こんにちは!スタペディア編集部の竹之内です!
共通テスト世界史では、「広く浅く」出題されるため、一度通史を覚えて問題傾向に慣れてしまえば、安定して9割以上得点できる科目です。
- 共通テストで世界史を選択した方が良いのか分からない…
- 世界史の範囲が広すぎて、どう対策したら良いのか分からない…
- どの参考書を選べば良いのか分からない…
このような悩みを持つ人が多いのではないでしょうか。
私も初めは世界史の膨大な範囲と用語に圧倒されていましたが、共通テストでは満点を獲得し、現役で京都大学に合格することができました。
実は共通テスト世界史は、単純な暗記だけでなく、「出来事どうしのつながりと理由」や「グラフや地図等の資料を読み取る力」が問われる科目です。
そのため、問題の種類ごとにポイントを掴めば高得点を取ることができます。
この記事では、私が共通テスト世界史の特徴・対策法・オススメ参考書について徹底解説していきます!
共通テスト世界史とは?
共通テスト世界史の基本情報と平均点
共通テスト世界史の試験時間は60分で、問題数は約35問程度出題されます。
時間は十分にありますが、読解が多いため全て解き終わるのに30分程度はかかるでしょう。
【平均点】
年度 | 2023年 | 2022年 | 2021年 |
平均点 | 58.43 | 65.8 | 63.5 |
ちなみに、センター試験の平均点は以下の通りです。
年度 | 2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 |
平均点 | 63.0 | 65.4 | 68.0 | 65.4 | 67.3 |
2023年度の試験は難化したため、平均点が下がっていますが、基本的にはセンター試験のころと平均点は変わりません。
共通テスト世界史の出題傾向・特徴
共通テスト世界史ではほぼ全ての年代・地域から出題されるため、「広く浅い」知識が重要です。
そのため、古代〜現代史までの通史学習を一通り終わらせるのが重要になります。特に対策が不十分になりがちな現代史は頻出なので、注意しましょう。
また、共通テスト世界史で出題される問題は、おおよそ次の5つの形式に分類できます。
- 語句・正誤問題
- 年代・順序入れ替え問題
- 文化史問題
- 地図問題
- グラフ・文章等の資料読み取り問題
形式ごとの詳しい説明と対策は、後ほど解説します。
センター試験との違いは?
共通テストとセンター試験の最大の違いとして、
- 文章が長い
- 資料問題が多い
という2点が挙げられます。
文章が長い
センター試験では、知識問題がメインだったため、リード文や問題文を読まずに解くことが可能でした。
しかし、共通テストではリード文や問題文の内容を読解して、自分の知識をもとにその内容に適合する選択肢を選ばなければなりません。
そのため、読解力が重要です。
資料問題が多い
センター試験では、地図や写真を用いた資料問題が出題されていました。
しかし、共通テストでは、グラフや表などの資料を正しく読み取る力を求める問題も加えて出題されます。
そのため、グラフや表が意味していることと自分の知識を結びつける思考力が重要です。
共通テストで世界史を選択すべき人は?
共通テスト世界史に向いている人
- 暗記が得意
- 共通テスト社会科で高得点を取る必要がある
- 二次試験で世界史を使う
このような人は世界史を選択した方が良いでしょう。
共通テスト世界史ではポイントを掴めば高得点を取ることができます。しかし、暗記が得意な人の方が、初めから苦手意識を持たずに学習できるため、高得点を取りやすい傾向にあります。
また、世界史は、一度マスターすれば安定して高得点を取りやすく、二次試験で世界史を使う受験生も多いです。特に文系の受験生は、受験戦略上世界史を選んだ方が良い人が多いでしょう。
ただし、これは一般化された受験戦略上の話です。
それぞれの興味や得意・不得意に合わせて選択するのが一番なので、学校や塾の先生などと相談した上で自分で決めるようにしましょう。
他教科との比較
ここからは、共通テストで受験できる他の社会科目と世界史を比較します。
倫理、政治経済、現代社会で受験可能な大学は少ないので、割愛します。
一般的に世界史は日・世・地の中で、一番難しいと言われます。
山川出版社の用語集に掲載されている用語数を比較すると以下の通りです。
科目名 | 用語数 |
日本史 | 6600 |
世界史 | 5400 |
倫理・政治経済 | 6100 |
地理 | 3700 |
科目をマスターする難易度は、用語数だけでなく、その他の要素も考慮することが重要です。
例えば、用語数では日本史が世界史よりも多いですが、世界史では覚えた知識を地域別・年代別で覚えなければならないので、その分難易度は上がります。
様々な要素を考慮したマスターする難易度は次のようになります。
世界史>日本≥倫理・政治経済>地理
暗記量が多いものはマスターするまで時間がかかるため、暗記量が多い世界史・日本史の方がマスターする難易度が高いです。
しかし、暗記量が多いというのは、逆に言えば本番で初めて見る問題は少ないということ。
世界史は丁寧に勉強していけば、確実に得点できる科目なわけです。
本番の問題に左右されづらい点で、共テ社会の比重が大きい大学・学部を受ける場合は、世界史を選択するのが安全ですね。
