【京大理学部直伝】生物の勉強法3ステップを京大理学部の生物専攻が解説!

【京大式】生物の勉強法を伝授します

スタペディア編集部の黒須です。

この記事で解決する悩み

  • そもそも生物ってどんな科目?
  • 生物選択は不利って本当?
  • 生物の効率的な勉強法は?

この記事では、生物の勉強法について、現役の京大理学部生で、生物学を専攻している僕が解説します。

中でも、私オリジナルの生物勉強法は、生物を選択する全ての受験生に参考にしてほしいと思っています。ぜひご覧ください。

そもそも大学受験の生物ってどんな科目?

共通テストから見る生物の特徴

「生物基礎」と「生物」に分かれている

生物は、「生物基礎」と「生物」に分かれていて、文系の受験生は「生物基礎」を、理系の受験生は「生物基礎」と「生物」を学習します。

共通テストにおいては、文系の受験生は「生物基礎」を、理系の受験生は「生物」を受験することになります。

共通テストの受験者数

  • 理科基礎(文系)の受験者数は生物が最も多く、物理が最も少ない
  • 理科(理系)の受験者数は化学が最も多く、生物は3番目
  • 文系受験生は、暗記要素が少なく、原理の理解が必要となる物理基礎は選ばれづらい
  • 逆に、理系受験生は暗記を苦手とすることが多いので、暗記要素の強い生物は敬遠されがち

理系学部によっては、理科の受験を物理・化学の2科目に限定している場合があるので、注意しましょう。

生物の共通テストとセンター試験の違いは、こちらの記事で解説しています。

理系科目の中ではとくに暗記が重要

生物は、他の理科科目と比べて、暗記が重要であるという特徴があります。

ここでいう重要というのは、暗記をすることがそのまま入試などで得点に繋がりやすいという意味です。

生物では、生物用語をストレートに問うてくることも多く、その点では文系科目に近いと言えるでしょう。これは難関大学でも同様です。

一方、物理や化学では、ただ用語や公式を暗記しただけでは得点になりにくいという点で、生物と異なります。

用語や公式を理解し、問題で与えられた情報を活用するというもう一段高度な学力が問われることが多いです。

そのため、計算が苦手で、暗記が得意という人に生物はオススメです。

ただ、最近では徐々に生物の暗記を減らす動きがあり、教科書からも徐々に生物用語の数が減ってきていています。

そのため、生物でも暗記に限らず、思考力を育んでいくことが重要です。

それでも他の理科科目に比べて生物では暗記が重要であることには変わりないので、暗記を中心に学習していきましょう。

京大理学部生直伝の生物勉強法

京大の理学部に通う私が生物の勉強法を伝授致します。

教科書を徹底的に読み込む

本屋さんに行くと生物の参考書がずらりとたくさん並んでいますが、多くの生物選択の東大生・京大生がおすすめする最高の参考書は「教科書」です。

教科書はそもそも大学の先生が中心となって、高校生に学ぶ必要があると判断した内容をまとめたものです。

優秀な大学の先生が執筆しているので、どの教科でも教科書のクオリティーは非常に高いです。

とくに生物ではその完成度が高くなっています。

そのため、生物用語の定義や図表の読み取り方など、生物の基本がわかりやすくまとめられています

生物の入試では、基本を問う問題が多く、教科書の内容をきちんと頭に入れていれば難関大学であっても合格点を十分取れるようになっています。

入試問題では教科書に載っていない内容を知らないと解けないような出題はありません。

そのため、細かい内容まで載っている参考書は必要なく、基本の詰まった教科書を徹底的に読み込むことが生物を学習する上での一番の近道と言えるでしょう。

京大理学部が実践していた生物の教科書を活用した勉強法

自分が教科書を使って実践していた勉強法を紹介します。

この勉強をすることで、京大理学部に合格できたと言っても過言ではないので、ぜひ参考にしてください。

① 用語ノートで復習

教科書の説明を読むことで、「なるほどこんなことを言っているのか」と理解することは簡単です。

しかし、ある用語を言われて、「それをきちんと説明しましょう」と言われるとなかなか説明できないことが多いです。

生物では論述も多く、用語の定義をストレートに聞かれることもあるので、用語の意味をきちんと説明できることが重要です。

自分はその対策として、教科書に載っている太字の重要な用語をノートに間をあけて書き並べ、そこに自分なりのその用語の説明を書き、教科書の説明と照らし合わせて確認するという勉強法を実践していました。

