高松菜々 
- 受験勉強を始めたいけど、何をすればいいか分からない
- 倍率や入試科目などの基礎情報を知りたい
- 京大生がどのようにして問題を解くのかを教えてほしい
こんにちは！スタペディア編集部のちこです。
私の受験指導経験を振り返ると、多くの受験生が神戸大学を受験したい！と志望校は決めているものの、
- どんな問題が過去出されたの？入試問題の傾向は？
- 倍率はどれくらい？
- 対策はどのようにすればいい？
という質問に答えられない生徒がほとんどでした。
つまり、入試分析を疎かにしているのです。
敵を知らずして、適切な対策は打てないという事で
今回の記事では、試験科目、入試日程などの受験情報、京大生ならではの過去問の分析まで
あなたの志望校を丸裸にする勢いで神戸大学の入試分析を公開します。
現役京大生の私は入試分析をしてから勉強効率が最大限に高まり、京都大学に合格しました。
この記事を読めば、京大生の合格戦略が全て分かります。
5分で読めますし、他の人に大きく差を付けられるので、ぜひご覧ください。
傾向を掴んで効率よく対策していきましょう！
受験分析ポリシー
直近の過去問3年分を全教科実際に解き、徹底的に分析しました。
ステップ 1
まずは、倍率・入試科目・配点など受験情報をリサーチします。そして過去問3年分全ての問題を実際に解きます。
ステップ 2
リサーチした内容・解いた所感から、問題の傾向・特徴を徹底的に分析します。
ステップ 3
個々人で分析した結果を、ライター・ディレクター含む複数名で議論します。分析内容の客観性・正確性を担保し、受験生に本当に有益な情報になっているかチェックをします。
【1.0】入試の基礎情報
【1.1】倍率、偏差値
| 年度 | 倍率 | 偏差値 |
|---|---|---|
| 2021年度 | 2.5倍 | 61.0 |
| 2022年度 | 2.5倍 | 61.0 |
神戸大学海洋政策科学部(理系)の倍率は、平均して2.5倍！倍率2.５倍って…高いの？
全国公立大の平均倍率が2.6倍だから、 2.5倍は低くはありません。しかし、神戸大学の偏差値自体は高く、受験者層のレベルも高いと思われます。気を抜いてはいけません。
【1.2】入試科目・受験科目、配点、合格最低点
| 入試科目・受験科目 | 配点 |
|---|---|
| 英語 | 150点 |
| 数学 | 150点 |
| 理科 | 200点 |
理科が苦手なのに、4割も配点がある！どうしよう……
何も満点を狙わなくても大丈夫！65％前後とれれば十分合格圏内です。
海洋政策科学部(理系)は理科の配点が大きいので、苦手な受験生は優先して勉強しておきましょう！
【1.3】共通テスト科目、二次試験に占める割合、得点率目安
| 共通テスト科目 | 配点 |
|---|---|
| 国語 | 125点 |
| 数学 | 100点 |
| 地歴公民 | 75点 |
| 外国語 | 100点 |
| 理科(2科目) | 100点 |
海洋政策科学部(理系)に合格する受験生の共通テスト得点率は、約68%になっています。
二次試験に余裕をもって挑むためにも、共通テストは70～75％の得点率を目標にしましょう。
神戸大学海洋政策科学部(理系)の合格最低点は584.258/1000です。
共通テストの得点が全体に占める割合は、50％ですね！
共通テストも二次試験も偏りなく対策することが大事なんだね！
【1.4】出願期間、入試日、合格発表日
| 入試 | 日程 |
|---|---|
| 出願期間 | 2023年（令和5年）1月23日～2月3日 |
| 二次試験日程 | 2023年（令和5年）2月25日 |
| 合格発表日程 | 2023年（令和5年）3月9日 |
出願期間が短いんだね！
日程は詳細にチェックしよう！
【2.0】神戸大学海洋政策科学部(理系) 過去問の特色・特徴3選
- 共通テストの配点は5割。共テも二次も手を抜けない
- 理科の配点がやや高いので、武器に出来ると心強い
- 典型問題を確実に解ければ合格に大きく近づく
共通テストと二次試験の対策が片方に偏らないよう気をつけましょう。
満遍なく得点できる方が不利になりにくいです。
共通テストの知識が二次でも役に立つことは言うまでもないですよ。
【2.1】英語の受験対策
大問1：読解総合
大問2：読解総合
大問3：読解総合
大問4：英作文
長文2題、会話文1題、英作文1題で出題されます。
語句問題を除けば、ほとんど記述式です。
文章の難易度自体はそこまで高くないですが、語数が非常に多いので、処理力が求められます。
早い段階で単語、熟語、構文を固めましょう。高3では、たくさん演習を積むことをおすすめします。
海洋政策学部の理系では英語の配点は少し低めです。
読解問題が多いので、まずは優先的に学習して、他の形式は後回しでも問題ありません。
- 選択肢問題でこそ差がつくので、問題を正確に読み正しく答えることが重要
- 長文の内容理解が求められるので、速さだけでなく読解力が必要
