『漢文早覚え速答法』は、Gakkenが出版している漢文の参考書です。漢文の基礎をわかりやすく解説しており、漢文をまだ学んだことがない方でも取り組みやすくなっています。講義形式かつカラー刷りで、多くの方が親しみやすい参考書です。
ただ、世の中にはたくさんの漢文の参考書があり、『漢文早覚え速答法』が自分の志望大学のレベルに合っているのか、効果的な使い方ができているのか知るのは難しいですよね。
この記事では、『漢文早覚え速答法』の難易度やレベル、効果的な使い方などを解説します。本書の具体的な内容や難易度を理解して、適切に参考書を選べるようにしましょう。
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漢文早覚え速答法の商品情報
『漢文早覚え速答法』の基本情報です。
価格 | 1,210円 |
科目 | 国語(漢文) |
出版社 | Gakken |
目的 | 漢文の基礎力向上、共通テスト対策 |
対象ユーザー | 共通テストで漢文を使う受験生 |
レベル | 日東駒専〜GMARCH |
難易度 | やや簡単〜普通 |
特徴 | 本書は漢文の基礎(共通テストレベル)を身につけるための参考書で、インプットに重きを置いています。難易度は低めなので、多くの受験生が取り組みやすいですが、2次試験で漢文を使う方は、この参考書が終わり次第、よりレベルの高い参考書を使う必要があります。 |
漢文早覚え速答法のレベル
難易度は共通テストレベルです。共通テストレベルではありますが、初歩的なところから解説されているため、まだ漢文をきちんと勉強したことがないという方にもおすすめです。
漢文早覚え速答法で到達できる偏差値
到達できる偏差値は50〜60です。頻出表現や頻出漢字が厳選されて収録されており、漢文が苦手な方でも最低限の学習で偏差値50〜60まで到達することができます。
漢文早覚え速答法の強み
ここからは、『漢文早覚え速答法』について、他の参考書と比較した強みを解説していきます。
漢文が苦手な人でも取り組みやすい
この参考書の最大の特徴は、「漢文が苦手な人でも楽に学習できる」ことです。内容は講義形式で進んでいくため、自分が授業を受けているような感覚でとてもわかりやすいです。さらに、要点が説明されたあとに演習問題が収録されているため、インプットした知識をすぐに確認することができます。また約200ページと分量が少なく、すぐに終わるのも特徴的で、漢文に苦手意識がある人でも手軽に学習できるはずです。
必要な表現だけが厳選されている
『漢文早覚え速答法』は最小限の学習で合格点をとることに特化した参考書です。そのため、10個の頻出表現と91個の漢字だけが厳選されて収録されており、本当に必要な表現だけを学習できます。
文学史も学べる
チャプター3の「受験のウラわざ」では、最低限おさえておきたい漢文の文学史についても解説されています。文学史が問われることはあまりないですが、漢文の問題を解く上で役立つ知識がたった2ページにまとめられています。テクニックとして活用できるので非常におすすめです。
漢文早覚え速答法の弱み
ここからは、『漢文早覚え速答法』について、他の参考書と比較した弱みを解説していきます。
アウトプットの問題が少ない
『漢文早覚え速答法』は漢文を効率良くインプットするための参考書です。漢文の基礎から、演習問題まで収録されていますが、アウトプットとしての問題量は少ないです。そのため、アウトプット、問題演習の際には他の問題集を併用することをおすすめします。
難しい問題が掲載されていない
『漢文早覚え速答法』は基礎〜共通テストレベルの参考書なので、発展的な問題が収録されていないのが弱みです。2次試験の漢文で問われるような難しい問題についても対策したい場合には、後述の「漢文早覚え速答法の後におすすめの参考書」を参考にしてみてください。
重要漢字の掲載数が少ない
重要漢字が91個掲載されているのですが、共通テストレベルであっても少ない可能性があります。頻出の91個が厳選されているのは評価できますが、少し物足りない印象があり、アウトプット用の問題集や共通テストの過去問を解きながら適宜補っていく必要があるでしょう。
漢文早覚え速答法の使い方
ここからは、『漢文早覚え速答法』の効果的な使い方を解説します。
STEP1:一通り読む
まずは一度通読してみましょう。講義形式なので、語り口調が苦手でない限りはスラスラ読めるかと思います。重要な箇所には線を引きつつ、暗記するようにしましょう。理解できた箇所、逆に理解できなかった箇所をメモしておくと復習の際に役立ちます。
STEP2:重要漢字を重点的に復習する
一度読み終えたら、重要漢字を中心に復習していきましょう。英単語の暗記と同じように一漢字5秒ほどで暗記するようにしましょう。一度見ただけで意味を覚えられる人はなかなかいません。何度も復習しながら暗記するようにしてください。
STEP3:別の参考書で問題演習しながら復習する
