この記事を読むとわかること
- 宅浪するメリット・デメリット
- 宅浪を成功させるためのポイント
- 宅浪に向いている人・向いていない人
あいにく受験に落ちてしまって浪人することになったものの、予備校に行くか宅浪するかで悩んでいる人は多いでしょう。
結論からいえば、宅浪を成功させるのは非常に難しいです。宅浪を経て第一志望校に合格できる人は1割以下と言われています。とても少ないといえるでしょう。
ただ、宅浪生だからといって必ずしも失敗するわけではありません。宅浪期間に偏差値を大きく上げて第一志望校に合格した人は、私の身の回りにも何人かいます。
宅浪ならではの強みや弱点を知った上で、情報収集をきちんと行って計画的に勉強をすれば、成功率1割以下という言葉に臆することなく合格を勝ち取れます。
この記事では、実際に宅浪するか悩んでいる人に向けて、宅浪のメリット・デメリット、成功させるためのポイント、宅浪に向いている人・向いていない人の特徴などを紹介します。
この記事を読むことで宅浪に対する理解を深め、自分は宅浪した方がよさそうか、それ以外の選択肢の方がよさそうかの結論を出すきっかけになれば嬉しいです。
宅浪って実際どう?宅浪の成功率は?
受験に落ちた後、宅浪の選択肢を取る浪人生は、正確なデータはありませんが、全体の2割以下といわれています。さらにその成功率は1割以下ともいわれていることから、宅浪の成功率はとても低いことがわかります。
また一方で、予備校に通ったとしても第一志望校に合格できる浪人生は3割程度といわれています。
これらの点を踏まえて、やはり宅浪は予備校に通うよりも合格率が2割ほど低くなり、約10人に1人しか浪人を成功できないと考えると宅浪生活は厳しいといえるでしょう。
宅浪では、一年間たった一人で受験勉強に向き合わなければいけないので、それなりの覚悟と忍耐が必要なことを考えると妥当でしょう。
しかし宅浪にも予備校通いにはないメリットもあります。そのメリットを最大限活かせば、宅浪でも十分合格できます。宅浪で合格できれば、予備校に通うお金もいらず、受験は大成功といえるでしょう。
そこでここからは、宅浪のメリット・デメリットについて整理していきます。
宅浪をする3つのメリット
- 経済的負担が少ない
- 好きな場所で勉強できる
- 自分のペースで自分に合った勉強ができる
経済的負担が少ない
宅浪をする現実的なメリットとして一番大きいのは、経済的負担が少ないことでしょう。
予備校に通うことになれば、授業料や講習代など諸々込みで年間100万円程度かかります。これが宅浪となれば、基本的には教材費や模試の受験料のみとなり、それだけであれば10万円以内に収まります。
家庭の経済事情によって個人差はありますが、宅浪で合格できるならそれに越したことはありません。
好きな場所で勉強できる
予備校生になれば、毎日授業があれば予備校に通わないといけず、バスや電車を利用することになると、毎度交通費がかかりますし、移動時間もいります。
一方で宅浪であれば柔軟に勉強場所を決められますし、家で勉強できるなら移動時間もかかりません。
当時私の周りにいた大手の予備校生は、予備校の立地の都合上、ほとんどがトータル片道30分以上かけて予備校に毎日通っていました。その場合、一年間毎日予備校に通ったとすると365時間、つまり15.2日以上分もの時間を移動にあてていることになります。
宅浪なら、本来移動にかけるこれらの時間を勉強に費やせるので、より多くの時間を勉強にあてられます。
また家での勉強に飽きたら図書館や近所のカフェに移動したりと、柔軟に勉強場所を変えられるという利点もあります。
自分のペースで自分に合った勉強ができる
宅浪は自分のペースで自分に合った勉強ができるのも魅力です。予備校の場合、ある箇所でつまづいたとしても、カリキュラム通りに先へ進んでしまいます。また基本的には授業の先生の方針通りに勉強することになるので、予習復習に追われると、自分オリジナルの勉強ができる時間は限られてしまいます。
また予備校では、自分のすでに理解した範囲でも講義を受けなければなりません。
一方、宅浪なら自分のペース配分で効率的に勉強を進められます。自分で勉強をうまく管理できさえすれば、予備校生よりも圧倒的に濃密な勉強ができるでしょう。
宅浪をする3つのデメリット
- モチベーションを保ちづらい
- 受験情報を自分で集めなければならない
- 生活習慣が乱れやすい
モチベーションを保ちづらい
宅浪を考える上で一番心配になるのは、モチベーションを保ちづらいことでしょう。受験生にとってモチベーションはとても大事です。モチベーションを維持し続け、正しい勉強を継続できさえすれば誰もが合格できるでしょう。しかし宅浪の合格率の低さを見るに、モチベーションを維持し続けるのがいかに難しいかがよくわかります。
予備校の場合、仲間や競争相手が身近にいるため、モチベーションという受験での大きな懸念点は払拭しやすいです。
一方宅浪だと、先生も友達も身近にいないため孤独になりやすく、どうしても怠けてしまいがちです。