- 英作文は構文暗記から始め、限られた時間でできる限り正確に書ける力を身につけておく
【2.2】数学の受験対策
大問1：数列の極限
大問2：数列の極限
大問3：微分法・積分法
大問4：2次曲線
大問5：指数・対数、整数の性質
例年、確率と、数Ⅲ範囲からの出題が多いです。
大問は5つあり、それぞれの大問に小問があることがほとんどです。
時間に余裕がないので、解けそうな問題から解き、確実に点を稼ぐスキルが必要です。
基礎レベル（数Ⅲ含む）は高3の夏までには完璧にしたうえで、夏以降は過去問演習に時間を使いましょう。
数学の配点は理科より小さいですが、重要度は高いです。
しっかり時間を割いて対策しましょう。
- 解ける問題を見抜く力が大事
- 基礎問題は漏れなく解ききりたい
- 効率のよい時間配分が重要
【2.3】物理の受験対策
大問1：力学
大問2：熱
大問3：電磁気
力学と電磁気は必ず出題されます。残りの1題は熱力学・波動・原子のいずれも出る可能性があります。
全ての問題を記述形式で解答します。
基本的な物理の問題が解けるだけでなく、解答に至るプロセスを分かりやすく記述する表現力が求められます。
記述式の問題を時間内に終わらせるためには、全範囲を正確に理解しておく必要があります。
高3の夏までに全範囲が1通り終わるペースで勉強しましょう。
海洋政策学部の理系では、理科の配点が一番大きいです。
物理は必須科目なので、避けては通れません。
早いうちから演習を重ねて、苦手意識は無くしておきましょう。
- 力学・電磁気はほぼ必ず出題される
- 記述式に対応できるように、全範囲を正しく理解する
- 高3の夏までに範囲を一周しておく
【2.4】化学の受験対策
大問1：沸点上昇
大問2：アルミニウム
大問3：有機化合物
大問4：糖・ジペプチド
実験系の問題が頻出です。一部、理由の記述などが求められます。
問題文に与えられた情報を素早く読み取り、処理する能力が必要です。
論理的かつ簡潔に記述する能力も求められます。
問題は典型的なものが多いですが、時間は厳しいです。
時間内に解ききるために、全範囲の正確な理解を心がけましょう。
海洋政策学部の理系は理科の配点が一番大きいです。
他の受験生も各々の得意科目で受験してくるので、後れをとらないよう演習を十分に積んでおきましょう。
- 広範囲から出題され、実験が扱われることも多い
- 制限時間が厳しくスピードが問われる
- 記述式に向けて、広範囲の正確な理解を心がける
【2.5】生物の受験対策
大問1：光合成
大問2：発生
大問3：花芽形成・遺伝
大問4：種間関係
高校生物の幅広い分野から出題されます。
記述式の大問4問構成で、計算問題も出題されます。
幅広い分野から出題されるので、穴のない知識が求められます。
また、記述式の形式なので、取り入れた知識を適確に記述する力も問われます。
満遍なく出題されるので、穴のない知識を身に付けておきましょう。
また、記述式の回答に向けて、日頃から論述を意識しておくことが重要です。
まずは教科書・基礎問題を盤石にしましょう。
その後、過去問演習など実践式の演習で、スピードをつけましょう。
- 穴のない知識を身に付けておく
- 取り入れた知識を適確に記述する力が問われる
- 日頃から論述を意識する
【3.0】スタペディア編集部の京大生が過去問を解いてみた
【3.1】英語の感想・所感
全体の語数が1900語を超え、例年と比べても時間の制約が大きかったと思われます。
4つの大問のうち3問が読解問題なので、読み解くスピードをあげること、文章全体における対比構造や主張を見逃さないことを意識して、日頃から演習を重ねることが大切だと感じました。
大問1：読解総合
問4の例外的な文法構造を見抜けるかが肝でした。
他は比較的平易で、問題文をしっかり読むことが大切になります。
また、問2のように正解の数が指定されていない選択問題では、一つ一つの選択肢を丁寧に吟味できるかが問われています。
大問2：読解総合
大問2は難しく、神戸大学も問1の出題には誤りを認めて全員に加点しています。
明らかな根拠が見つからない場合は、無駄な時間を使わないようとりあえず当たり障りのない選択肢を選んで次に進んでしまう方が賢明です。
大問3：読解総合
大問4：自由英作文
大問3と大問4は比較的簡単で、こちらから手をつけた受験生も多かったでしょう。この場合は簡単だからこそ短時間で解いて後半に時間を回す必要があります。
特に大問4の自由英作文では、内容の質は問われていないので、ありきたりな経験をでっちあげてでも簡潔で正確な英語を書けることが求められています。
英語表現のレパートリーを増やすことに注力して学習を進めましょう！
海洋政策学部の理系では英語の配点は少し低めです。
読解問題が多いので、まずは優先的に学習して、他の形式は後回しでも問題ないです。
英語のオススメ参考書
①英文読解の透視図
難易度が高い長文が並んでいて、難しい文法事項や構文にも触れています。
難関大で英語を得点源にできるほどの読解力がつきます。
②英作文ハイパートレーニング 自由英作文編
