【2023年版】京都大学医学部(人間健康科学科)の入試を過去問の特色から分析！現役京大生が傾向と対策を解説

• 受験勉強を始めたいけど、何をすればいいか分からない
• 倍率や入試科目などの基礎情報を知りたい
• 京大生がどのようにして問題を解くのかを教えてほしい

こんにちは！スタペディア編集部の京都大学経済学部に通う福井です。
私の受験指導経験を振り返ると、多くの受験生が京都大学を受験したい！と志望校は決めているものの、

• どんな問題が過去出されたの？入試問題の傾向は？
• 倍率はどれくらい？
• 対策はどのようにすればいい？

という質問に答えられない生徒がほとんどでした。
つまり、入試分析を疎かにしているのです。

敵を知らずして、適切な対策は打てないという事で
今回の記事では、試験科目、入試日程などの受験情報、京大生ならではの過去問の分析まで
あなたの志望校を丸裸にする勢いで京都大学の入試分析を公開します。

現役京大生の私は入試分析をしてから勉強効率が最大限に高まり、京都大学に合格しました。
この記事を読めば、京大生の合格戦略が全て分かります。
5分で読めますし、他の人に大きく差を付けられるので、ぜひご覧ください。

受験分析ポリシー

直近の過去問3年分を全教科実際に解き、徹底的に分析しました。

ステップ 1

まずは、倍率・入試科目・配点など受験情報をリサーチします。そして過去問3年分全ての問題を実際に解きます。

ステップ 2

リサーチした内容・解いた所感から、問題の傾向・特徴を徹底的に分析します。

ステップ 3

個々人で分析した結果を、ライター・ディレクター含む複数名で議論します。分析内容の客観性・正確性を担保し、受験生に本当に有益な情報になっているかチェックをします。

【1.0】入試の基礎情報

【1.1】倍率、偏差値

年度	倍率	偏差値
2020年度	2.7倍	64
2021年度	2.5倍	64
2022年度	2.8倍	64

【1.2】入試科目・受験科目、配点、合格最低点

入試科目・受験科目	配点
国語	150点
数学	200点
英語	200点
理科(2科目)	200点

国語は他と比べて配点が多少低いですが、対策に手を抜いてはいけません！

【1.3】共通テスト科目、二次試験に占める割合、得点率目安

共通テスト科目	配点
国語	50点
地歴公民	50点
数学	50点
理科	50点
英語	50点

医学部人間健康科学科に合格する受験生の共通テスト得点率は、約74％になっています。
共通テストの得点率は、74%を取ることを目標にしましょう。

京都大学医学部人間健康科学科の合格最低点は、502.83/1000(2021年度)となっております。

【1.4】出願期間、入試日、合格発表日

入試	日程
出願期間	2023年（令和5年）1月16日～2月3日
二次試験日程	2023年（令和5年）2月25日・26日
合格発表日程	2023年（令和5年）3月10日

【2.0】京都大学医学部人間健康科学科
　　　 過去問の特色・特徴3選

• インプットした知識を適確に活用する力が必要
• 複雑な問題条件を正確に把握することが求められる
• 豊富な日本語表現と、それに伴う高い論述力が求められる

予め指定された範囲において、思考力・表現力・構想力を試す、十分に練られた良問が出題されます。
京大は他大学に比べ、クセの強い問題を出題してきますが、裏を返せばそのぶん京大に絞った対策は立てやすいです。

京大で知識だけで解ききれる問題はほとんど出題されず、覚えた知識を活用して、考察していくような問題が多いです。

また、特に理系科目は複雑な条件設定が多く、それらを正確に把握する必要があります。
記述式の出題も多く、思考の過程を説明するための豊富な表現力・論述力が求められます。