これにより、一見当たり前のように使っている用語の落とし穴に気づいたり、より理解を深めることができ、また生物に必須な文章力もつけることができました

この勉強で、京大の生物にも対応することができました。

  • 教科書に載っている太字の重要な用語をノートに書き並べる
  • そこに自分なりの説明を書き加える

② グラフや表の読み方を分析する勉強法

教科書にはデータとしてグラフや表がたくさん収録されています。

もちろん内容も重要で、「こんなことを言っているのか」とそのグラフや表の大枠を理解することも勉強です。

一方、グラフや表を読む上で最も重要なのは、「なぜこの表、グラフを使っているのか?」、「軸はどうなってるか?」など、データの表し方に注目することが非常に重要です。

入試では初見のデータが与えられることがほとんどですが、その表し方は教科書に載っているものばかりです。

教科書を使ってデータの読み取りを訓練しておくと、入試で与えられた初見のグラフや表を見ても、どんな意図を持ったデータなのかを理解しやすくなります。

そのため、教科書に載っている図や表に注目して分析する勉強法も実践的でオススメです。

  • データの表し方に注目することが鍵
  • 教科書に載っている図や表に注目して分析していく

生物選択は不利って本当?

生物選択は、物理選択や化学選択に比べて不利と言われることが多い科目です。

生物選択は、他の科目選択に比べて実際に不利なのか、生物選択をして京大理学部に合格した私の視点から解説します

生物を選択するメリット

生物選択をするメリットは以下の3つです。

  • 暗記要素が多いので得点が伸びやすい
  • 設問が独立していることが多い→雪崩が起きにくい
  • 他の選択科目に比べて計算が少ない

それぞれについて解説していきます。

① 暗記要素が多いので得点が伸びやすい

生物では、用語をストレートに問うてくる問題も多いので、用語を暗記をすることで、すぐに得点できます。そのため、生物は、他の理科科目に比べて即効性があります

② 設問が独立していることが多い→雪崩が起きにくい

生物では、あるテーマについてさまざまな観点から設問が設けられていて、設問が独立していることが多いです。

そのため、わからない問題があっても飛ばして次の問題を解くことができます

一方、物理では、設問が繋がっていて、前の問題の解答をそのまま使うことなどが多く、どこかで間違えると、雪崩のようにそれに続く問題が0点になってしまうことがあり得ます。

生物は、物理や化学に比べて、事故が起きにくい科目になっているので、安定志向の人にはオススメと言えます。

③ 他の理科科目に比べて計算が少ない

生物では計算問題が少ないのが特徴です。

計算問題が出題されてもパターン問題か、簡単な算数であることが多いので簡単です。

どうしても数学的な内容が苦手という場合でも大丈夫です。

生物を選択するデメリット

生物選択をするメリットは以下の2つです。

  • 高得点が取りにくい
  • 時間がかかる問題が多い

それぞれについて解説していきます。

① 高得点が取りにくい

生物では、論述問題が出題されることが多いです。

論述問題では、きちんと対策をすることで得点を取れるようになりますが、満点を取ることがなかなか難しいのが現実です。

そのため、勉強を極めていっても、9割くらいの点数で頭打ちになってしまうことが多いです。

② 時間のかかる問題が多い 

生物では、問題文で実験やテーマについて詳しく説明が与えられます。

与えられた説明文は問題を解く上で必要な情報であることがほとんどなので、読むことが前提になっています。

しかし、問題によっては量が多く、読むのに相当な時間がかかることがあります

また、論述問題でも、時間がかかることが多いです。書く内容が分かっていても、それを整理し、まとめるのに時間がかかります。

生物のテストでは、時間に注意が必要です。

生物選択はこのような人にオススメ

生物は以下のような人におすすめです。

  • 理系っぽい計算が苦手
  • 文系よりで暗記が得意
  • 生物が好き
  • 医学部志望

生物は他の理科科目に比べて、計算が少なくない点、暗記力・読解力・文章力を必要とする点で、文系科目と共通していることが多いです。

そのため、計算など理系っぽいのが苦手という人にオススメです。

また生物を得意科目にするためには、そもそも生物がいかにして存在しうるのかという生命現象の本質、その仕組みに面白さを見出せることも大切です。

ただただ言葉の暗記ではなく、そこに少しでも興味があるほうが勉強がはかどるでしょう。

そして、大学に入ってから生物をしっかり学ぶことになる医学部の受験生も、高校から生物を学んでおくことが大学に入ってからの勉強に役立つのでオススメです。

生物を勉強する上で大事なことは?

