【京大農学部合格体験記】自分に合った受験生活を。追い込みが苦手な私がモチベーションを保ち続けた秘訣

今回は京都大学農学部食品生物科学科に通っている、2回生のななさんに合格体験記を書いていただきました!

ななさんの激動の受験生時代から合格に至るまでについて思う存分語っていただきました。
この記事を読めば、以下のようなことがわかります。

  • 京大現役合格者が受験生活をどのように過ごしていたのか
  • 京大合格のために行った受験戦略
  • どのようにして受験期のモチベーションを保ったのか

ぜひご一読ください。

合格者のプロフィール

氏名:なな
大学・学部学科:京都大学農学部食品生物科学科2回生
学年:2回生
出身地:大阪府
高校:大阪府立北野高等学校
部活(高校):ハンドボール部

ななさんは、現在京都大学農学部の2回生です。

大学では体育会バドミントン部に所属していて、バイタリティに溢れています。

旅行が好きで、部活のオフ期間を使っていろいろなところに行っているそうです。

受験情報

私の受験生活を一言で表すと

受験を一言で表すと、「安定」な気がします。もちろん、気持ちや成績の変化が全くなかったわけではありません。しかし、他の受験生と比べると非常に安定したものであったと思います。成績はもともと悪くはなかったので、少しずつコンスタントに伸びて合格に届いたという感じです。

特に面白味のない、のほほんとした受験生活だったので、メンタル面だけでなく受験戦略や勉強法などまで詳しく書いていこうと思います。

受験期モチベーショングラフ

ここからは私の受験期のモチベーショングラフを見ながら、受験期の生活・勉強内容などを語っていきます。

私は高校2年生の秋〜京大合格までを書きました。

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スタペディア編集部

ななさんは受験期を通して、モチベーションの変化が少ないですね。夏以降は常に高めの水準を保っています。

【高2の1月~3月】新年の抱負で一念発起 

高校2年生の年末までは、受験勉強といえるようなものは全くしていませんでした。学校の宿題をやったりやらなかったりというくらいの勉強時間で、まともに勉強していたのはテスト期間くらいでした。

もちろん、3年生になったら勉強しなければいけないとわかっていました。

私の家では、お年玉をもらうときに新年の抱負を言わなければいけないというルールがあったので、家族に「今年は勉強を頑張ります!」と宣言しました。

宣言したからには勉強しようと思って、高2の年明けからは、4時半に起きて学校に行くまで勉強する生活をするようになりました。

勉強時間としては1日2時間弱でしたが、勉強習慣をつけるという意味ではいいスタートダッシュがきれたと思います。予定では3年生になるまでは勉強しない予定だったので(笑)勉強内容は、数学や理科のそれまでの復習が中心でした。

【高3の4月~6月】引退が長引いて焦った

3年生になって、受験生の自覚がでてきた私は、朝だけでなく夜も勉強するようになりました。6月までは部活をしていたので、19時頃に家に帰って、ご飯やお風呂を済ませて1〜2時間ほど勉強して、10時には寝るという感じです。勉強時間は1日4時間くらいだと思います。

私の部活は例年ゴールデンウイークに引退試合があるのですが、コロナの影響で引退試合が3回ほど延期になり、結局引退は6月中旬くらいになりました。

同級生が引退して勉強している姿を見ながら、なかなか引退試合の日程が決まらず焦っていたことを覚えています。

勉強時間でどんどん差をつけられると思ったので、この時期は疲れた体に鞭を打って頑張っていました。勉強を始めるときも気乗りしないことがなかったし、集中して勉強できていたと思います。焦りと不安を原動力に、本格的な受験勉強をスタートしました。

この時期は、各教科決めた問題集をこなしていました。数学や理科は学校で買った問題集を、英語は長文読解の問題集を自分で買って進めていきました。

【高3の6月】勉強に集中できるはずがモチベーションが低下

ついに部活を引退して、勉強に集中できる環境になった6月ですが、逆にモチベーションが下がってしまいました

その理由は、周りの人と同じ勉強時間を確保できるようになり余裕が生まれたのと、1日ずっと勉強に向き合う気力がなかったからです。

それまでは、部活を言い訳に勉強をサボることができたので、1日中勉強し続けることはありませんでした。勉強するのはしんどいけど、休憩すると罪悪感を感じるという悪循環でしんどかったです。