【2.1】英語の受験対策

読解総合では、英文を読んで、傍線部の内容を日本語で説明する問題と、そのまま和訳する問題の2パターンがあります。

英作文では、日本語の文章を英語に訳す問題と、自分の意見を英作する問題の2パターンがあります。

抽象度の高い難儀な英語を読みとる力、複雑な内容を簡易な日本語で表現する力、自分の英語の語彙で適切な表現をする力が求められます。

• 基礎を徹底的に叩き込む
• 高度な読解力や表現力が求められる
• 慣れるまでは時間を測らず演習する

京都大学英作文の分析記事はこちらから。実際に京大生が解いて解説しています。

【京大英作文】現役京大生が最新の傾向・対策・オススメ参考書を紹介！実際に受験した時の感想も – スタペディア

京都大学を目指す受験生の方々へ、現役京大生が京都大学の英作文の傾向や特徴、高得点をとるコツを過去問を読み解いて徹底解説します。後半では実際に解答・解説を作成し…

kyo-ten.com

【2.2】数学の受験対策

確率や図形、微積が特に頻出です。

問題形式は、全て記述式の大問6問構成です。配点は均等に30点かた35点ずつです。

問題を解くための論理的思考力、発想力、解答を正確に記述するための表現力、が求められます。

始めは典型的な問題の解法から学習しましょう。

• 論理的思考力・発想力・表現力が求められる
• まずは典型的な問題から始める
• 公式の導出は練習する

【2.3】国語の受験対策

長文読解

評論では、特に論理的なう文章が頻出です。

全3問のうち、現代文は2問出題されます。

理解しにくい表現を、簡潔な表現にまとめる力が必要とされます。

始めは演習を重ねて評論に慣れることが大切です。いきなり過去問演習から入ることはせずに、市販されている問題集から段階を踏みましょう。

演習では、一度解いた後、解説を片手に、理解が間違っているのか、表現に問題があるのか、吟味しましょう。

• レベルを徐々にあげて演習する
• 解説を用いて、理解や表現のどこに問題があるのか、吟味する

古文

ほぼ毎年古文が出題されますが、稀に漢文の出題もあります。

現代語訳や内容・理由説明を筆頭に、指示語の内容や心情の明確化を求める問題もあります。和歌も出題もあるので、適度に演習はしておきましょう。

古語や古典文法の豊富な知識と文脈や心情の変化を把握し説明する力が求められています。

まず、古語や古典文法の基礎を身に付けましょう。
演習では、始めは時間を測らずに解いてみて、意味や接続が分からない箇所があれば、解いた後に問題文の現代語訳を参考にしながら、分からなかった箇所を明確にするサイクル行いましょう。

• 文章の内容を的確に理解する練習を積む
• 古典では豊富な知識と文脈や心情変化を把握・説明する力が必要
• 基礎知識を身に付けた上で、分からなかった箇所を明確にする

【2.4】物理の受験対策

時間微分を問う問題が京都大学では頻出です。

各大問序盤は穴埋め問題、後半は記述式問題が課せられる形式です。

条件が複雑な問題文を素早く理解し、解答に必要な要素を適確に抽出する能力が求められます。また、全問解くことは難しいので、解きやすそうな問題を選択したり、部分点を稼ぐといった姿勢も制限時間内で得点を出す上では欠かせないです。

解答の理解は勿論、より要領よく解答する方法を学ぶことも大切です。
そのために、基礎的な知識は早めにおさえてしまいましょう。

• 問題文を素早い理解と、要素を抽出する能力が必要
• 問題選択や部分点を狙う姿勢も大切
• 基礎知識は早めに身に付ける

【2.5】化学の受験対策

最頻出の有機化学の構造決定は少なくとも完璧にしておきたいです。

2022年度は、大問4問構成で、各大問が中間で2分割されている形式でした。

高校知識を基に、高校範囲外の内容を瞬時に考える力、難解な条件設定を読み取る力、また、特に有機化学の幅広い知識とそれらを活用する力が求められます。

まずは高校の教科書レベルを完璧にしたうえで、過去問など実践的な問題に着手し、自分で手を動かすことを意識して勉強しましょう。

• 最頻出である有機の構造決定は完璧に
• 現象や実験結果のプロセスを理解する
• 高校知識を活かした高い実践力が必要

【2.6】生物の受験対策

各分野から比較的満遍なく出題されますが、「遺伝情報の発現」「生態と環境」からの出題が特に多いです。

大問4題中2題が(A)(B)の2パートに分かれています。

関連分野の知識を結び付けて考察を深める習慣、実験データを正しく分析する力、問題の取捨選択が必要です。

• 満遍なく出題されるので、苦手分野は克服しておく
• 始めは基礎を盤石に
• 実践練習では、速読や読解力も身に付ける意識を

【3.0】スタペディア編集部の京大生が過去問を解いてみた

【3.1】英語の感想・所感

大問1：読解総合

このテーマの文章（または類似のもの）に触れたことがあるかどうかで全体の概要把握、ひいては最終的な出来に大きな差が出ると感じました。

大問2：読解総合

大問2は1よりもとっつきやすい分（3）の長い和訳を解き切れるかが大事だと思いました。

大問3：英作文

大問3の英訳は「京大らしさ」がはっきり出ている問題だと感じました。「～もまた捨てがたい」、「どこか遠くに感じられて～」、「心がふっと～」など直訳できない、もしくはしてはいけない表現をいかに調理するかが腕の見せ所でしょう。

