『英文標準問題精講』は旺文社が出版している参考書で、長年受験生に親しまれてきた参考書です。難関大入試に挑む上で読めておきたい古典的な英文が多数収録されており、難関大の英語で高得点を狙えるレベルの英文読解力をつけられます。
ただ、世の中にはたくさんの英文解釈の参考書があり、『英文標準問題精講』が自分の志望大学のレベルに合っているのか、効果的な使い方ができているのか知るのは難しいですよね。
この記事では、『英文標準問題精講』の難易度や効果的な使い方、よくある質問などを解説していきます。本書の具体的な内容や難易度を理解して、適切に参考書を選べるようにしましょう。
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英文標準問題精講の商品情報
『英文標準問題精講』の商品情報です。
| 価格 | 968円 |
| 科目 | 英語(英文解釈) |
| 問題数 | 220問 |
| 出版社 | 旺文社 |
| 目的 | 入試で読めない英文をなくす |
| 対象ユーザー | 旧帝国大学を受験する方の中でも英語が得意な方 |
| レベル | 旧帝国大学 |
| 難易度 | やや難しい〜難しい |
| 特徴 | 本書は旧帝国大学を志望する方におすすめの参考書です。ですが、問題の難易度が非常に高く、模試で偏差値65以上を安定して取れていない受験生にはおすすめできません。収録されている問題は古い英文が多く、近年の出題傾向には沿っていないことにも注意が必要です。 |
英文標準問題精講のレベル・到達できる偏差値
本書は「旧帝国大学」レベルで、偏差値75まで到達できます。英文解釈の参考書としては非常に難易度が高く、偏差値65以上の生徒でも難しいです。
以下、本書に取り組むべき時期を志望校別に解説していきます。
・日東駒専・産近甲龍:取り組まなくて良い
・GMARCH:取り組まなくて良い
・難関大(早慶・旧帝国大学など):高3の8月
・最難関大(東大・京大):高3の4月〜6月
英文標準問題精講の強み
ここからは『英文標準問題精講』について、他の参考書と比較した強みを解説していきます。
理解しにくい箇所は図で説明されている
理解しにくい箇所は図で説明されており、「構造を視覚的に理解できる」というのが本書の特徴です。前述の通り本書は非常にレベルが高く、文章だけの解説だと理解しにくい可能性が高いです。そこで本書では理解のサポートとなる図を使った解説がされており、誰もが悩むような難しい構文もわかりやすく説明がされています。
1題がそれほど重くない
本書は1題ごとの英文が短く、「英文を読む」ことに注力して学習できます。長い英文の場合、全体像をつかむ練習にはなりますが、わからなかった箇所については曖昧なまま終わってしまうことが多いです。本書で短い英文を正確に読む練習を積めば、難易度の高い英文和訳や英語長文に対応できるようになるでしょう。
英文標準問題精講の弱み
ここからは『英文標準問題精講』について、他の参考書と比較した弱みを解説していきます。
問題が古く、近年の傾向と合っていない
本書は入試用の参考書ではありますが、収録されている問題の多くが古典的な英語の文章であり、入試問題とはマッチしていません。古典的な英文ということもあり、100〜200年前の英文が収録されています。そのため、近年の入試傾向に合わせて対策したいという方には本書はおすすめできません。
難易度が高すぎる
本書は非常に難易度が高く、ほとんどの受験生にとってはオーバーワークとなります。全統模試で偏差値65程度の英語の実力がないと本書に取り組むのは難しいです。「標準」というタイトルに惑わされず、自分の実力に合った参考書かをきちんと見極めましょう。
リスニング対策はできない
同じシリーズの「英文入門問題精講・英文基礎問題精講」には音声が収録されていますが、本書だけ音声が収録されていません。そのため本書ではリスニング・スピーキング対策ができないことに注意が必要です。リスニングが課される大学を志望する方は、リスニング用の参考書を別に用意しておきましょう。
英文標準問題精講の使い方
ここからは『英文標準問題精講』の効果的な使い方を解説します。
STEP1:まず例題を解き、解説を熟読する
まずは収録されている例題を順番に解き、本書を1周しましょう。初見では解けない問題がほとんどかと思います。STEP2以降で復習がしやすいように、間違った問題には×を、解けたけれどイマイチ理解できていない問題には△を必ずつけるようにしましょう。
STEP2:チェックをつけた問題を中心に2周目を解く
