「国語はセンスだ」
他の教科と違い、国語は勉強しても成績に結び付きにくいことから生まれた言葉です。受験生なら一度は思ったことがあるかもしれません。
しかし、この言葉は「受験国語」に関してはまったくのデタラメです。
共通テストの「国語」は、正しいやり方で努力すれば、高得点を取りやすい科目です。
実際、執筆者の私も受験生時代に決して得意ではない国語で190点以上取っています。
この記事では、共通テスト国語について解説します。共通テスト国語について、少しでも不安のある方は読んでみてください。
京大生が実際にしていた方法を解説します!
共通テスト国語の基本情報
まずは共通テスト国語について、基本情報を説明していきます。
試験時間・問題形式
共通テスト国語は制限時間80分、200点満点で4つの大問からなり、すべてマークシート式での解答です。
共通テスト全体で見ると、英語、数学ⅠAⅡBと並び、文系理系問わず配点の大きな科目となっています。
大問・設問ごとの配点
大問について細かく見ていくと以下の表のようになります。
第1問 現代文(評論):50点
設問は6問程度で、漢字問題が10点分あります。
読解問題は内容説明や意図を問う問題が出題されます。
設問 | 問題の種類 | 配点 |
---|---|---|
1 | 漢字問題 | 10(2×5問) |
2 | 読解問題 | 7 |
3 | 読解問題 | 7 |
4 | 読解問題 | 7 |
5 | 読解問題 | 7 |
6 | 構成・表現理解の問題 | 12(6×2問) |
第2問 現代文(小説):50点
設問は5問程度で、主に読解問題からなります。
登場人物の心情や抽象的表現を説明させる問題が出題されます。
設問 | 問題の種類 | 配点 |
---|---|---|
1 | 表現問題 | 8 |
2 | 読解問題 | 8 |
3 | 読解問題 | 8 |
4 | 読解問題 | 12(6×2問) |
5 | 読解問題 | 14(6×1問+8×1問) |
第3問 古文:50点
設問は4問程度で、語彙・文法を問う問題がほぼ確実に出題されます。
読解問題では物語の内容や歌の解釈を問う問題が出題されます。
設問 | 問題の種類 | 配点 |
---|---|---|
1 | 語彙問題 | 15(5×3問) |
2 | 文法問題 | 7 |
3 | 読解問題 | 7 |
4 | 読解問題 | 21(7×3問) |
第4問 漢文:50点
設問は7問程度で、漢字の読みや句形を問う問題がほぼ確実に出題されます。
読解問題では物語の内容や詩歌の解釈を問う問題が出題されます。
設問 | 問題の種類 | 配点 |
---|---|---|
1 | 漢字問題 | 12(4×3問) |
2 | 解釈問題 | 7 |
3 | 読解問題 | 7 |
4 | 読解問題 | 5 |
5 | 句法問題 | 5 |
6 | 読解問題 | 6 |
7 | 読解問題 | 8 |
詳しい解説はこちら
▶【京大生直伝】共通テスト漢文で満点が狙える勉強法・オススメ参考書を紹介!
共通テストの「国語」に必要とされる能力
国語の問題は、一般的に、読解力、論理的思考力が必要とされます。
読解力は、文章を読んで、その内容を理解する能力。
weblio国語辞典
論理的思考力とは、道理や筋道に則って思考を巡らせて結論を導いたり、あるいは、複雑な事柄を分かりやすく説明したりできる能力。
これらを鍛えるには市販の問題集や模擬試験、センター試験の過去問を解くことが有効です。
共通テスト国語の形式に頭と体を慣らしていきましょう。
逆にこれから変化が予想されるのが「図表、グラフなど資料を利用した問題」や「複数の文章を使う問題」の登場です。
共通テストは以下の方針で作成されています。
「言語を手掛かりとしながら、文章から得られた情報を多面的・多角的な視点から解釈したり、目的や場面等に応じて文章を書いたりする力などを求める。~(中略)~問題の作成に当たっては、大問ごとに一つの題材で問題を作成するだけでなく、異なる種類や分野の文章などを組み合わせた、複数の題材による問題を含めて検討する」
大学入試センターの問題作成方針
つまり、共通テストでは、「解答に必要なものを素早く見極める力」が求められます。
問題演習を行う際は常に時間を意識して解くことで、情報の取捨選択の訓練をし、情報を素早く見極める力をつけることができます。
・共通テスト国語の時間や配点、出題形式はセンター試験とほぼ同じ。
・これからはより情報処理能力が問われるように。
情報の取捨選択がより重要になってきます!
