今回は今年の春から京都大学教育学部に通う、1回生のちこさんに合格体験記を書いていただきました!
ちこさんの激動の受験生時代から合格に至るまでについて思う存分語って頂きました。
この記事を読めば、以下のようなことがわかります。
- 京大現役合格者が受験生活をどのように過ごしていたのか
- 勉強時間を確保するために工夫していたことは何か
- どのようにして受験期の辛いことを乗り越えることができたのか
ぜひご一読ください。
この記事を書いた人
氏名:ちこ
大学・学部:京都大学教育学部
学年:1回生
出身地:岡山県出身
高校:岡山県立岡山大安寺中等教育学校
部活(高校):陸上・茶道
ちこさんは、現在京都大学教育学部の1回生です。
子どもと接することが好きで「子ども食堂サークル」に所属しています。
また、自分でYouTubeを運営されています。受験生のモチベーションやメンタルを維持する方法を発信されているので、ぜひご覧ください!
受験情報
ちこさんの京大合格ストーリー
私の受験生活を一言であらわすと
私の受験生活を一言であらわすと、
「一心不乱」です。
字のごとく、勉強だけに集中して他のことに気を取られないように心がけていました。
振り返っても、去年は勉強以外に何をしたのか記憶がありません(笑)。
どれくらい勉強をしていたかというと、学校に通う時間を抜いても、平日は7時間半でした。休日は、1日15時間くらい勉強をしていましたね。
勉強のため、全ての娯楽をシャットアウト
勉強に打ち込むためにあらゆることを遮断しました。たとえば、YouTubeやインスタグラム、Twitterなどはすべて消しましたね。
ラインをスマホからタブレットに移して、塾に行くときにラインを見ないようにしました。携帯の電話番号さえあれば親と連絡が取れるので、それで十分でした。
また、私の家では、お風呂掃除を交代で行うルールがあります。受験生になるまでは私もずっと参加していたんですが、親と兄弟にお願いをして、代わりにやってもらうことに。お風呂掃除は、時間がかかってもせいぜい5分なんですが、その時間さえも惜しくて勉強しました。それぐらい気合を入れ、勉強に没頭するしかない環境を作っていました。
息抜きという息抜きはほとんどなかったです。たまにお母さんがパン屋さんに連れて行ってくれることや、先輩と食事に行くことが本当に楽しみでしたね。
高3のころはひたすら塾にこもって、塾の自習室に朝から夜までいる生活をしていました。学校にいても休み時間はずっと勉強していましたし、お昼も、お弁当を食べながら教科書を読んでいました。私がずっと勉強していたので、周りの人は声をかけにくかったと思います。
親から心配されるほど追い込んだ
常に勉強していたからか、先生に何度も心配されました。学年主任、担任、部活の顧問が気にかけてくれることが多かったです。普段ほとんど話さない先生から声をかけられることもありました(笑)。
「自分はそんな変に見えているんだ」と思った記憶があります。
それくらい勉強しかしていませんでした。
正直、この生活は精神を病みます。娯楽を全て遮断するほど気合を入れるのは、注意しないといけないですね。
あまりに勉強しかしなかったせいで、自分の「こころ」がなくなるようでした。自分が機械になったみたいに何も感じなくなってしまいました。今まで何かを見て楽しい、綺麗だと感じていたことに対して、そう思えなくなるほどでした。
今でも引きずっているところがあるので、これから勉強を頑張る人に積極的にお勧めすることはできません(笑)。
受験期
ここからは私の受験期のモチベーショングラフを見ながら、受験期の生活、勉強内容などを語っていきます。
私は、高校2年生の秋〜京大合格までを書きました。
ちこさんは受験期を通して、高いモチベーションをキープしていたことが分かります。気になるのは、共通テスト後に急降下して、すぐに回復しているところですね。
京大模試を切ってでも譲れなかったもの、過呼吸になるほど泣いた 高3の4~7月
次々と同級生が部活を引退、周りと比べて不安になってしまった 4月~5月
