- 英単語の勉強を頑張っているのに、英文があまり読めない…
- 文法の勉強はしているのに全然身に付かない
- 英文法の効率的な勉強法を知りたい
このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
実は、英文法の勉強には効率的な勉強方法とNG勉強法があります。
英文法は、単語・発音と並ぶ英語の基礎なので、英語の勉強には欠かせません。
しかし、文法は量も多く、英語を学ぶにつれどんどん複雑になります。
だからこそ、流れを守って効率的に勉強することで、英文法を自分のものにし、他の受験生と差をつけることができるでしょう。
そこで今回は、英文法のいい勉強法と悪い勉強法・オススメの参考書・勉強で注意したいポイントなどをご紹介します。
英文法の勉強法が、英語の勉強に欠かせない理由
その理由は、単語を覚えていても、単語が文法に従って並んでいなければ文の意味は通じないからです。
たとえば、サッカーでは、足を使ってより多くのゴールを決めた人が勝利するというルールがあり、それをお互い認識しているから試合が成り立っています。
仮に、サッカーのルールを知らない人が参加した時、ボールを手で持って運んだり、自分のゴールにボールを入れる人が出てくる可能性があります。
ルールがなければ、サッカーの試合が全く成立しなくなるのです。
文法こそが、英文における「ルール」です。「ルール」を知らない人は英文を書いたり読んだりする「プレー」に参加することはできません。単語を羅列しただけでは、相手に自分の伝えたいことはほとんど伝えられません。
英語には、話す・聞く・読む・書くの4技能がありますが、どの技能においても、英文法に則って文章を正しく理解することが求められます。
だから、英文法は英語の学習に不可欠なのです。
英文法を勉強するときは、「瞬時に使える」レベルまでやろう
文法をただ知っている状態と瞬時に使える状態は全然違う
文法の問題が解け、品詞や文の構造は理解しているにもかかわらず、実際に読んだり書いたりすることは苦手な人が多いです。
それは、文法を「覚えている」「理解している」レベルにとどまっているからです。
実は文法の習熟度には二段階あります。
- 1.文法をただ知っている状態
- 2.文法を瞬時に使える状態
英文法を本当に習得していると言えるのは、後者です。ネイティブスピーカーは英文を読んだり、書いたり、聞いたり、話したりするときに文法のことを考えません。日本語でも同じです。
私たちはいちいち、これが動詞で、この文法事項を使っているんだななんて考えていません。
無意識で理解できるようになって使いこなせる状態こそが、英語学習者の目指すレベルです。
そのためには、反復練習が大切になります。「理解」にとどまらず、「定着」させる学習を心がけましょう。ここからは、英文法を定着させる勉強法を解説していきます。
英文法まとめノートは無意味?今すぐ辞めるべき英文法の勉強法
英文法を定着させるためには、正しい方法で英文法を勉強することが不可欠です。
ここでは、英文法を勉強する人がやってしまいがちな英文法の誤った勉強法をご紹介します。
正しい勉強法を実践するためにも、まずは自分の勉強法を見つめ直しましょう。
参考書を読むだけで満足してしまう
英文法を参考書で学習する人は多いと思いますが、参考書を読んだだけでは、英文法は2割程度しか身についていません。読んだだけでは、文法をただ知っている状態、理解した気になっている状態です。
前述したように、英文法を学習するゴールは、英文法を瞬時に使えるようになることです。
だから、参考書を読んで得た知識を実践を通して、定着させなければいけません。
知識を定着させるために大切なのは、英文法をインプットした後に、アウトプット学習をすることです。
具体的には、英文法を他人に説明しましょう。
さらに、その文法を使って自分で英文を作って書いたり話したりしましょう。
反復学習には例文の音読も効果的です。これらを繰り返すことで、次第に英文法が自分のものになってきます。
アウトプットできるまでインプットしましょう!