リアリティを持った暗記・理解を心がける

生物の勉強をするときは、必ず「スケール」に意識を向けましょう。

生物における「スケール」というのは、今見ている生物現象がマクロ〜ミクロのどのくらいの規模で起こっているものなのか、ということです。

例えば、イヌに関する生物現象でも、森林の中にいる生物集団を見ているのか、一個体のイヌの行動を見ているのか、一つの細胞の中の現象を見ているのか、遺伝子など分子レベルのことを見ているのか、などなどそのスケールはさまざまです。

このスケールに意識を向けて、生物をどんな観点から注目しているのかを把握することが重要です。

スケールを意識せずに丸暗記をすると、似たような内容がごちゃごちゃになってうまく整理できなかったり、イメージがわかなかったりとなかなか定着しません。

生命現象は実際自分の身の回りでたくさん起こっているので、生物を受験のための暗記だけに止めず、実生活と結びつけましょう。そうすることで、より鮮明な理解となり、結果的に暗記の手助けになるでしょう。

生物を得点源にする勉強法とは?

生物の勉強法3ステップ

① 教科書で基本を徹底する

生物では基本を理解していることが重要です。

基本が抜けている段階で問題ばかり解いても、効率が悪く、得点も取れないので自信も失いやすいです。そのため、まずは教科書を用いて基本を徹底し、教科書に載っている用語がスラスラと説明できるレベルに持っていきましょう

② アウトプットの練習

生物では、論述や作図といったさまざまな解答方式での出題があります。

とくに、論述が多いのが生物の特徴です。論述では、書くべき内容がわかっていても、それを適切に表現できないと得点にはなりません。

そのため、内容を的確に、論理的に表現する練習をする必要があります

論述に特化した問題集もあるので、問題演習をする前にそれらを用いて「解答の作り方」の練習をすることが重要です。

③ 問題演習

基本が身につき、解答の作り方も習得したところで問題演習に入りたいです。

問題演習を通して、基本を応用する練習をすることが重要です。初見のテーマであっても、基本が身についていれば、「教科書のここの単元の応用だ」などと理解できます。

しかし、ここで基本が身についていないと、何もわからず、不必要なことを暗記するという間違った方向に勉強が進んでしまいます

どんな問題であっても、まずは基本に忠実に解き進め、出題の意図に沿って解答を作っていきましょう。

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参考書編

教科書

受験生における重要な内容は全て教科書にとてもわかりやすく凝縮されています。

教科書の内容を頭に入れるだけでも十分時間がかかるので、生物の参考書は教科書だけで問題ないです。大学の先生も、入試問題を作成する際には必ず教科書を用いて、教科書の内容を逸脱した出題がないか確認しているので安心して活用していきましょう。

資料集

資料集では図表や写真が非常に多く収録されています。そのため、教科書で学んだ内容について資料集で確認することでよりリアリティのある理解に繋がります。文字よりも図表や写真からの理解の方がしやすいという人におすすめです。

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生物の参考書としては教科書で十分ですが、どうしても教科書の説明では納得できない、詳しく知りたい時などにこの参考書がおすすめです。この参考書は基本的には教科書に忠実ですが、入試頻出分野では教科書に載っていないような詳しい内容まで収録されています。また、説明にも工夫がなされており、生物初学者でもわかりやすく解説されています。そのため、教科書でうまく理解できなかったところを調べるなど、教科書と共に辞書的に使っていくのがおすすめです。

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この問題集では、入試頻出の定番問題を厳選したもので、解説もとても丁寧にされています。そのため、教科書の内容がちゃんと身についているかチェックするのに最適です。

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このシリーズでは、「計算・グラフ問題」「記述・論述」「遺伝問題」「実験・考察問題」といったように出題形式に特化した問題集になっています。そのため、生物の基本的な内容は教科書で理解できているが、グラフの読み取りが苦手、論述がうまくできないといった悩みをピンポイントで解決してくれます。「解答の作り方」を出題者目線で丁寧に解説しているため、これから入試問題を解いていこうという人にピッタリです。

まとめ 教科書の内容を理解しながら暗記するのが重要

生物は教科書の内容をきちんと頭に入れてしまえば、即効性もあり、きちんと得点ができる科目です。

論述や図表の読み取り方なども対策しておくことで、満点はなかなか難しいですが、高得点を安定して取ることは十分可能です。

教科書ベースの基本徹底を念頭に置き、生物を得点源にしていきましょう。

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この記事を書いた人

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hirose akito

京大医学部在学中に受験コーチング事業を起業。1年で生徒数を拡大し、教育系の会社へ事業売却。現在は複数のメディアでメディアディレクターを務める。