解いていて1番楽しいのは大問3かもしれないですね！

大問4：英作文

大問4の英作文は書ける内容にあまり差が出ないように感じます。2つの理由を被りなく書けるかで少し差がつくのではないでしょうか。
初めにとりかかる問題が難しいと時間配分を乱されたりプレッシャーがかかったりと悪影響が大きいので、後回しにする選択もありだと思いました。

医学部人間健康科学科は英語・数学・理科の配点が均等なので理系とはいえ、英語も疎かにしないようにしましょう。

英語のオススメ参考書

①鉄緑会東大英単語熟語鉄壁
派生語や単語の成り立ちや覚え方、イメージなどの情報が豊富で、深い知識が手に入ります。網羅的で体系的英語の知識がつくので、英作文にも役立つ1冊です。

②英文読解の透視図
難易度が高い長文が並び、難しい文法事項や構文にも触れています。難関大で英語を得点源にできるほどの読解力がつくでしょう。

【3.2】数学の感想・所感

大問1：対数・評価

難易度は標準くらいだと思いました。思いついてしまえば簡単ですが、発想力が必要なため、この問題に固執するのは悪手です。分からなかったら1度飛ばして、時間が余ったら戻ってくるべきでしょう。

大問2：確率・数列

これは取りたい問題です。発想力の必要ない問題なので、計算に注意して、確率が苦手な人以外は解ききりましょう。

大問3：整数

飛ばしてもいい問題です。ユークリッドの互除法が思いついたら簡単でしたが、メジャーな解法ではなく発想力がいるので、手が出ないという人は他の問題に時間をかける方が得策だと思います。

大問4：空間図形

これは確実に完答しましょう。ベクトルの典型問題であり、突飛な発想はいりません。

大問5：微分法・積分法

(2)までは取り切りたい問題です。(1)(2)は典型問題ですが、(3)は評価が絡んでいて、やや煩雑でした。小問に分かれているときは小問ごとにしか部分点がないので、数学が得意という人以外は(2)までで十分だと思います。

大問6：数列

飛ばしてもいい問題です。見たことのないタイプの問題で、完答することは難しいと思います。数学が得意な人以外は、部分点を狙うか、すぐあきらめるべきでしょう。

今回は、大問2、4と1、3、5のどれかを解き、残りの大問で部分点を稼ぐという問題のセットだと感じました。

医学部人間健康科学科は英数理の配点が同じなので、挽回するのが厳しいです。

数学のオススメ参考書

①数学標準問題精講
特定の分野だけの演習ができる参考書です。
この大学の問題では様々な分野が出ているので、こちらの参考書は特に重宝しました。

②やさしい理系数学
難しい応用問題が多く、問題数も多いです。解説は丁寧で別解も豊富で、勉強になる本です。

【3.3】国語の感想・所感

大問1：随筆

大問1は京大らしい随筆の問題で、難易度は標準的だと思いました。

問1、問2、問3は説明することが明確だったのでしっかり点数を取りたいです。問3は表現することが少し難しかったかもしれません。問4は本文全体を踏まえる必要があるので、難易度は高めです。

大問2：小説

大問2は理系単独の問題でしたが、大問1よりも難しいと思いました。問1は比喩問題ですが、前後を読めば書くべき内容は分かるので点数を取りたい問題です。

問2はどこまで詳しく説明しなければならないのか分かりにくかったです。問3は難しい問題でした。比喩の一般的な表現を思いつくことが難しいだけでなく、解答範囲が広いため、どこをまとめればよいか迷いました。部分点を狙いたい問題です。

大問3：私家集

大問3は標準的な難易度だと思いました。問1は和歌が簡単だったので、難しくなかったです。問2は後半部分の自分で補う訳出が難しいと思いました。

国語の配点はあまり大きくないので、英・数・理にリソースを注ぐ方が効率的です。

国語のオススメ参考書

①得点奪取 現代文　
記述問題の解き方が詳しくわかる。採点基準が明示されているだけでなく、(受験生が本番の入試で書くようなレベルの)架空の答案とその添削が載っています。ボリュームは25題と多いです。

②読んで見て覚える　重要古文単語315
似た意味の単語ごとに集められているだけでなく、頻出度や、品詞別にも上手く整理されているので非常に暗記しやすい単語集です。また、ダジャレ付きのイラストも暗記の手助けをしてくれます。