4月から5月頃にかけてモチベーションが下がってしまいました。
この理由は、同級生が次々と部活を引退し始め、まとまった勉強時間を確保していることに焦りを感じたからです。
陸上部は5月末に県総体があり、さらに中国大会にも進出することが決まったので引退が6月末になりました。他の部活は4月に引退することが多いので、他の部活と比べたら2か月ほど引退が遅かったです。
どうしようもないと割り切ってはいるものの、自分が部活をしている時間に他の人が勉強をしていると思うと差が広がるようで怖かったです。
私自身の勉強量は高校2年生のころと変わりませんでした。部活以外の時間はずっと勉強をしていたので、1日5〜7時間くらいを継続的に勉強していました。
一方で、私が部活に行っている真横で、部活を引退した同級生が、塾の自習室に行ったり、学校に残って勉強をしているのを見て、
「私がグラウンドに立って部活している間に同級生は勉強しているのかぁ」
と思って、他の人と自分の伸びしろを比べては焦りや不安を感じていました。
不安な気持ちをかき消すために、部活へ行き帰りする電車の中や教室移動など、隙間時間を見つけては教科書を読んでいましたね。
ついに部活を引退、過呼吸になるくらい泣いてスイッチが入った 6月~7月
6月から7月にかけて、下がっていたモチベーションを取り戻すことができました。
その理由は、部活を最後までやり切ったことと、後輩が頑張る姿に刺激を受けたことです。
6月の末に部活を引退しました。陸上部のマネージャーとして選手が頑張る姿をずっと見ていたので、部活を引退した時は、「次は私の番だ」とバトンを受け取ったような気持ちでした。また、負けず嫌いな性格なので、受験に失敗して後輩に合わせる顔がなくなっては困ると思い、一層勉強の気合いが入りました。
実は部活の引退試合と塾の京大模試の日程が被っていたんです。もともとは、何が何でも京大模試を優先すると決めていました。
でも、県総体で選手の走る姿を見たとき、「彼らを最後まで見届けたい!」という気持ちが次第に強くなっていきました。
結局、貴重な京大模試を休んで部活の引退試合に行くことにしました。
結果論ですが、部活をやり切ったという自信がついて、受験にとってもいい影響があったと思います。全く後悔はしていません。
引退するときにメッセージカードをもらったのですが、そのときはもう嬉しすぎて。絶対に泣くと分かっていたので、もらった直後には見ないで、家に帰るまで我慢しました。
自分の部屋で皆からの言葉を読んだんですが、過呼吸になるくらい泣きました(笑)。
本当に大事なので、京都の下宿先にも持ってきて今でも読み返しています。
マネージャーとして行う業務は、選手からは見えない、石拾いや部活の雰囲気づくりなど幅広く地味な作業なんです。選手はマネージャーの業務は知らないだろうし、もちろんそれで構わないと思っていました。ところがメッセージを読んで、選手が自分の立ち振る舞いを見て、感謝してくれていたことを知りました。「マネージャーとしてやっていたことが選手に届いていたんだ」と思い、感動してずっと泣いてました。
部活を引退した6、7月からは、朝から夜まで塾の自習室にこもる生活をしていました。勉強のし過ぎで、心配されることもありましたが、淡々と続けることができました。
娯楽は、あんこのお菓子だけ 自分をさらに追い込んだ高3の8月~12月
朝から夜まで勉強漬けの毎日、高いモチベをキープし続けた8月〜12月
この時期も相変わらず、勉強漬けの毎日でした。朝起きてから、夜寝る直前までずーっと勉強をしていましたね。
この時期に高いモチベーションをずっと維持できたのは、負けず嫌いで完璧主義だと言われる性格のせい(おかげ)だと思います。性格上、自分で決めた「京大合格」という目標があるのに頑張らないことに納得できなくて。やると決めたら最後まで貫こう、と腹を括りました。
教育学部を目指していたこともあり、勉強でうまくいかないことや悩むことについて解決策を考えることも好きだったのかもしれません。勉強を通して抱く疑問が、教育学部に通いたいというモチベーションを高めました。