問題集の答えをそのまま暗記する
問題集を解いても、それが身についていなければ意味がありません。
問題の答えを暗記したところで、その問題しか解けるようになっておらず、英文法は正直まったく身についていません。
問題を解くときは、解答の根拠をきちんと説明できるようになりましょう。分からなかったときは解説を読んで、次に解くときは頭で根拠を説明しながら解いてください。
いくら反復練習しても、理解できていなければ使うタイミングが分からないので、使いこなせるようにはなりません。「理解」⇒「反復」⇒「定着」という流れを意識しましょう。
- 理解
- 反復
- 定着
英文法のまとめノートを作成する
英文法のまとめノートを作ること自体は大して勉強になりません。もちろん、正しく目的を持って作っているのなら問題ないですが、誤った意識でノートを作っている人が多いです。
まとめノート作成はインプット学習の一環にすぎません。ノートを作っただけで英文法を覚える、使えるようになることは難しいです。
ノート作成にはそれなりに時間もかかるので、ノートを作るのは明確な目的があるときだけにしましょう。
たとえば、自分の苦手な単元だけ、忘れたときにすぐに見返せるようにノートを作る、などです。自分の学習に役に立つかを考えて、目的をもってノートを作りましょう。
英文法を勉強するときの4ステップ
英文法は単に丸暗記するのではなく、理解して使いこなせるようになる必要があります。
習熟度を段階的にあげていくためには、レベルに合わせた学習をすることが大切です。
以下の4ステップを踏むことで、効率よく英文法を定着させることができます。
【ステップ1】中学レベルの英文法の確認をする
中学レベルの英文法は、英文法全体の根幹になるものであり、これがマスターできていないと高校レベルの文法や複雑な文を読むことは難しいです。
逆に、中学レベルの英文法を使いこなせれば、日常生活では困らない程度の読む・書く・話す・聞く能力が身に付きます。
日常英会話の8割は、中学生英語のレベルで習得できるとも言われているほどです。
中学では以下の表にある文法事項を学びます。これらの英文法で、他人に正しく説明できないものがあれば、中学レベルの英文法の確認をしましょう。
学年 | 文法事項 |
---|---|
中1 | 名詞/冠詞/be動詞/一般動詞/形容詞/副詞/前置詞/代名詞/否定文/疑問文/命令文/三人称単数/過去形/現在進行形/接続詞 |
中2 | 助動詞/過去形/未来形/代名詞/to不定詞/比較形 |
中3 | 受動態/現在完了形/関係代名詞/付加疑問文/感嘆文 |
【ステップ2】高校レベルの英文法の参考書を読む
高校で習う英文法は中学レベルのものよりも大分複雑になります。
高校で習う文法は中学の文法の応用版です。中学レベルの文法が完璧でない人は、焦って高校レベルの文法を学ぶのではなく、復習を優先しましょう。
高校レベルの英文法は難しいので、まずは参考書をきちんと読んで理解することが大切です。その後、ステップ3、4で定着させましょう。
【ステップ3】ひたすら演習問題を解いて、理解を確認する
ステップ2で英文法が理解できたら、ひたすら問題演習をしていきましょう。
問題を解くことで、自分の理解できていない部分をあぶりだせます。分からなかったところはその都度、参考書や解説で確認し、解答の根拠を説明できるレベルまでもっていってください。
よく分からないのに勘で解くということだけはしないようにしましょう。英文法は勘で分かる部分もあるのですが、理解していないことがあると、一度つまづいたときに混乱してしまいます。
【ステップ4】英作文をして英文法を使いこなせているか確認をする
自分で1から英文を作れるというのは文法の意味や使い方をしっかり理解できている証拠です。
英文を作ることで、英文法を実際にどのような場面で使うのかが分かり、自然な英語を使う練習ができます。
慣れないうちは、例文を少し変えて文を作り、慣れてきたら自分でオリジナルの文を作ってみましょう。
英作文は文法だけでなく、単語の勉強にもなります。可能であれば、作った英文をネイティブの先生などに添削してもらうとより効果が高まります。
英作文を作ることが理解の確認にもなるんですね!
