hideaki majima 『古文単語315』は、桐原書店が出版している標準的な古文単語帳です。
入試で頻出の語彙から関連語や慣用句といった重要な語彙、さらに古典常識が豊富に掲載されており、本書一冊で古文の基礎的な知識をマスターできます。
ただ、『古文単語315』が自分の勉強スタイルと本当にあっているのか、どのように進めると学習効果が高いのかを見極めるのは難しいですよね。
この記事では、『古文単語315』の収録語彙の特徴や解説の内容、効果的な使い方などを解説します。本の具体的な内容や問題の難易度を理解して、適切な参考書選びができるようになることを目指しましょう。
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『古文単語315』の商品情報
『古文単語315』の基本情報です。
| 価格 | 990円 |
| 科目 | 古文 |
| 問題数 | 630語 |
| 出版社 | 桐原書店 |
| 目的 | 古文の語彙を増やし、基礎力を身につける |
| 対象ユーザー | 入試で古文を使う全ての受験生 |
| レベル | 全大学のレベル |
| 難易度 | 普通 |
| 特徴 | 本書は、古典常識が豊富に掲載されており関連語や慣用句も豊富であるという強みがある一方で、覚える量が多すぎたり読解力を鍛えられないという弱みもあります。 |
『古文単語315』のレベル・到達できる偏差値
本書は全ての大学レベルに対応した単語帳で、本書を極めることで偏差値60〜62.5まで到達できます。
GMARCHや地方国公立大学を志望する受験生は、受験期が始まると同時に開始することで、十分間に合うでしょう。一方で、早慶や旧帝大を目指す人は、問題演習に早期に取り組むため、受験期よりも前に取り組む必要があります。
志望校のレベル別におすすめの開始時期を以下に記載しているので、参考にしてみてください。
- 産近甲龍、日東駒専：高校3年の6月
- 関関同立、GMARCH、地方国公立：高校3年の4月
- 早慶、旧帝大以上：高校2年の12月
『古文単語315』の強み
『古文単語315』を他の参考書と比べた強みを紹介していきます。
古典常識が豊富に掲載されている
本書の最大の強みは、古典常識が豊富に掲載されていることです。
「古典常識の章」では、「月の異名」や「時刻・方位の表現方法」が詳しく解説されており、古文の読解においてこれらの背景知識は欠かせません。特に、難関大学の入試問題では、これらの表現についての注釈がついておらず、意味を知らないと解けないような問題も出題されます。
本書で古典の背景知識をインプットしておくことで、安定した得点力を身につけられます。
関連語や慣用句も豊富である
関連語や慣用句が豊富であることも本書の強みと言えるでしょう。他の古文単語帳では収録されていないような単語まで、関連語や慣用句が豊富に掲載されています。
古文の慣用句では、「くるしからず」や「ただならずなる」など、文面から想像できる意味と本当の意味がかけ離れている場合がよくあります。意味を誤って捉えると、その後の解釈が大きく異なり、大幅な失点につながることが少なくありません。
そのような事態を避けるためにも、本書で関連語や慣用句といった単語以外の知識を身につけておくことも重要でしょう。
イラストや図解がわかりやすい
本書の強みとして、イラストや図解がわかりやすいことも挙げられます。一つ一つの単語や古典常識が、イラストや図を用いて解説されており、古文が苦手な人でも取り組みやすいように工夫されています。
特に、複数の意味を持つ単語はコアとなるイメージで覚えておけるので、一つ一つの意味を暗記する手間を省略して効率よく覚えられるでしょう。視覚的や感覚的に覚えたい人にとって向いていると言えます。
『古文単語315』の弱み
『古文単語315』を他参考書と比べた弱みを紹介していきます。
覚える量が多すぎる
本書の最大の弱みは、覚える量が多すぎることです。本書の収録語数は630語と、入試古文に対して適切な量と言えますが、古典常識や付録も合わせると、暗記量は膨大です。
そのため、自分の志望する大学のレベルや学力に合わせて取捨選択する必要があるでしょう。例えば、京大では本文の状況を説明する問題が毎年必ず出題されるので、「古典常識の章」は完璧に頭に入れておく必要があります。
このように、志望大学の入試傾向に合わせて学習していってください。
読解力を鍛えられない
読解力を鍛えられないのも本書の弱みと言えるでしょう。本書では、単語や背景知識を覚えるのが中心なので、和訳問題や説明問題に対応していません。
「QRコードを用いて入試問題に取り組める」とありますが、意味の確認問題のみで、高度な読解問題に取り組むには古文読解に特化した参考書が必要です。
ぜひ、古文読解315の後におすすめの参考書で紹介しているものを手に取ってみてください。
『古文単語315』の使い方
ここからは、『古文単語315』の正しい使い方を紹介します。
STEP1：最重要語を覚える
まずは、最重要語を一通り覚えてください。本書における最重要語は、ほとんどの古文問題に出てくる頻出語ばかりで、意味を知っていないと本文の状況が全く理解できないでしょう。
英語で言えばdoやseeなど、基礎中の基礎レベルの単語と言えます。これらの単語について、コアとなるイメージを掴みながら、複数の意味を全て覚えていきましょう。
STEP2：その他の語句を覚える
最重要語を8割以上覚えたら、その他の重要語や慣用句を覚えていってください。
これらの語彙は、最重要語よりも重要度は劣るものの、どれも入試頻出のものばかりです。どれだけ定着しているかで、得点力が全く異なります。
最重要語を除いた語句だけでも300語以上と量は多いですが、全て暗記していきましょう。おすすめの暗記方法を以下に記載しているので、参考にしてみてください。
