『システム英単語』は、駿台が出版する超有名英単語帳です。圧倒的な入試分析から導き出された頻出順に基づく単語学習により、志望校合格に必要な英単語を効率的に身につけることができます。
また、情報を最大限に盛り込んだ例文など、細部にもこだわりが詰まっています。単語の暗記が苦手な人でも手に取りやすい参考書だと言えるでしょう。
ただ、『システム英単語』が自分の志望大学のレベルに合っているのか、本当に英文法力を高めるのに効果的なのかを見極めるのは難しいですよね。
この記事では、『システム英単語』のレベル感に加え、強み弱みなどの特徴や、本書の前後で取り組むのにおすすめの参考書について徹底的に解説します。本の内容や難易度を理解して、適切な参考書選びができるようになることを目指しましょう。
この記事を書いた人
『システム英単語』の商品情報
| 価格 | 1,100円 |
| 科目 | 英語 |
| 問題数 | 2,180単語 |
| 出版社 | 駿台文庫 |
| 目的 | 基礎〜発展の入試必携単語をマスターする |
| 対象ユーザー | 入試に必要なあらゆる英単語を覚えたい生徒 |
| レベル | 〜共通テスト/難関私学・国公立 |
| 難易度 | 普通〜難しい |
| 特徴 | 入試英語頻出単語を効率よく勉強できる単語帳です。定番参考書として信頼度は高いものの、熟語や最高難易度単語はカバーしきれていないものもあります。 |
『システム英単語』のレベル・到達できる偏差値
大学受験参考書の中では標準から発展の部類に入ります。
日々の定期テスト対策だけでなく、共通テスト対策や、偏差値60前後の難関私立・国公立大合格までを目指せるレベルです。
単語が頻度順に掲載されているため、英語に不安がある人でも無理なく取り組め、あらゆるレベルの大学志望者に最適です。
高難易度の単語の理解が必要な難関大合格の志望者は、高校1年生から取り組み、高校3年生の夏頃までには一通り学習し終えると良いでしょう。その他の大学志望者に関しても、遅くとも高校2年生までには学習を開始できると安心です。
『システム英単語』の強み
効率的に単語を学習できる
超有名予備校の駿台が出版しているということもあり、掲載単語への信頼度は非常に高いです。
最新の入試問題だけでなく中高の教科書や民間試験などの分析を基に、本当に学習するべき単語と用法が厳選されています。また、学校などでの導入実績も高いロングセラー参考書ということからもわかるように、分析の精度はピカイチです。
受験に必要な英単語を網羅的かつ効率的に学習することができます。
頻出度がわかりやすい
単語は頻出度順で掲載されています。単語は頻出度でステージに分類されており、自身の目標レベルと弱みに応じて必要な単語が一目瞭然です。精密な分析から導き出された頻出度を参考にすることで、効率よく英単語学習を進めることができます。
ミニマルフレーズで暗記できる
各単語ごとにコンパクトな例文(ミニマルフレーズ)が掲載されています。シンプルな内容なので、用法を確認するのにぴったりです。また、単語部分は赤シートで隠せるようになっているため、単語の暗記にも役立ちます。
『システム英単語』の弱み
音声で学習ができない
単語音声は無料ですが、例文の読み上げ音声は別売りになっています。そのため、音声を聞きながら単語を学習したい人は、不便だと感じるかもしれません
レイアウトがわかりにくい
単色のシンプルなレイアウトになっています。そのため、重要な部分とそれ以外の部分を区別するのが難しいと感じる場合があります。単語帳は長く使うものなので、配色やフォントなどデザインにこだわりがある人にはあまり向かないかもしれません。
熟語が学習できない
単語の解説に重点が置かれているため、熟語はほとんど掲載されていません。そのため、熟語を暗記したい場合は別の参考書に取り組む必要があります。特に難関大志望者は、熟語もマスターしておく必要があるため要注意です。
『システム英単語』の使い方
STEP1:見出し語とその意味を暗記する
各見出し語の意味を確実に暗記しましょう。複数の意味がある場合は後回しでも問題ありません。スペルを完璧に暗記し、単語を見たらすぐに意味を言えるようになるまで何度も練習しましょう。
STEP2:例文を確認する
右側のページに掲載されている例文(ミニマル・フレーズ)を確認しましょう。見出し語と一緒に使われている前置詞なども確認し、用法をそのまま頭に入れるのが大切です。例文の日本語訳を英文に直す練習を繰り返し行うのもおすすめです。
STEP3:周辺知識を暗記する