STEP2では、STEP1でチェックをつけた問題を中心に学習していきましょう。STEP2の段階では、印がついていない問題は飛ばすのではなく、解説だけを流し読みするだけで構いません。×、△をつけた問題については手を動かしながら例題を解き、解説を熟読してください。STEP2で解けた場合には、×や△は消しておきましょう。
STEP3:チェックが消えるまで何周もする
STEP3では、チェックのついている問題だけを解くようにしましょう。一度正解した問題についてはもう解く必要はありません。全ての問題でチェックが消えたら、本書は完璧になったといえます。本書が完璧になったら、後述の「英文標準問題精講の後におすすめの参考書」に取り組むようにしましょう。
英文標準問題精講で1問にかける時間
1問あたり20分以内で解くようにしましょう。5分考えてもわからなかった場合は、考え続けても分からないままの可能性が高いです。時間をムダにしないためにも、5分悩んだ場合はすぐに解説を見て理解したらすぐに次の問題に取り掛かるようにしましょう。
英文標準問題精講に関する注意点
ここからは『英文標準問題精講』を使用する際の注意点を解説していきます。
本書に取り組むには最低偏差値65以上が必要
前述の通り、本書の難易度は非常に高く、偏差値65の方でも苦戦することがあります。特に構文が掴みにくい問題が多く、解釈の参考書をある程度勉強しておかないと挫折する可能性が高いです。自信があまりないという方は、本書に取り組む前に後述の「英文標準問題精講の前におすすめの参考書」に取り組みましょう。
英文標準問題精講の前におすすめの参考書
ここからは『英文標準問題精講』を使用する前におすすめの参考書を紹介していきます。
英文基礎問題精講
本書は大学入試で英語を使うすべての受験生におすすめできる参考書です。過去の入試問題を題材として入試で問われているポイントや出題傾向が抑えられており、近年のトレンドに合わせた学習ができます。本書は解説が非常に詳しいことに加えて、基礎レベル(日東駒専)〜応用レベル(GMARCH)までの問題が収録されており網羅性も高く、それぞれのレベルに合わせて学習が進められます。
ポレポレ英文読解プロセス50
本書は旧帝国大学などの難関大入試で過去に出題された英文が多数収録されています。難関大を受験する上で知っておきたい50個のテーマが解説されており、この1冊だけで難関大学入試に挑むための標準的な英文読解力がつけられます。東大・京大などの最難関大学を受験しない場合は、「ポレポレ」だけで対応できますが、もっと英語を得意にしたい難関大受験生は英文標準問題精講に取り組むのもおすすめです。
英文標準問題精講の後ににおすすめの参考書
ここからは『英文標準問題精講』を使用した後におすすめの参考書を紹介していきます。
英文読解の透視図
本書は英文解釈の基礎がついていることを前提として、旧帝国大学などの難関大受験生が苦手とするテーマを中心に解説されています。『英文標準問題精講』よりも近年のトレンドに合わせた問題が収録されており、多くの受験生から人気があります。ただし、本書は『英文標準問題精講』程度のレベルの問題が多く収録されているので、東大・京大などの際難関大学を志望しない方にとってはオーバーワークになるので注意が必要です。
関正生のThe Rules 英語長文問題集3 入試難関
『英文標準問題精講』で英文解釈を学んだ後は、読解の知識を生かして長文問題に取り組むのがおすすめです。そこでおすすめなのが『関正生のThe Rules 英語長文問題集3 入試難関』です。近年の入試問題を中心に長文12題が収録されており、長文読解におけるテクニックが詳しく解説されています。解説が詳しく、さらに音声も収録されているため、読解の知識だけでなくリスニングの実力も向上させられます。旧帝国大志望の方にはおすすめしたい1冊です。
志望大学の過去問
『英文標準問題精講』を終えたら、そのまま志望大学の過去問に取り組むのもおすすめです。特に高3の10月以降に標準問題精講を終えた場合には、もう1冊参考書に取り組む時間はないため、過去問に取り組むようにしましょう。過去問を解きつつわからない箇所が出てきたら標準問題精講義に戻り復習し、参考書で身につけた知識を生かせるようにしましょう。
英文標準問題精講についてのよくある質問
ここからは『英文標準問題精講』について、よくある質問に答えていきます。
『英文標準問題精講義』ではなく、透視図やポレポレで十分ですか?
結論から言うと、透視図やポレポレだけで十分です。前述の通り『英文標準問題精講』は問題が非常に古く、近年の入試傾向を全く反映していません。そのため、近年の入試傾向を分析し、頻出テーマを収録したポレポレと透視図に取り組めば、正直なところ、『英文標準問題精講』は必要ありません。