自分は宅浪だと絶対怠けてしまう、という人は宅浪はやめておくべきです。
受験情報を自分で集めなければならない
予備校は受験のプロです。長い間蓄積された膨大な受験情報を気軽に入手できるという利点が予備校にはあります。
宅浪生はそれらの情報を全て自分の力で入手しなければなりません。模試の日程や出題範囲、得点傾向などの初歩的なことでも、全て自分で一から調べる必要があります。
もちろん最近はインターネット上での受験情報も充実しているので、自分で必要な情報を逐一入手できる自信のある人なら問題ありませんが、そうでないなら予備校に通うのが無難です。
生活習慣が乱れやすい
宅浪生活は全て自分で立てた計画をもとに勉強を進めるしかありません。予備校のように授業があるから通う、という強いきっかけがあれば生活習慣は乱れにくいですが、宅浪生には難しいです。
自分で生活習慣をキープする自信がなければ、親に頼るなどの工夫が必要になります。
理想の宅浪生の1日のスケジュールを徹底解剖
ここでは、合格する宅浪生が1日をどんなスケジュールで過ごしているかの一例を紹介します。
7:30 起床
7:30~8:00 前日の振り返り・1日の計画を立てる
8:00~8:30 朝食
8:30~12:30 英語の長文読解、数学、物理、現代文など思考力が必要な科目中心
12:30~13:30 昼食・仮眠
13:30~15:00 午前中の勉強の続き
15:00~15:30 気分転換にウォーキング
15:30~18:30 化学や古典、社会科目などの暗記が多い科目中心
18:30~19:00 夕食
19:00~21:00 英単語・英熟語など一問一答の軽めの暗記科目
21:00~23:00 自由時間
24:00 就寝
上のスケジュール例だと、1日の勉強時間は約11時間になります。合格する宅浪生のポイントとしては、以下の3点が挙げられます。
- 前日の振り返りを行い、1日の計画をきちんと立てた上で勉強を進めている
- 集中力が高まっている午前中に思考力を必要とする科目の勉強をし、1日の後半になればなるほど軽めの勉強に切り替えている
- 仮眠やウォーキング、自由時間をきちんとつくってリフレッシュしている
宅浪生は予備校生に比べて自分で自由に決められる時間が圧倒的に多いので、人によってスケジュールは十人十色です。
しかし受験に成功している宅浪生のほとんどは、以上のポイントを踏まえながら、毎日淡々と計画通りに勉強を積み重ねています。
もし自分が宅浪生になったら1年間をどんなふうに過ごすのか、具体的なイメージを膨らませるきっかけになれば幸いです。
宅浪を成功させるための5つのポイント
①スケジュール管理を徹底する
②短期的な目標を立てる
③話し相手をつくる
④適度に運動する
⑤メリハリをつける
①スケジュール管理を徹底する
宅浪生が受験を成功させるために、スケジュール管理は最も大事といって過言ではありません。なぜなら、毎日やるべきことを明確にして努力を積み重ねることが、何より合格のための王道ルートだからです。
宅浪生は、予備校生や現役生と違い、他人に時間を管理してもらう枠組みはありません。そのため、自分できちんと時間の使い方を決めていく必要があります。
宅浪生がスケジュールを決めていく上でのポイントを以下に3つご紹介します。
・無理せず確実に実行できる予定を立てる
・休憩を意識的に入れる
・睡眠時間は死守する|7〜8時間を目安に
これらはいずれも当たり前なようで意外に忘れがちなポイントです。
宅浪生はリフレッシュの機会が取りづらいので、予備校生以上に頭と体をいたわりながらスケジュールを決めていく必要があります。そうでないと、宅浪生にとって最も大事な努力を長期間継続することができなくなってしまいます。
②短期的な目標を立てる
努力を長期間継続するために、短期的な目標を立てることも大事です。宅浪生は予備校生と違って、外部からの刺激が少ないので、長期的に努力するためには、いかに受験勉強をゲーム感覚で楽しめるかが大事になってきます。
自分で立てた目標を一つずつクエストのようにクリアしていく、その小さな達成感の積み重ねがあると、それが勉強を続けていくモチベーションになります。
具体的には、「今週は英単語帳の第2章を終わらせる…」などです。
1週間の頭に科目ごとに週の到達目標をリストアップし、週末に目標が達成できているか確認して、達成できていたら小さなご褒美を自分にやる、といった方法がおすすめです。
③話し相手をつくる
宅浪生は孤独です。孤独が苦手で仲間がいないと絶対勉強を続けられないという人はそもそも宅浪には向いていませんし、孤独でも大丈夫という人でも、話し相手がいることは長い受験勉強で欠かせないポイントになります。
勉強が思い通りに進まないとき、または勉強をすごく頑張ってなんらかの目標を達成できたとき、誰かにその思いを共有したくなりますよね。話し相手がいないと、そういったあらゆる思いや感情を全て自分で抱え込むことになります。