ある程度インプットが終わったら、次は別の参考書でアウトプットをしましょう。インプットの時には覚えられなかったことも、アウトプットの中で覚えられたということもよくある話です。インプットが終われば、すぐにアウトプットに移行するようにしましょう。演習用のおすすめの参考書は後述の「漢文早覚え速答法の後におすすめの参考書」で紹介しています。
漢文早覚え速答法で1問にかける時間
講義形式の参考書なので、できるだけ早く1周してしまうのが重要です。そのため、1問にかける時間は「できるだけ早く」としか言えません。チャプター2では重要漢字が収録されています。これについては、一つの漢字につき5秒ほどで覚えるようにしましょう。
漢文早覚え速答法に関する注意点
ここからは、『漢文早覚え速答法』を使用する際の注意点を解説していきます。
別の参考書でアウトプットする必要がある
前述の通り『漢文早覚え速答法』はインプット用の参考書であるため、アウトプットについては別の参考書で行う必要があります。いくらインプットが完璧でも、得た知識を実践の場で使えないと意味がありません。インプットが終わったらできるだけ早くアウトプットに移るようにしましょう。
講義形式が苦手な人にはおすすめできない
この参考書は講義形式の語り口調で解説されています。講義形式だと、先生からの語り口調で文章が進んでいくため、通常の参考書に比べて要点が伝わりにくく、理解しにくいというデメリットがあります。そのため、講義形式でない参考書での学習に慣れている人にとっては使いづらい可能性があります。
記述対策はできない
何度も述べている通り、『漢文早覚え速答法』はあくまでインプット、共通テスト用の参考書です。そのため、国公立2次試験などの記述対策はできないことに注意が必要です。記述対策におすすめの参考書は後述の「漢文早覚え速答法の後におすすめの参考書」を参考にしてみてください。
漢文早覚え速答法の前におすすめの参考書
ここからは、『漢文早覚え速答法』の前に使うと効果的な、おすすめの参考書を解説していきます。
基礎からのジャンプアップノート漢文句法・演習ドリル
漢文の句法に重点をおいたドリル形式の参考書です。基礎レベルの参考書ということもあり、共通テストだけでなく、定期テスト対策にもおすすめできます。漢文が苦手な方や漢文の基礎が不十分だと感じているでも、この参考書を終えた後に『漢文早覚え速答法』に取り組むと力がつくこと間違いなしです。
岡本梨奈の1冊読むだけで漢文の読み方&解き方が面白いほど身につく本
学校で漢文を全く勉強していない人でも取り組める参考書です。この1冊に取り組めば、漢文の基礎は完璧になるはずです。図やイラストも収録されており、多くの方が親しみやすい参考書になっています。この参考書で基本を7割程度身につけてから『漢文早覚え速答法』に取り組めば共通テスト漢文では8割を安定して取れるようになるでしょう。

寺師の漢文をはじめからていねいに
漢文をまだ勉強したことがない方におすすめの参考書です。導入部分は返り点や一二点などの初歩的な内容から始まるため、漢文を全く知らなくても気軽に取り組めます。ですが、分量は380ページと少し多めなので、その点には注意が必要です。
漢文早覚え速答法の後におすすめの参考書
ここからは、『漢文早覚え速答法』の後に使うと効果的な、おすすめの参考書を解説していきます。
マーク式基礎問題集 漢文
共通テストでしか漢文を使わない方や、私立大学受験で漢文を使う方におすすめのアウトプット用の参考書です。難易度は普通で、『漢文早覚え速答法』を終えた後にピッタリの参考書です。漢文にそれほど時間をかけたくないという方は使ってみましょう。
得点奪取 漢文
『得点奪取 漢文』は記述対策に特化した漢文の問題集です。『漢文早覚え速答法』を終え、漢文をある程度読めるようになった人におすすめの参考書です。典型問題と演習問題の二部構成になっています。記述に盛り込むべきポイントが詳細に解説されており、記述対策にはもってこいの問題集です。
漢文道場 入門から実戦まで
この参考書は共通テストから2次試験まで対策できるアウトプット用の参考書です。さまざまなレベルの計40題の問題が収録されており、この1冊でほとんどすべての大学に対応できます。さきほど紹介した『得点奪取 漢文』よりは難易度が低く、取り組みやすいでしょう。
漢文早覚え速答法についてのよくある質問
ここからは、『漢文早覚え速答法』について、よくある質問に答えていきます。
この1冊だけで共通テストに対応できますか?
『漢文早覚え速答法』を完璧にすれば、共通テストにも十分対応できます。ですが、別のアウトプット用の参考書も併用するのがおすすめです。この参考書を完璧にすれば、共通テスト漢文で8割は安定して取れるようになります。
共通テスト以外にも対応できますか?
定期テストには十分対応可能ですが、共通テストレベル以上の2次試験になると対応できない可能性があります。2次試験も対策したい方は、前述の「漢文早覚え速答法の後におすすめの参考書」を参考にしてみてください。