青チャートは学校指定の数学問題集になっていたり、受験関連のメディアで見ることが多いですが、
- 青チャートは他の参考書とどう違うの?
- 青チャートのレベル感って?
- 青チャートの使い方は?
といった疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
特に青チャートを具体的にどうやって使えばよいのか分かりませんよね。私も受験生の頃は問題集の使い方がよく分かっていませんでした。
今回の記事では数学問題集である青チャートがどんな問題集なのか、具体的な使い方について、私の経験も交えながら徹底解説していきます!
青チャートとは?
そもそも青チャートとはどんな問題集なのでしょうか。
青チャートの基本情報
青チャートは基礎から入試まで使える問題が網羅的に掲載されている数学問題集です。
青チャートに掲載されている知識だけで、基本的にどんな入試問題でも対処できます。
東大や京大の入試問題も過去問演習などは必要ですが、根本的には青チャートに載っている知識で対処可能です。
解法暗記のために使う問題集でインプット用という側面が強いですが、「EXERCISES」「総合問題」と呼ばれる演習用の応用問題も掲載されており、アウトプット用に使うことも可能です。
青チャートと他の問題集の関係
青チャートの他にも「黄チャート」や「赤チャート」と呼ばれるチャート式問題集もあります。
他のチャート式問題集と青チャートの難易度の関係と、それぞれの解説は以下の通りです。
白チャート<黄チャート<青チャート<赤チャート
赤チャート | 最も難易度が高い余裕があればやった方が良いが、絶対に取り組むべき参考書ではない |
青チャート | 基礎から応用まで全ての問題が網羅的に掲載されている偏差値55以上の大学を目指す場合は取り組んだ方が良い参考書 |
黄チャート | 基礎から応用まで網羅的に掲載しているが、青チャートに比べると応用問題が少ない応用問題演習を別の問題集でするなら、青チャートの代わりに使っても問題ない |
白チャート | 基礎固めを目的とした参考書 |
他にも、共通テスト演習専用の問題集である「緑チャート」、中堅私大・地方国公立レベルのアウトプット用問題集である「紫チャート」があります。
青チャートのレベル感
青チャートに取り組むべき人のレベル感、青チャートで到達できる大学のレベル感について解説します。
青チャートの対象者
青チャートの対象者は、公式を一通り覚えており、教科書などに掲載されている基礎問題を問題なく解けている人です。
定期テストでは、高校のレベルによりますが、最低でも約70点取れている必要があります。
偏差値にするとだいたい50〜55の層です。
難しすぎて挫折する可能性が高いため、このレベルに到達できていない人には青チャートはあまりオススメできません。
青チャートで到達できる大学・偏差値
青チャートの例題をマスターすれば、上位国立大学、理系MARCHレベルまで到達できます。
偏差値にすると、60〜65です。
演習問題までマスターすれば難関国立大学、早慶上理レベルまで到達できます。
偏差値にするとだいたい65〜70です。
偏差値70を超える東大・京大などの最難関国立大学、早慶の難易度の高い学部を目指す場合は過去問や別問題集などで更なる演習を積んだ方が良いです。
レベル別の使い方
青チャートの使い方は、受験生のレベルによって異なります。
基礎固めが終わった直後の人と典型問題の解法暗記が出来ている人で使い方が大きく異なるので、それぞれの使い方について解説します。
基礎固めが終わった直後の人
基礎固めが終わった直後の人は、基本例題の解法を覚えることに集中しましょう。
基礎が終わって、公式などの意味が分かった段階の人がすべきなのは、典型問題の解法暗記です。
基本的に、青チャートは解法暗記のために使います。
基本例題の下にある練習問題も解いて、解法暗記が出来ているか確認すると良いです。
また、解法暗記が目的なので、無理に問題を解こうと考えて時間を浪費しないように注意しましょう。
典型問題の解法はだいたい覚えている人
基本例題を一度解いて典型問題の解法暗記に抜け穴がないかまずは確認しましょう。
それが終わったら重要例題とその練習問題を繰り返し解いて、余裕があればEXERCISEに挑戦してみましょう。
典型問題の解法暗記ができた後は、抜け落ちているところを無くすのと典型問題の解法をどう組み合わせて応用問題を解いていくのかという感覚を掴むことが重要になります。
この段階では何度も周回することが重要です。解けなかったらすぐに確認して解法を思い出しましょう。また、EXERCISEは余裕があれば解くと良いですが、アウトプットは専用の問題集を使った方が良いです。
【京大生直伝】青チャートの問題の解き方3ステップ
青チャートの問題は、量が膨大で、目的が解法暗記という2つの性質があります。
そのため、問題の解き方もその性質を考慮して行わなければなりません。
ステップ1:勉強計画を立てる
青チャートは問題量が膨大なので、計画立てて問題を解かないと終わりません。
しかも、青チャートは周回することが大事な問題集なので、解かないといけない問題は、実際の問題数の2〜3倍になります。
そのため、計画が非常に重要です。
計画を立てずにただやみくもに問題を解かないように気を付けましょう。
まずは何周するか決めて、1周目を夏休み終わりまでに完了するというように長期的な計画を立ててください。そして、今度は確率を5月に終わらせるというように中期的な計画を立ててください。最後に、1日何問解くのか割り振って短期的な計画を立てましょう。
受験生なら、1日にだいたい10問程度になるようにしましょう。
ステップ2:問題を解く
ステップ1で立てた計画に従って問題を解いていきましょう。
解法暗記が目的なので、スピーディーに解くことを意識してください。
3分考えて解き方が分からなかったら、すぐに答えを見ましょう。