また、後輩が大好きなことと受験に際して多くの人にサポートしてもらったことから、自分も絶対現役で合格して後輩の役に立ちたいという小さな夢(?)も背中を後押ししてくれていました。それが支えてもらったことの恩返しにもなると考えています。今では、YouTubeを通して発信する内容が知らない人の支えにもなれていることを実感しています。コメントを読む時間が本当に楽しいです。
圧倒的ハードスケジュールを組み、さらに自分を追い込む
夏休みに塾で「京大の過去問全科目10年分」と「共通テスト10回分」を8月中に完了させるというかなりハードなノルマがありました。
それを達成するために、夏休みの1日の勉強スケジュールを立てました。具体的には、二次試験を2科目、共通テストを3~4科目解く、さらにプラスで、以前解いた二次試験の過去問と共通テストの復習をするというものでした。
このかなりハードなスケジュールに取り組むにあたって、自分に負荷をかけすぎて、精神的に疲れたり体調を崩したりすることはあらかじめ覚悟していました。
でも、実際にやってみると、意外と苦ではなかったんです。体調を崩すどころか、普通に達成できてしまいました。知らないうちに勉強をする体力が身についていることを知り、さらにやる気が出ました。モチベーション維持の好循環が生まれてよかったです。
塾の先生と面談中、突然、涙が止まらなくなった
グラフを見てわかるように、振れ幅は小さいですが、この時期はモチベーションが上がったり下がったりしていました。勉強に打ち込むためとはいえ、他のことを遮断する生活を過ごしていると、どうしても徐々に心がすさんでいきます。しんどくなることも少なくなかったです。
しんどかった時のエピソードをお話しします。
ある日、英語塾の先生に一週間の振り返りと翌週の勉強スケジュールを報告しているときでした。最初はいつも通り話していたのですが、本当に突然です。
つらいとも思っていないのに、突然涙が止まらなくなったのです。
そのときは、自分でもなんで涙が出ているのかが全く分かりませんでした。今考えると、心の余裕がなくなっていたんだろうと思います。
目の前で涙が止まらない私に、英語塾の先生は「短くてもいいから、自分のことを考える時間をもったら?」とアドバイスをくれました。「勉強しないといけない時期に、そんなことしていいの?」と思ったのですが、アドバイス通り自分を見つめる時間を持つことにしました。
具体的には、お風呂につかる時間を自由に過ごすことにしました。それまでは、お風呂でもその日の勉強内容を反復していたのですが、自由時間にしてからは少し気が楽になりました。
しんどい時は、あんこのお菓子で元気チャージ
しんどいと感じたとき、ほかにどう乗り越えていたかというと、日常生活の何気ないことから幸せを感じることで、元気をチャージしていました。
部活の先輩や後輩、学校の先生、塾の先生、家族など周りの人に本当に恵まれていたので、たくさん励ましてもらいました。休み時間に顔を出したり、たまに靴箱にお菓子を入れたりしてくれる後輩に救われていましたね。県外の大学に行った先輩人からは直筆の手紙が届いていて、それにもとても支えられていました。
毎日のおやつタイムも日常の楽しみの一つでした。受験期のお供は、あんこのお菓子です。勉強中に糖分が切れると頭が痛くなってしまいます。糖を補充するために、いつも甘いものを食べていました。
その中でもあんこは腹持ちがよく、おまんじゅうやもなかを毎日のように食べていました。しかも、あんこは太りにくいので受験期の女子にオススメです。
たまに、お母さんに塾に送り迎えしてもらうことがありました。道中で寄るパン屋さんで買うパンが私の救いでした(笑)。勉強ばかりでしんどかったですが、パン屋さんに行ってあんこのパンを買うことが息抜きになっていました。
このように、ストレスが多い受験生活の中では、落ち込んでしまうことがあっても、日常生活からささいな幸せを見出すことで「頑張ろう」と前向きになれました。
(つづく)