【PR】英文法を学べるオススメ参考書を紹介【レベル別】
中学レベルから不安な人向きの参考書
中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』は英語を基礎から学び直せる参考書です。中学生向けの参考書ではなく、基礎から英語を学び直したい高校生・社会人に向いています。
この参考書では、be動詞から始まる中学の文法事項がすべて載っています。
他の参考書では基本事項として省かれるところも丁寧に解説されているので、英語が苦手な方にぴったりです。
また、説明にイラストが多く、イメージから文法を吸収できます。文法用語が分からない人、文字を読んでも頭に入ってこない人でもとっつきやすい教材です。
見開き1ページで1レッスンの形になっており、解説を読んですぐ確認問題に取り組めます。理解しているページはとばしながら学習を進めましょう。
この参考書1冊を完成させたら、中学レベルの文法は理解できた状態になります。高校文法を学ぶ土台はできているので、次のステップの学習に進みましょう。
高校レベルの英文法を身につけるための参考書
①関正生の英文法ポラリス
『関正生の英文法ポラリス』は1〜3まであり、1は標準レベル、2は応用レベル、3は発展レベルとなっています。1は共通テスト対策〜日東駒専、2はGMARCH・関関同立・国公立大学、3は早慶上智・旧帝大などの難関国公立大学志望の方にオススメです。自分のレベルに合ったものを選べます。
覚えるところは赤文字、説明は黒文字と、覚える箇所と理解する箇所をはっきり分けてくれているので勉強しやすいです。
高校の文法の参考書は細かく解説されているものが多く、すべて覚えようとすると負担が大きくなりすぎます。
その点、『関正生の英文法ポラリス』では覚えるポイントをビジュアル化することで、メリハリをつけた学習ができるでしょう。
また、他の参考書では文法事項として丸暗記するものも、この参考書では関先生のルールを使って丸暗記せずに覚えることができます。
この参考書を完成させると、目指す大学のレベルの文法事項は全て学んだ状態になります。『関正生の英文法ポラリス』にも問題演習はついていますが、解説の比重も大きい参考書なので、次は学んだ文法を定着させる問題集に取り組みましょう。
②総合英語Evergreen
『総合英語Evergreen』は、文法の基礎から応用まで網羅しており、共通テスト〜難関大受験者まですべての方にオススメの参考書です。
この参考書では、文法事項がなぜそうなるかを解説しており、理論的に文法を理解できます。
「これが基本」→「理解する」→「深く知る」と段階を踏んで学習できる構成になっています。
かなり分厚い参考書なので、読み込むのに時間はかかってしまいますが、英文法を根本からしっかり理解したいかたは是非すべて読んでください。
英語初学者でない方は、すべてを読み込まなくても、問題集を解いていて分からないことがあったときに辞書代わりに使うといいでしょう。
Evergreenで文法事項を身に付けたら、次は問題演習で文法事項を定着させます。問題集を解く際は、この参考書を近くにおいて、分からないことがあったらもどって確認しましょう。
英文法を定着させるための英文法問題集
①大学受験スーパーゼミ 全解説 頻出英文法・語法問題 1000
『全解説 頻出英文法・語法問題 1000』は、基礎レベルの英文法はできていて、MARCH以上レベルの大学を志望する方にオススメです。この問題集は、会話表現やアクセントの問題がなく、文法・語法に特化しています。
4択問題、語句整序問題、下線部修正問題で計1267問の問題が収録されており、英文法の定着としては十分な問題数です。
この問題集は解説が別冊になっており、他の問題集よりも解説が詳しいです。参考書がとなりになくてもこれ一冊で勉強できます。また、問題と解説が分かれていることで、問題を解くときと解説を読むときでメリハリがつきます。
この問題集の活用法としては、「問題を解く」→「解説を読む」→「間違えた問題をもう一度解く」を繰り返すことがオススメです。答えを丸暗記してしまわないで、根拠を持って解説できるようになるまで取り組みましょう。
この問題集を完成させたら、知らない英文法はほぼありません。
あとは過去問に取り組んで実践で力をつけましょう。
②全解説 実力判定英文法ファイナル問題集
『全解説 実力判定英文法ファイナル問題集』には「標準編」と「難関編」の2種類があります。標準編はMARCH・関関同立レベル、難関編は早慶上智・難関国公立レベルです。問題数は、標準編が475 問、難関編が500問とボリュームがあります。
この問題集は、分野ごとに問題が分かれているのではなく、すべての範囲からランダムで出題される形式です。大学受験の英文法の総仕上げとなっており、一通り文法の学習が終わっている人にオススメです。
解説と問題は別冊になっており、詳しい解説が載っています。持ち運びにも便利で、勉強しやすいです。問題は50問で1セットという構成になっています。50問解いたら答え合わせ、解説を読むという形で勉強するといいでしょう。復習は徹底的に行いましょう。
この問題集が完成したら、文法はほぼ完璧です。あとは過去問に取り組んで志望校に合った総仕上げをしましょう。
英文法を使いこなすための英作文問題集