宅浪生のなかには、話し相手がおらず1ヶ月くらい人と話していない、家族とは必要最低限の会話しかしていない、その結果病んでしまったという事例が多いです。
そうならないためにも、定期的に身近にいる家族とコミュニケーションをとったり、また家族以外にも、同じ目標に向かって努力している人のコミュニティに参加することが大事です。SNSでも問題ありません。自分の悩みを相談したり、喜びを分かち合える人が一人でもいれば、宅浪生にとって大きな励みになります。
④適度に運動する
宅浪生のみならず、受験生にとって運動の効果は甘く見られがちですが、ストレス解消やリフレッシュなど、適度な運動は受験勉強にとても効果的です。集中力の向上にも運動は役立ちます。
個人的な印象ですが、浪人で受験に成功した人ほど、浪人時代、勉強の合間に外で軽いウォーキングをしていた人の割合が高かった印象です。
宅浪生は、毎日予備校に通う予備校生と違って移動時間がない分、運動量が少なくなりがちです。意識的に外に出る習慣をつけることが、長い宅浪生活を送るうえでのポイントになるでしょう。
⑤メリハリをつける
宅浪生は予備校生に比べて、自分で自由にコントロールできる時間が長い分、メリハリをつけた生活を送らないと、時間を常に管理されている予備校生とどんどん差がついてしまいます。
メリハリをつけるコツは、休んだりグダグダする時間・日にちをあらかじめ計画の内に組み込んでおくことです。
宅浪生はどうしても自分の立てた計画に反して、休んだりグダグダしてしまうことに罪悪感を抱きがちです。罪悪感を持ちつつもサボり癖がついてしまうと、メンタルが悪化してなおさらサボり癖が加速したり、勉強しようにも「ながら勉強」が常態化したりと、いいことは何一つありません。
そうならないためにも、前もって休憩時間を定めておくことで、勉強のメリハリをつけることができ、長い目で勉強を続けていくことができるようになります。
【宅浪するか迷っているあなたへ】宅浪に向いている人・向いていない人
宅浪に向いている人
・どちらかといえば内向的な性格で一人が好きな人
・1分も無駄にせず勉強したい人
・身近に勉強相談できる人がいる人
・計画性や計画遂行力に高い自信がある人
・気分転換が上手い人
・メンタルに自信がある人
・生活リズムが決まっている人
宅浪に向いていない人
・自分で勉強計画や戦略を立てられない人
・朝起きるのが苦手な人
・友達と協力して勉強したい人
・受験情報を自分で集める自信がない人
・うっかりやさん
・SNSが好きな人
・家族が多い人
宅浪に向いているか向いていないかは、その人の資質によるところも大きいです。以上のような項目で、宅浪に向いていない人に自分がたくさん当てはまるようであれば、宅浪は考えない方がよいです。
ただし予備校以外の選択肢もあります。メンターや家庭教師をつけたり、何らかのオンラインサービスを利用したりすることで、予備校に通うことなく、予算を抑えつつ宅浪に近い形で勉強を進めることができます。
どんな形であれ、自分のやるべきことを淡々と日々こなすことができれば、受験に成功する可能性はグっと上がります。ただ、多くの受験生、宅浪生が失敗している事実を踏まえると、自分で受験の計画を立てて毎日地道に実行していくというプロセスがうまくこなせていない受験生がほとんどだということです。
宅浪をするなら学問舎がオススメ
どれだけ最初、宅浪で1年頑張ってみるぞ、と意気込んでも「ずっと1人で…」というのは想像以上に難しいです。
長い道のりがある受験勉強だからこそ、受験のペースメーカー的存在が身近にいるだけで失敗する可能性はグンと下がります。
自分の受験勉強に寄り添い、わからない問題があれば何でも質問ができ、相談にも乗ってくれるような相手が身近にいれば受験勉強はよりはかどりますよね。
- 「難関大学の方と会話しながら受験対策を進めたい」
- 「苦手教科だけを集中的に対策したい」
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まとめ
この記事では、実際に宅浪するか悩んでいる人に向けて、宅浪のメリット・デメリットや宅浪を成功させるためのポイント、宅浪に向いている人・向いていない人などを網羅的に紹介しました。
大学受験は、受験生にとってこれからの人生を左右する一大イベント。宅浪で頑張るか、予備校に通うかの選択は今後のあなたの人生を左右するといって過言ではありません。
宅浪のメリットデメリットと、自分の性格・意志とを照らし合わせて、宅浪で頑張る覚悟ができれば、今回紹介した以下の5つのポイントを踏まえて1年間頑張ってみてください。
- スケジュール管理を徹底する
- 短期的な目標を立てる
- 話し相手をつくる
- 適度に運動する
- メリハリをつける
宅浪にせよ予備校にせよ、どちらも受験は長い道のりで、辛いことに変わりありません。
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