時間は1日5時間程度やっていましたが、だらだらやっていたため、あまり勉強は進んでいなかったと思います。

この時期も、各教科問題集を進めていました。国語と社会はこの時期も手をつけていません。

【高3の7月~2月】長期戦を見据えて、できる範囲の最大限を

7月になると、勉強に向き合う根性がついて、しっかり1日中勉強できるようになりました。

しかし、自分を追い込むのは苦手なようで、1日どこかに缶詰で勉強をすることはできませんでした。何度かトライしてみましたが、次の日にやる気が急低下したりと、すぐに反動がきたため諦めました。

自分を追い込んでいる、無理していると感じた瞬間に、防衛本能のようにやる気がなくなったんですよね。自分の100%で勉強している友達に憧れていたのですが、私は毎日90%を続けていく方が合っているなと気づきました。無理はしない分、毎日毎日勉強しようという風に決めて、受験当日まで走り抜きました。もちろん何回かはサボってしまった日もありましたが(笑)

学校のある日は休み時間に友達と喋ってリフレッシュできるので、学校以外の時間ずっと勉強することに苦はありませんでした。学校が終わったら教室で下校時間まで勉強、その後は塾の自習室で勉強、飽きたら家に帰ってご飯やお風呂を挟んで勉強、という生活をしていました。家に帰ったりお風呂に入ることは生活に必要なことなので、休憩と思わずリフレッシュできます。こうして休憩時間を短くして勉強できました。

夏休みや冬休みの長期休みは、場所を変えて勉強することで同様にリフレッシュの時間をとっていました。

朝:家→学校
昼:学校→塾
夜:塾

基本的な勉強スケジュールは上記の通りです。学校では、友達と話したり、昼にキャッチボールをしてリフレッシュしていました。また、塾の季節講習を夜の時間帯に入れることで、切れかけた集中を強制的に戻すことができたのがよかったです。

受験当日までの、時期ごとの勉強内容は以下の通りです。

時期勉強内容
夏休み春からやっていた問題集を終わらせる
塾の講習、古文・漢文の基礎、世界史の今までの復習、英単語
2学期夏までの問題集の復習、レベルアップした問題集、2次試験の過去問を少しづつ、
共通テストのみの科目の暗記・演習
冬休み2次試験対策(年末まで)、共通テスト過去問・予想問題集(年明け以降)
共通テスト以降2次試験過去問

後で詳しく説明しますが、共通テスト対策を本格的にしたのは年明けの2週間のみで、基本的には2次試験用の問題集や参考書をやっていました。

高校3年時の点数推移

受験生まで勉強は特にしていなかったですが、毎回テスト期間に完璧な理解をすることを徹底していたおかげで、3年生になった時点で他の受験生より高い学力層にいれたみたいです。

コンスタントに点数は伸びていますが、周りの人と比べると、伸び率は低かったと思います。夏の模試でB判定がでて喜んでいましたが、秋の模試では第一志望の学科はC判定と下がってしまい、不安でした。

しかし、あと一歩でB判定だったことや、校内模試の順位は上がっていることを踏まえて、勉強法が間違っているわけではないと信じてそのまま勉強を続けました。

春〜夏の共通テスト模試の点数は低かったです。しかし、そもそも未習範囲がある・既習範囲は基本的に解けていたので焦ることはなかったです。予想通り、秋くらいには得点も安定して高くなりました。

半年以上モチベーションを保ち続けることができた秘訣

ここでは、私がモチベーションを保つことができた3つの秘訣を紹介します。モチベーションの保ち方は人それぞれだと思うので、参考程度に読んでみてください。

勉強計画はおおざっぱに!気分に合った勉強を

私は勉強計画を立てて実行するのが苦手でした。理由は主に2つあります。

1つ目は、計画を立てるときのモチベーションが高すぎたことです。自分を過信しすぎて、できない量の計画を立ててしまいがちでした。追い込まれるのが嫌いなことも相まって、しんどい計画はこなせませんでした。