①大学入試英作文ハイパートレーニング
この問題集は、英作文を基礎から学びたい方にオススメです。
基本レベルの問題から入試の過去問レベルの問題まで載っていて、英作文の勉強が初めての方でも力を伸ばせます。ただし、東大京大レベルの難関大学には少し物足りないので、そのレベルを志望する方はあとで別の問題集にも取り組みましょう。
『大学入試英作文ハイパートレーニング』の特徴は、文法が重点的に解説されているところです。
文法が分かっているつもりになっていたけど、いざ自分で文を作ると間違ってしまう、という悩みを解決してくれます。語彙・語法の勉強もしつつ英作文を学べる問題集です。また、CDがついているため、文章を耳から覚えられます。
この参考書を完成させたら、基本的な英作文は書けるようになっています。さらに上のレベルを目指したい方は、次の問題集に取り組みましょう。
②竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本
この参考書では、基礎レベルから東大・京大などの最難関大レベルの問題が扱われています。英作文を学ぶ全ての方にオススメの問題集です。
この問題集を使うと、よくある例文暗記型の問題集とは異なり、ネイティブの人のような柔軟な英語を身に付けることができます。英作文の原則を学んで、英作文をするうえで疑問に思うことを解決できるでしょう。ダメな解答例が載っていることが特徴の1つです。別冊として類題を収録しているので、問題の量も十分にあります。
英文法が身に付いている方は、この問題集をやることで、より実践的な英語として文法を使いこなせるようになるでしょう。
英語の文法の学習に効果的な勉強法
英文法の勉強の流れは「インプット」→「定着」→「アウトプット」です。
まずは、説明型の参考書や学校の授業で、文法事項の内容を理解しましょう。
インプットの際に、参考書や教科書の例文をまねて文を作ってみることで理解が深まります。「覚える」よりも「理解する」を意識しましょう。
インプットが完了したら、次は問題演習で定着させます。定着のときは、何度も繰り返し問題集を解くことが大切ですが、答えの丸暗記は決してしないようにしましょう。
なぜその答えを選んだのか人に説明できるよう、根拠をもって解答してください。繰り返し知識を使って問題を解くことで、知識を定着させましょう。例文の音読なども効果的です。
自分の中に知識が定着したと思ったら、次はアウトプットを行いましょう。
アウトプットの勉強としては、人に文法の内容を説明する・英作文をするというものがあげられます。
人に説明するときは、相手が疑問に感じそうなところやポイントを考えながら説明するとより効果的です。英作文をするときは先生などに添削してもらうと間違った理解に気づきやすいでしょう。なぜこの場面でこの文法を使うのか、考えながら書きましょう。
アウトプットまでできれば、文法はしっかり身に付いています。勉強の流れを意識して取り組みましょう。
【大学受験】高校生が英文法の勉強で絶対意識すべきこと
文法の問題集を解くときは解答の根拠を説明できるまで理解する
文法の問題を解くときは根拠を説明できるようになりましょう。
なぜなら、問題の答えを暗記してしまっても、他の問題になると解けなくなるのでまったく意味がないからです。
同じ問題集を繰り返し解いていると答えを暗記してしまうこともあると思いますが、毎回根拠を自分で説明しながら解くといいです。
迷った問題は正解していても、めんどくさがらずにきちんと解説を読んで理解に努めるようにしましょう。
英文法の勉強法についてよくある質問に京大生が解説
英文法の勉強は毎日やるべき?
英文法の勉強を毎日する必要はありません。
授業で習うときに予習・復習をして「理解」⇒「定着」まで持っていきましょう。予習と授業でインプット、復習でアウトプットします。
そして、新しい文法事項に入るときに前の文法事項をもう一度復習、定期テストのときにテスト範囲の文法事項をもう一度復習します。これができればほぼ完璧に定着させられるでしょう。
英文法を習ったときに定着させることで、受験生になったときに楽できます。勉強のときには、インプットとアウトプットのバランスをとることを心がけましょう。
英文法の勉強は独学できる?
英文法は独学でマスターすることが可能です。
英文法の参考書は分かりやすいものが多く、網羅的、体系的にまとめられています。もちろん、英作文の添削などをお願いできる方がいるに越したことはありませんが、参考書で十分力をつけられるでしょう。
まとめ 英文法は瞬時に使えるレベルまで勉強するのがポイント
今回は、英文法の効率的な学習法とNGな勉強法、オススメ参考書の紹介をしました。
この記事のポイント
- 英文法は「知っている」から「瞬時に使える」レベルに
- 英文法の勉強は「インプット」⇒「定着」⇒「アウトプット」が基本
- 参考書を読むだけ、問題を丸暗記、目的のないまとめノートはNG勉強法
- 学習の4ステップ「中学レベル」⇒「高校レベル」⇒「演習」⇒「英作文」
英文法は複雑で量も多いため、勉強法によって身に付き方に大きく差が出ます。理解にとどまらず、自分で正しく使えるようレベルまで持っていくことが大切です。
この記事で紹介した勉強法・参考書を実践して、英文法をマスターしてください。