【レベル別】共通テスト国語を攻略するために
共通テスト「国語」で平均点をとるために大事なポイント
「苦手な国語で平均点レベルまで得点したい…」
「志望学部的に国語で高得点は必要ないから最低限得点できるようになりたい」
「他の科目を重点的に勉強したいから国語に力は割けない」
という受験生もいるかと思います。
そこで、まずは平均点レベルまでなら簡単にとれる、点数に結びつきやすいテクニックも紹介していきます。
高得点を狙う人も必見です。
まずはコストパフォーマンスがいい所から得点を重ねていきましょう!
①とるべき問題を見極める
当たり前ですが、同じテストの中でも簡単な問題と難しい問題があります。
その中で簡単な問題をしっかり毎回とれればそれだけで安定した得点源になります。
具体的には、大問1(評論)の漢字判別問題、大問2(小説)の語句の意味を問う問題、大問3の語彙、文法問題、大問4の読みを問う問題などです。
これらは知識だけで得点できることが多いので、確実に解答するようにしましょう。
また、自分にとって評論と小説、古文と漢文とではどちらが得意なのかを理解し、一番パフォーマンスを発揮できる解き方で挑みましょう。
➁狙い目は古典。ここで点数を稼ぐのがオススメ
とるべき問題を見極めると言いましたが、とくに知識だけで得点できる箇所が多いのが大問3(古文)と大問4(漢文)です。
体系だった参考書や単語・文法帳が多く出版されていることもあり、比較的勉強しやすくなっています。
最速で平均点レベルまで成長したいなら古典を集中的に勉強することを強くオススメします。
古典のコストパフォーマンスは最高です!
共通テスト「国語」で9割突破するために重要なポイント3つ
それでは、共通テスト国語で180点以上取るための具体的なポイントを解説していきます。
演習を重ねてある程度点数が取れるようになってきた人や逆に伸び悩んでいる人もどうぞご覧ください。
①まずは全体の時間配分を考える
共通テスト国語の結果を左右するのが『制限時間』です。
厳しい時間制限の試験を攻略するために、二点大事なことがあります。
予定の時間が来たら、そこで切り上げて、次に移るようにしましょう。
文章を速く読めるようになるには毎日文章に触れることが最も効果的です。
問題集もそうですが、新聞やコラム、ニュースサイトの記事など、ジャンルを問わず一定量の文を毎日読むことが速読力や豊富な語彙につながります。
ある程度慣れてきたら模試や過去問を本番より短い制限時間で解く練習もやってみるとよいでしょう。
時間配分と速読がキーです!
➁共通テスト国語「現代文」は「強く読む」場所を意識
現代文を解くにあたって大事なのは、設問で聞かれている内容に対応する本文を正確かつ素早く見抜くことです。
その上で、評論は筆者の主張や文章の構成が、小説は場面が大きく変わる場所や印象的な表現が問われることが多いです。
そのような箇所は特に力を入れ、「今読んでいる場所は文章全体でどのような役割を果たしているのか」を念頭に置いて読むようにしましょう。
具体的なポイントを出すと、評論は「しかし」「つまり」などの接続詞の後、小説は感情表現や会話文、表現技法が用いられた箇所は要チェックです。
問題演習以上の時間をかけて解答・解説を読み込み、なぜこの答えになるのかなど論理の流れを押さえることを意識すると、自然と「強く読む」場所を見抜く力がつくでしょう。
強弱をつけて読んでいきましょう!
➂古典はストーリーを予想しながら読む
古典の話にはある程度定型があり、それに沿ったものが出題されることが多いです。
たとえば、古文だと恋の話、漢文だと教訓を提示する話などがあります。
上記のストーリーとして実際にセンター試験で出題された例を出すと『夢の通ひ路物語』(2015古文)、『続資治通鑑長編』(2018漢文)があります。
文章の途中で自然と話のパターンやオチが見えてくるようになればもう怖いものはありません。
単語や句形を完璧に覚えるとともに、何問も数をこなしさまざまな古典の話に触れることが、ストーリーを押さえ、高得点をとるうえで一番の近道です。
・全体の時間配分を決める
・現代文は「強く読む」箇所を意識
・古典はストーリーを考えながら読む
古典の頻出パターンは必ず抑えましょう
まとめ
共通テスト国語の概要とレベル別の対策について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。内容を再度まとめます。
- 共通テスト国語の出題形式は従来のセンター試験とほぼ同じ
- 読解力・判断力に加えこれからはより素早い情報処理能力が必要
- どこで得点するかを考えるのが効率的。狙い目は古典
- 高得点のためには時間配分、注目して読む場所の判断、全体の話の流れを追うことが大事
この記事を参考にして、受験生の皆さんにとっての国語が「足を引っ張る科目」から「ライバルに差をつける科目」に変わるように願っています。
今回は共通テスト国語について解説しましたが、他にも受験生の勉強に役立つ記事をたくさん紹介しています。
よろしければぜひ一緒にご覧ください。