後で詳しく解説しますが、解法暗記の際には、どの問題文に対してどんな手法を使って解いたのかを意識して覚えましょう。
また、間違えた問題などには×や△などの記号を付けておきましょう。
私が受験生のときは、間違えた問題には×を、自分の考えた解法が遠回りだったり計算間違いをした場合は、△を付けていました。
ステップ3:復習する
ステップ2の段階で付けた×や△の問題を中心に復習しましょう。
間違えた問題は必ず最初から何の助けもなしに解けるかどうか確かめると良いです。
私は、×については最初から解いていましたが、△の場合は何で自分が間違えたのか確認するようにしていました。
何度も言っているように、青チャートは周回が大切です。
些細なミスのせいで間違えた場合は、解き直さずに確認だけに留めましょう。
青チャートを使う際の注意点
ここからは青チャートを解く際に間違えがちな注意点について解説します。
基礎を固めておく
公式や教科書レベルの基礎的な問題が解けない場合は、まずはそちらを白チャートや教科書などで固めてから、青チャートに取り組むようにしましょう。
青チャートは典型問題の解法暗記が目的です。
典型問題の解法を暗記するためには、ある程度の基礎的な数学の知識が必要になります。
そうした知識なしに取り組もうとすると難しすぎて挫折するので、必ず教科書的な基礎知識を頭に入れた上で青チャートに取り組むようにしてください。
素早く周回する
青チャートは典型問題の解法暗記が目的のインプット用の問題集です。
英単語などと同じように、1つ1つに時間をかけずに覚える必要があります。
きちんと覚えられなかった分は2周目に回して、1周をなるべく短く終わらせるように心掛けましょう。
また、1周目が終わると、数学の全体像を掴めて他分野間の理解が深まります。
この全体像の理解が演習の際に重要になるので、なるべく早く1周目を終わらせましょう。
解法暗記のために使用する
青チャートはあくまで解法暗記のためのインプット用参考書です。
もちろんEXERCISEのようなアウトプット用の演習問題がありますが、基本的にはインプット用です。
アウトプットをしたい場合は、別の問題集を使用した方が良いです。
あくまでインプット用だということを意識して青チャートを進めましょう。
また、解法暗記をする際には、模範解答暗記とならないように注意しましょう。
青チャートに載っている模範解答を暗記するだけでは、問題文の形が変わると太刀打ちできなくなります。
「問題文から読み取れる情報がどんな場合に、どんな公式等を答えを導き出すための道具として使うことができるのか」というのが、解法暗記です。
単なる青チャートの模範解答の暗記に陥ってしまわないように注意しましょう。
青チャートの次の参考書
青チャートで典型問題のインプットが終わったら、アウトプット用の参考書に移りましょう。
青チャートのEXERCISEをしても良いですが、アウトプット用の参考書の方がアウトプットのために解説等が洗練されているため、そちらを使った方が良いです。
アウトプット用の参考書には以下のようなものがあります。
- 1対1対応の演習
青チャートが終わった後のアウトプットにはこれが一番適しています。
青チャートの難しい問題が集まっています。
青チャートの難しい問題に対して自信がある場合はやらなくても良いです。
- プラチカ
アウトプット用問題集の定番です。特に文系で数学を使用する方は、文系数学のプラチカはとてもオススメです。京大や東大でも過去問演習と組み合わせれば十分使えます。ただし難易度は青チャートよりも上がります。
- やさしい理系数学
- 標準問題精講
どちらも「やさしい」「標準」という名前が付いていますが、内容はかなり難しいです。
プラチカレベルの問題を特に問題なく解けるようになったときに使用すると良いです。
東大、京大、早慶などの最難関大学を目指している受験生向けの難易度になります。
青チャートのスケジュール感
どんなに遅くても1周目は夏休み中には終わらせておきましょう。
2学期になると問題演習をしてアウトプットに移らなければなりません。
受験生がインプットに時間を割けるのは夏休みまでです。
インプット用の問題集である青チャートは必ず夏休みまでに終わらせるようにしましょう。
正しい参考書の使い方を教えてくれる受験コンサル
青チャートの使い方のように、参考書の使い方に悩んでいる受験生は多いのではないでしょうか。。
また、特に青チャートのような厚い参考書を解くための長期的な計画を立てるのが難しかったり、1人だと計画通りに進められなかったりする人は多いでしょう。
そこで有効な手段として、学習管理型の塾があります。
例えば、学習管理型のオンライン塾のひとつである「ポラリスアカデミア」は、トレーナーとコンサルタントによる、徹底した学習管理と受験戦略を提供しています。
ひとりひとりに合った勉強法や参考書選びで、最短ルートでの志望校合格を目指しています。
受験コンサルについて、詳しくは以下の記事を参照してください。
▶【京大生が教える】受験コンサルとは?普通の塾との違いは?メリットやデメリット・費用を徹底解説!
まとめ
青チャートは基礎から応用までの問題を全て網羅しており、典型問題の解法暗記をするのに適したインプット用の問題集です。
東大京大レベルの入試問題でも、青チャートで身に付けた知識で対処することになります。
青チャートの使い方としては、
- 計画を立てる
- 問題を解く
- 間違えた問題に絞って復習する
という周回サイクルを回していくようにしましょう。
また、典型問題の解法を暗記できている人と出来ていない人で問題の進め方が変わるので注意しましょう。
さらに、青チャートを解いていく際は、
- 教科書レベルの知識を固めておく
- 素早く周回する
- 解法暗記のために使用する
ということにも注意できると良いです。
ぜひこの記事を参考にして、数学の学習に青チャートを使用してください!