【3.4】物理の感想・所感

大問1：力学

大問1は、あまり見たことのない図に戸惑いました。しかし、落ち着いて読み解けば基本事項の組み合わせであることに気づき、スラスラと解くことができました。

大問2：電磁気

大問2は、問題設定がかなり複雑な設問だったので、問題の条件設定を正確に読み解くことを意識しました。

大問3：熱

大問3は、比較的簡単に解けました。基本と応用が混在した熱力学の問題でしたが、問題文をよく読めば解ける問題だと感じました。

この年度については、大問2と大問3の後半が差がつくところだと思います。

その上で私がしていた戦略は、大問1つを25分ペースで解き、余った15分で解ききれなかった問題を解くというものです。

高得点を狙いたい医学部人間健康科学科では、物理の勉強の優先度は高いです。
穴となる分野ができないように対策しましょう。

物理のオススメ参考書

①物理　標準問題精講
難易度の高い問題で解説がとても詳しく、充実しています。

②［新装第2版］難問題の系統とその解き方 物理
難易度、問題量ともに非常に重い問題集です。物理の仕上げとして使用し、理科で点数を稼ぎたい医学部の人はやっておくとよいでしょう。

【3.5】化学の感想・所感

全体を通して文章量が少なく、複雑な操作がなく解きやすい問題が多くありました。

大問1：(a)2族元素の性質、溶解度、水和物 (b)電離平衡

(a)は情報量が多く計算が面倒なため厄介だと感じました。自分で情報を図や表にまとめるとよいでしょう。

大問2：(a)分配平衡 (b)浸透圧

(a)は問2の｢ウ｣と問3がやや難しく感じましたが、冷静に処理したい。(b)は易しいと感じました。

大問3：(a)構造決定 (b)構造決定

(a),(b)は典型的な構造決定の問題でした。基本的な反応を抑えていれば解けますが、(b)はやや複雑だと感じました。少し時間がかかっても正確に解きたいです。

大問4：(a)単糖・二糖の構造 (b)単糖の酸化的分解反応

(a),(b)はともに見慣れない反応を含む問題でした。(a)は易しいと感じました。立体構造を正確に把握したり、糖についての理解が必要な問題は頻出なので、落とせません。 (b)はまず反応剤を用いた反応の仕方に慣れる必要があります。

初めて見る反応をその場で理解して扱う練習を積んでいなければ、他の受験生より時間がかかってしまうでしょう。 問5,6はやや厄介でしたが、少なくとも時間をかければ解けるようになっておきたい程度の難易度だと感じました。

英・数・理の配点が等しく高いので、合格のためには高得点が必須です。
最頻出の構造決定や糖の構造の問題は素早く解けるところまで対策しましょう。

化学のオススメ参考書

①理系大学受験 化学の新演習―化学基礎収録
最難関大学受験者向けです。解説型の参考書と併用しての使用がおすすめです。

②化学の新研究
網羅性が非常に高く、化学の百科事典のような参考書です。全部を読み込む必要はありません。

【3.6】生物の感想・所感

例年通り記述問題が非常に多く、字数指定もされていないため、完答に必要な要素がどのくらいあるかを判断するのが難しいです。

広範囲から満遍なく出題されるので、どの分野においても基礎的な内容の理解を怠らないようにしましょう。

大問1：タンパク質

問6ではリード文・実験結果からの発想力を試されます。

大問2：遺伝・遺伝子組み換え

ほぼ論述問題で、問5は実験からの応用力を問われます。

大問3：植物の環境応答・群落の生産

(A)ほぼ記述ですが実験の意義を正しく読み解ければ難しくないです。
(B)記述もありますが基礎的な内容です。

大問4：進化・種間関係

(A)実験を正しく読み解ければ解けます。
(B)記号問題ですが、結果の意味合いを理解した上で更なる考察が求められます。

医学部人間健康科学科では、英語・数学・理科の配点が等しく高いです。
理科は最低でも6割は安定してとれるようにしましょう。

生物のオススメ参考書

①大森徹の最強講義 117講 生物
知識問題に加え、計算問題や実験考察、論述問題まで幅広く扱っているのでおすすめです。問題の難易度は高いですが、解説も丁寧なので分かりやすいです。

②生物新・考える問題100選
知識問題に加えて、情報を基に考察を必要とする難問が多く収録されていて、思考力が鍛えられます。

まとめ

この記事では、以下の3つについて解説しました。

• 入試の基礎情報
• 各科目の過去問分析
• 京大生が過去問を解いた感想

「他の学部も迷っているんだよな・・・」という方は、受験科目や配点などを知ることで、自分に合う学部が見つかるかもしれません。
合格するための最短経路を知れるので、ぜひ他学部の記事もご覧ください。

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総合人間学部(文系)/総合人間学部(理系)/文学部/教育学部(文系)/教育学部(理系)/法学部/経済学部(文系)/経済学部(理系)/理学部/医学部(医学科)/薬学部/工学部/農学部

（参考サイト）
京都大学公式HP/河合塾/じゅけラボ予備校/ストマガ/駿台/武田塾/東進/パスナビ/メガスタ/Wikibooks/