【共テ世界史満点が直伝!】共テ世界史のオススメ勉強法
勉強の順序
世界史の学習は、通史の暗記→知識の確認と整理→問題演習の順で進めましょう。
①通史(インプット重視)
まずは通史を勉強して、全体像を把握するようにしましょう。全体像が見えないまま勉強すると、かえって遠回りになり、非効率的になってしまいます。
全体像の理解が一番重要なので、通史を飛ばさないようにしましょう。
②知識の確認と整理(アウトプット重視)
全体像を理解したら、問題演習ベースで、一度覚えた知識を整理していきましょう。
ここでは、一度覚えた知識の確認と、問題演習を通じてタテ(地域別)・ヨコ(時代別)で知識を整理することが重要です。
③問題演習
知識が整理できたら、いよいよ過去問演習です。
過去問を通して、共通テストの問題に慣れていきましょう。
過去問はセンター試験だった時の分も含めて最低10年分は解くようにしましょう。
各予備校が出版している共通テスト予想問題集も有効です。
共通テスト世界史の勉強を始める時期
結論から言うと、本格的に共通テストの対策を行うのは高3の4月からで大丈夫です。
高校1・2年生のうちは、学校の授業に合わせて知識のインプットを行いましょう。
定期テスト前に一夜漬けの勉強だけして、テスト後は忘れるといった勉強をしないように注意してください。
もし、今まで一夜漬けの勉強だけで済ませていたのであれば、教科書や用語集を用いて通史を暗記することから始めましょう。
高3の秋になると二次試験の対策が重要になるので、夏休み中までには共通テストの対策は完成させるようにしましょう。
共通テスト世界史の問題別対策を徹底解説
ここからは、問題形式別に対策するポイントを解説します。
語句選択・正誤問題
どちらも用語暗記が基礎的対策法です。
しかし、正誤問題は単に用語を暗記しても正解できません。
正誤問題では出来事の理由や意味を問われており、用語を自分の言葉で説明することが求められます。
例えば、
「第一次世界大戦後のヨーロッパ国際秩序の基礎になった条約は何か?」だけでなく、「ヴェルサイユ条約は何の基礎になったか?」という形でも答えられるようになりましょう。
一問一答の問題文を隠して、その内容を当てるという勉強法が効果的です。
年代・順序入れ替え問題
出来事どうしのつながりに対する理解が問われています。
「第二次世界大戦が開戦した年」や「ローマ帝国が滅亡した年」など、重要な歴史的事実の年号は覚えた方が良いですが、全ての出来事の年号を暗記する必要はないです。
「○○世紀前半・後半」や「フランス革命→ナポレオン戦争」といったように、大まかな年代と歴史的流れを押さえれば解けます。
「同時代に他地域で起きたこと」も問われるので、意識して勉強しましょう。
文化史問題
多くの受験生が苦手意識を持っていますが、必ず出題されるのでしっかり対策すれば得点源になります。
資料集の写真や図をよく見るようにしましょう。
特に作品名・作者名・作品の図/写真をセットで覚えることが重要です。
地図問題
地名が出たら必ず資料集で位置を確認しましょう。
細かい位置の違いまでは問われないので、大まかな位置を把握するだけで大丈夫です。
川や半島など、特徴的な地形を目印にすると覚えやすくなります。
グラフ・文章等の資料読み取り問題
資料読み取り問題は形式こそ難しいものの、実は問われている知識はセンター試験のころと変わりません。
珍しい形式に惑わされずに、問われていることを正確に理解することが重要です。
過去問で形式に慣れることが大切なので、過去問や予想問題をこなすことが一番の対策方法となります。
共通テスト世界史のオススメ参考書を徹底解説
ここでは勉強の進度に合わせたオススメ参考書を徹底解説します。
通史(インプット重視)
この2冊は、初学者が世界史の大まかな流れを掴むのに向いている参考書です。
教科書と併用して用いると理解が深まります。
この2冊は用語を覚えるのに良いです。
一問一答と用語集を使って用語を定着させておきましょう。
知識の確認と整理(アウトプット重視)
時代と場所ごとに問題が出題されるので、タテとヨコで知識を整理するのに向いています。
場所ごと、テーマごとにまとめられているので、この参考書も知識の整理に役立ちます。
問題演習
過去問が10年15回分あり、解説が丁寧なので過去問演習に最適です。
各予備校が出版している共通テストの予想問題集も問題演習に効果的です。
9割~満点を狙う
テーマごとに用語の確認と共通テスト形式の問題が整理されており、短期間で知識を整理するのに最適です。
正答率50%以下の問題が集められた参考書です。8割取れているときに、あと1割多く得点したいときに役立ちます。
まとめ
今回は共通テスト世界史について解説しました。
共通テスト世界史では、従来のセンター試験に比べて、文章とグラフなどの資料が多くなっています。
暗記が得意な方が有利ですが、苦手でもマスターできれば十分に9割以上の高得点を目指すことができます。
共通テスト世界史の問題は、
①「語句・正誤問題」
②「年代順序入れ替え問題」
③「文化史問題」
④「地図問題」
⑤「資料読み取り問題」
の5つの種類に分類可能です。それぞれの種類ごとのポイントを掴んで対策していくことが高得点を取るために重要です。
この記事を参考にして共通テスト世界史の対策を行っていきましょう。