2つ目は、疑問を追求しすぎて勉強が進まない時間があったことです。気になることを放っておけない性格のため、疑問を抱いたことに対して1時間以上考え続けてしまうこともざらにありました。これが何回もあると、当然勉強は計画通りには進みませんでした。

これらの理由のため、私は勉強計画をほとんど立てずに受験勉強をしました。

立てた計画は、「夏休み中にこの問題集を終わらせる!」「年末までに過去問5年分は解く!」みたいな大雑把なものです。「1日○ページ進める」は無理でも、「2か月で100ページ」なら、気分が乗るときにたくさん進めれば終わります。

計画を立てないことで、気乗りする勉強ができたため、勉強が苦になりにくかったです。

1日の始めの勉強はいつも気分が乗る科目からやっていました。気分が乗ってきたら、好きじゃない科目もノリでできます。

もちろん少しづつ科目の進度に差がでますが、大雑把な計画のおかげで進み具合の差はわかるので、少し我慢して進度を合わせていました。

計画を実行することがモチベーションになる人がいれば、私のように実行が苦手な人もいます。計画を立てることが正義ではないので、自分に合った勉強をするといいと思います!

人と話す時間だけは大切に

勉強の休憩の大半は人とのお喋りでした。家族や友人、先生などです。

ずっと1人だとなんだか憂鬱になってしまうので、人と話すことで受験期のメンタルを保っていました。

バカな話をして声を出して笑うだけで、疲れはかなり吹き飛びます。

休憩中にスマホをいじることもありましたが、あまり心は晴れません。勉強中は喋らないし、姿勢も変わらないので、人と話して顔や体を動かすことは大事だと思います。

また、友人とは「一緒に頑張ろう」と励まし合えるし、先生や家族は「頑張れ」と応援してくれて、周りの人の言葉が力になるんだなと実感しました。

大学合格後の妄想を楽しむ

合格後のことを考えることは、やる気につながります。

「大学に受かったら遊びまくろう!1年は勉強なんてしない!」と考えて、やりたいことをいっぱい考えていましたね。

友達と妄想を言い合ったり、先生に大学の楽しかったエピソードを聞くことで、それを実現するために勉強を頑張れました。大学のパンフレットを見たりするのも楽しかったです。

受験勉強は終わりがあるから頑張れるものだと思います。ゴールの喜びを考えることで、今を頑張れるのではないでしょうか。

京大合格を実現した受験戦略

ここでは、私が京都大学に合格するために実行した受験戦略を3つ紹介します。

1. 共通テスト対策は基本しない

一般には共通テストは11月から、遅くとも12月には対策を始めるべきだと言われています。しかし、私は1月まで共通テスト対策をしませんでした

これには2つの理由があります。

1つ目は、京大は2次試験で差がつきやすいからです。京大を受験する人は共通テストはみんな高得点であまり差がつかないので、難易度が高くて差がつきやすい2次試験に力を割くべきだと考えました。共通テストの内容は2次試験の内容に包含されていますが、2次試験は共通テストの勉強だけでは解けません。

2つ目は、共通テストは教科書レベルの内容を理解していれば、ほとんど解けるからです。時間制限は厳しい科目もありますが、2次試験が解けるレベルの勉強をしていれば、内容的に難しいと感じるものはほとんどありません。