多義語であればその他の意味を覚え、派生語がある場合はそれらも暗記すると良いでしょう。特に長文では意外と派生語が出てくる場合も多いので、特に難関大を目指す受験生は見落としがないよう確認すると良いです。
『システム英単語』で1問にかける時間
まだ見出し語の暗記を終えていない高校1-2年生の場合は、1週間で50単語の暗記を目標として、約10ヶ月で1周することを目指しましょう。
ある程度見出し語の暗記を終えている受験生の場合は、1週間で2-300単語を確認しながら、1-2ヶ月で1周するペースを目指すと良いでしょう。
『システム英単語』に関する注意点
英単語に自信がない場合には基礎編を経由する必要がある
高校で学習するレベルの単語しか掲載されていないので、中学英語に不安がある人は難易度が高いと感じるかもしれません。その場合、シリーズで出版されている『システム英単語Basic』がおすすめです。こちらは中学英語から大学受験レベルまでの単語がカバーされており、英語が苦手な人にぴったりの単語帳です。
問題演習をしたい場合には他の教材を使う必要がある
あくまで単語帳なので、確認問題などは掲載されていません。学習した単語の理解度を確認したい場合は、英文解釈や長文の実践問題などに取り組む必要があります。インターネットなどにフリーの単語テストなどがアップされていたりするので、これらを利用するのもおすすめです。
超高難易度単語は別で勉強する必要がある
難関大学の入試に対応した構成にはなっていますが、一部網羅できていない単語もあります。特に東京一工・早慶で出題されるような超高難易度英文に含まれるような単語を勉強したい人は、「鉄壁」などのよりハイレベルな単語帳を確認するのも良いでしょう。
『システム英単語』の前におすすめの参考書
システム英単語Basic
| 価格 | 1,100円 |
| 科目 | 英語 |
| 問題数 | 1,670単語 |
| 出版社 | 駿台文庫 |
| 目的 | 基礎〜標準の入試必携単語をマスターする |
| 対象ユーザー | 中学英語にまだ不安がある生徒 |
| レベル | 〜共通テスト |
| 難易度 | 簡単〜やや難しい |
本書とシリーズで出版されている単語帳です。本書とは異なり中学レベルの単語から掲載されているため、単語に自信がない人はまずこちらに取り組むと良いでしょう。難関大の受験を目指す場合は、その後に本書などの標準以上のレベルの単語帳に取り組む必要があります。
『システム英単語』の後におすすめの参考書
鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁
| 価格 | 2,310円 |
| 科目 | 英語 |
| 問題数 | 約3,000単語 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 目的 | 最難関大の入試単語をマスターする |
| 対象ユーザー | 単語学習に力を入れ、英語を得点源にしたい最難関大志望者 |
| レベル | 東京一工などの最難関大学 |
| 難易度 | やや難しい〜難しい |
圧倒的な東大合格実績を誇る鉄緑会が出版する、最難関大を志望するトップ層の受験生向けの単語帳です。本書の特徴は、なんといっても情報量の多さ。語源を重視した丁寧な解説に加え、単語を暗記するためのイラスト等が豊富で、各単語を深く理解できます。網羅性が高い一方、難関大志望者でさえオーバーワークになる可能性も。必要な情報だけを抽出して勉強するのが得意な人におすすめの単語帳です。
『システム英単語』についてのよくある質問
アプリはありますか?
現時点で、公式の単語アプリなどはないようです。ただし、Quizletなどの各種ウェブサイトでは、個人が作成した無料の単語テストが公開されています。こうしたサイトをうまく活用して単語学習に取り組むのがおすすめです。
音声はついていますか?
単語読み上げ音声は公式サイトから無料で入手することができます。一方、例文の音声はダウンロード版・CD版のいずれも有料です。音声を使って単語学習を進めたい人は、これらの購入を検討してみてください。
『ターゲット』『速読英単語』との違いは何ですか?
いずれも「システム英単語」と並ぶ超有名単語帳です。掲載単語数はどれも2,000前後とほぼ同じです。違いを挙げるとすれば、レイアウトが少々異なります。シンプルな「システム英単語」に対し、「ターゲット」はカラフルで見やすく、「速読英単語」は長文の中に単語を配置するスタイルをとっています。最終的には個人の好みなので、書店等で実際に手にとって気に入ったものを選ぶようにしましょう。


