の対処法についても解説しているので、参考にしてみてください。
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