丸暗記ではなく理解していれば、形式に慣れるための2週間で大丈夫だと考えました。

結論、この戦略は成功しました。私の年は共通テストが難化しましたが、私は少し点数が下がった程度に抑え、学部2位・志望学科1位の成績をとれました。

この戦略を行う上で気をつけることは、共通テストでしか使わない科目は夏や秋からしっかり勉強することです。

また、年明けからは共通テスト過去問演習がかなりハードスケジュールになるので、冬休みに入ったくらいから始める方が精神的には余裕を持てていいと思います。

2. 配点を意識した勉強

大学受験で見落としがちなことは受験の配点です。配点は、学部学科によって大きく変わります。

京大農学部は、理系学部の割に文系科目の配点が高いです。

共通テストの社会は100点が圧縮なしで使われ、国語も共通テストと2次試験を合わせると、数学と50点しか変わりません。

そのため、数学と理科にはもちろん時間を割きつつ、社会や古文の勉強もしっかり行いました。配点と勉強時間をある程度合わせるように意識しました。

京大合格を実現した勉強法

次は、私が京大合格のためにやってよかったと思う勉強を紹介します。よければ参考にしてください。

1. 遅くても大丈夫!基礎に戻ることをためらわない

私は、英単語や英文法、古文単語の勉強をほとんどしていませんでした。英語の問題は基本的に長文読解だったので、受験勉強を始めるレベルの長文なら、なんとなくで読めていました。

しかし、夏頃に問題のレベルが上がってきたときに、今のままじゃ太刀打ちできないと気づきました。

夏から英単語を始めるのは遅すぎるんじゃないかと思いましたが、やるしかないので全力で英単語の勉強をしました。結果、秋頃には英単語帳1冊を覚えきりました。

英単語を覚えると、長文読解の精度は格段に上がります。基礎的な勉強は大変でしたが、基礎が固まっていなければ応用はできないので、絶対に必要な勉強でした。

受験が近づくと、「基礎的なことなんてやってる場合じゃない!」と思うかもしれませんが、始めるのが遅くなっても、基礎力はしっかりつけることがオススメです。

2. 先生や友達に質問や添削をたくさんする

わからないことを自分の頭で考えるのは大事です。でも、受験勉強は時間との勝負でもあるので、あまり悩みすぎてももったいないと思います。考えてもわからないときは、人に聞くとあっさり解決することもあります。

私はじっくり考えすぎることもあって少し後悔していますが、先生や友達がいなかったらもっと時間をロスしていました。人と話すと別の視点が得られて理解が深まるので、オススメです。

また、2次試験は記述問題が多いので、添削してもらうことは非常に有効だと思います。自分の答案が人に伝わるかは、自分ではなかなか判断できません。また英作文の添削では、人に見られることで、気をつけて書くようになるため、ミスが減ったなと感じました。

1人でじっくり向き合うのと、人の視点をもらうのは、両方合わせるのが大事だと思います。

合格したときの気持ち

めちゃくちゃ嬉しかったです。あまり実感が湧かないような気もしました(笑)

お母さんが泣いているのを見たときに、合格してよかったなと一番感じました。ずっと支えてくれた人が、泣いて喜んでくれて嬉しかったです。

意外と興奮はすぐ冷めましたが、入学するまではずっと、じわじわ嬉しかったです。ふとしたときに、「あ、私京大受かったんだ」って嚙みしめてました(笑)

受験生へのメッセージ

受験生のみなさん、毎日お疲れ様です。勉強ばかりで大変な日々を送っていると思います。

みなさんにお伝えしたいのは、受験はやっぱり長期戦なので、全然ダメな1日があっても気にしなくて大丈夫ということです。追い込めるタイプの人は追い込んで、追い込めない人はマイペースに続けて、自分に合ったスタイルで勉強することが大事だと思います。

周りを見て焦っても、あんまりいいことありません。

成果がでなくて苦しいこともあると思いますが、最後まで自分を信じて頑張ってもらえると嬉しいです。みなさんが悔いなく受験を終えられるよう、応援しています。

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この記事を書いた人

スタペディア編集部の女性

高松菜々

京都大学農学部食品生物科学科に在学中。
得意科目は、物理と国語。

高校3年の夏前までは部活に全力を注いでいました。高2の冬からは朝早起きして勉強することで、受験に向けて勉強の習慣をつけ、勉強時間を増やしました。
部活にいそしみながらも、毎回の定期テストで苦手を作らないよう、理解する勉強に努めていたことから受験勉強では好スタートを切ることができ、ストレスをためない勉強で着実に成績を伸ばすことに成功しました。
その結果、入試本番では共通テスト学科1位を獲得し、医医・情報以外の全学部に合格する点数を獲得。

スタぺディアでは、得意科目の物理の科目コンテンツ責任者を担当しています。