- 単語の意味を確認する
- 意味を隠して覚えているかチェックする
- 単語の解説を読み、コアイメージを掴む
- 例文の意味を考える
- 例文の現代語訳で確認する
STEP3：古典常識を覚える
語句の意味を一通り覚えたら、古典常識も覚えていきましょう。古典常識では、「月の異名」や「時刻・方位の表現方法」など得点に直結するものから、「男女の会話」など知っておくだけで状況把握がやりやすいものまで幅広い知識が収録されています。
これらを知っておくと、単に古文を現代語訳しただけでは読み取れない、作者の意図や文章が書かれた背景がわかるようになります。
難関大学で出題されるような説明問題では、こういった文章への深い理解が問われるので、ぜひ古典常識も覚えてください。
『古文単語315』で1語にかける時間
1語あたり10秒ほどで覚えていきましょう。１日あたりでは、30語ほど取り組んでいきたいところです。このペースであれば1周するのに5分かかる計算なので、3〜4周すると考えると適切だと言えます。
注意点として、1日やったら終わりではなく、毎日取り組みましょう。単語の暗記では、継続的に学習するのが一番の近道です。
『古文単語315』に関する注意点
ここでは、本書に取り組む時の注意点を紹介します。
この注意点を見ておかないと、自分にあっていない参考書で効率の悪い勉強をしてしまう可能性が高いです。
以下の点に気をつけましょう。
古典常識を飛ばしてはいけない
本書の最大の注意点は、古典常識を飛ばしてはいけないことです。多くの受験生は、単語の意味を覚えるのに必死になって、古典常識まで手が回らず疎かになりがちです。
しかし、難関大学で問われるような説明問題で、単に文章を現代語訳しただけでは大幅に減点されるでしょう。文章をかいた時の作者の意図や、登場人物の行動の背景にある思想を読み取らなければならないからです。
そのためには、古典常識を熟知しておく必要があるので、飛ばさずに全て覚えていきましょう。
付録の入試問題はしなくても良い
本書に取り組む際、付録の入試問題はしなくても良いことに注意してください。本書に収録されているQRコードを読み取ることで、実際の入試問題に取り組めます。
しかし、どれも意味の確認にすぎず、わざわざ読み取って解くほどではないでしょう。それをするくらいなら、一つでも多くの知識をインプットする方が重要です。
最短で単語を定着させるように意識しながら本書に取り組むと、効率的に学べるでしょう。
習慣的に使う必要がある
習慣的に使う必要があることも、本書の注意点の一つです。全ての単語帳について言えますが、一定期間集中して暗記しても、数ヶ月もすれば大部分は忘れてしまいます。短期集中的に取り組むよりも、1日10単語でもいいので継続して取り組む方が良いでしょう。
通学中でも寝る前でも良いので、毎日みるように習慣づけてください。筆者の場合は、「朝起きてすぐに10個覚える」と決めて、この習慣を受験当日まで続けていました。
『古文単語315』の前におすすめの参考書
ここからは『古文単語315』の前に使うと効果的な、おすすめの参考書を解説していきます。
マドンナ古文単語230
Gakkenが出版しているコンパクトな古文単語帳で、全部で230語と古文単語315よりも少なく、とっつきやすいのが特徴的です。単語カードが付属しており、暗記するのが苦手な人にとっても手に取りやすい工夫がされています。
いきなり古文単語315に取り組むのはハードルが高いと感じる人におすすめの一冊と言えるでしょう。
ゴロゴ古文単語
西大和学園の有名講師監修の古文単語帳で、全ての単語が語呂で紹介されているのが特徴的です。他の単語帳で挫折した人でも、本書の語呂とイラストを使えば継続して取り組めるはずです。
インターネット上に公式の完全無料版が公開されているので、興味のある人は見てみると良いでしょう。
ポチップ
『古文単語315』の後におすすめの参考書
本書を終えた人は、過去問演習やより難易度の高い問題が収録されている参考書に取り組んでください。
具体的には、以下の『富井の古文読解を初めから丁寧に』、『岡本梨奈の古文ポラリス2』の2冊がおすすめです。
富井の古文読解を初めから丁寧に
東進の有名講師による古文読解の基礎を学べる解説本です。英語と同様に古文では、文章を分解して機械的に読んでいくのが重要です。
古文単語315では習得できない、文法を用いて機会的に読解する方法を学んでいきましょう。古文が本当に苦手な人や、文法に不安がある人におすすめできる一冊です。
ポチップ
岡本梨奈の古文ポラリス2
定期テストや模試である程度点数が取れている人向けの問題集です。標準的な問題演習を通して、実践的な読解力を身につけられるでしょう。
本書の他にも、古文ポラリスシリーズでは基礎レベルの1と発展レベルの3があるので、自分の理解度に合わせて使い分けるのがおすすめです。
『古文単語315』についてのよくある質問
ここからは、本書について受験生からよく質問される点について答えていきます。
何時間やるべきですか？
結論、時間ではなく語数でペースを決めましょう。目安として、1日30語ペースで進めていくのがおすすめです。3週間ほどで1周できるので適切なペースと言えます。
勉強時間ベースで計画を立ててしまうと、ダラダラと勉強をしてしまいがちになり効率的ではありません。「1日○語覚える」と決めたら、毎日そのペースを守って継続的に学習していきましょう。
ゴロゴとどちらがいいですか？
自分の暗記の仕方によって選んでください。
古文単語315では1語1語に解説がついており、語源や活用とセットで意味を理解しながら覚えられます。
一方で、ゴロゴでは語呂とイラストで、意味を考えず直感的に覚えられます。
自分の暗記スタイルに合わせて、相性が良い方の参考書を選びましょう。