ポチップ
自由英作文の書き方が具体的に解説されています。
【3.2】数学の感想・所感
大問1、2，3ともに標準的な問題であり、あまり難易度の差はないように思われました。
文系数学は大問が3つしかないため、大問単位で捨て問を作ることは出来ないので、解ける小問は全て取りに行きましょう。
大問1：2次曲線・積分
(1)で丁寧に場合分けができれば、(2)は積分するだけととても簡単でした。
計算ミスなどすることなく、完答したい大問です。
大問2：軌跡
計算がやや煩雑でしたが、誘導が丁寧だったので、考え方にはあまり迷いませんでした。
(1)~(3)まではしっかり解ききりたいです。時間を使いすぎないように気を付けましょう。
大問3：整数
この問題も誘導が丁寧だったので、(1)(2)が解けるかどうかが勝負です。
(3)を解くためにも、時間を使ってでも(1)(2)を解くべきだと思いました。
総じて特に難易度の高いセットではないので、
できれば満点近く取りたいセットでした。
数学の配点は2割に満たないので、学習の時間を多く割くのは非効率です。大問数が少ないので、苦手意識が強い分野を優先して、ある程度解答できるようにしておけば十分です。
数学のオススメ参考書
①国公立標準問題集CanPass数学Ⅰ・A・Ⅱ・B
国公立の入試問題レベルの論証や証明の練習ができます。各分野の融合問題の演習にも有効です。
②理系数学の良問プラチカ 数学Ⅲ
良問が76題あります。解答解説のレベルが高いですが、詳しく分かりやすいです。
考え方が身につきます。
【3.3】物理の感想・所感
例年通り、力学・電磁気+αの大問3題構成でした。
分量も特に多くなく、難易度も比較的易しめだったので、それなりには高得点が狙えるセットだったと思います。
大問1：力学
大問1が一番難しかったです。問1、2は確実に解きましょう。問3は自分で未知数を用意した上で、繁雑な計算を要する問題でしたが、これをしっかり解ききれるだけの計算力はつけておきたいです。問4は物理が苦手な人は飛ばしてもよかったと思います。
大問2：電磁気
大問2は3つの大問の中では標準的な問題でした。電磁気学の典型問題だったので、問1～5まで完答したいところです。
電磁気は丁寧に図を描いて、ベクトルなどを分かりやすくした上で解き進める方がミスが起こりにくいです。
大問3：熱
大問3は気体の分子運動とそれほど頻出の分野ではありませんでしたが、きちんと理解している受験生にとっては一番楽だったと思います。問2で、内部エネルギーと運動エネルギーの総和の関係を正しく使うことができたら、問1～4は全て解くことは難しくないです。逆に問2ができないと残りは解けません。確実な知識を身に付けておきましょう。
理科は選択科目ですが、配点は比較的高いです。
物理を選択したからには、高得点を目指しましょう。
物理のオススメ参考書
①改訂版 リードLightノート物理
図を描く練習問題がついていて、物理の基礎固めが1冊で完結できます。
②漆原の物理 最強の88題
問題のボリュームが少ないので、全範囲を効率よく対策できます。
【3.4】化学の感想・所感
総じて難易度は高くなく、分量も少なめだったので、時間に困ることもなく、全受験生高得点が狙える問題でした。
大問1：沸点上昇
大問1は理論の典型問題で難易度は標準的でした。問1～5までは頻出問題なので完答を目指しましょう。問6は計算問題だったので、時間がなければ飛ばしても大丈夫です。
大問2：アルミニウム
大問2は簡単でした。知識問題は完答したいですね。無機の知識は漏れがないようにしておきましょう。電気の問題も典型的なものなので解ききりたいです。
大問3：有機化合物
大問3の構造決定も、有機の知識があれば思考力がなくても解ける問題でした。この大問を落とすのはもったいないです。
構造決定はほぼほぼ毎年出題されるので、しっかりと身に付いていれば、比較的得点を伸ばしやすいです。
大問4：糖・ジペプチド
大問4は大問2，3よりは難しかったと思います。高分子はそれほど頻出というわけではないので、現役生は知識を詰め切れていない人も多いですが、知識がないと解けないので、暗記は最優先で学習しましょう。問4の計算問題は苦手な人は飛ばしてもいいです。
毎年、論述問題が数問課されるので、日々の演習から、丁寧な記述をする意識を持っておきましょう。
理科の配点は37.5%と比較的高めです。理科を選択したからには、苦手分野を克復して、高得点を目指しましょう。
化学のオススメ参考書
①化学 入門問題精講
高校化学において最重要となる基礎の部分を凝縮して、大変わかりやすい説明とともに掲載されています。
②化学重要問題集
ボリュームが多く、網羅性が高いです。解説がハイレベルで詳しいです。
難易度がAとBに分かれていて、実力に合わせて勉強できます。
【3.5】生物の感想・所感
大問1：光合成
・大問1は比較的簡単、問1〜4までは知識問題、問5は考察問題ですが、競争的阻害のグラフを知っていれば問5も知識問題になります。
大問2：発生
大問2は標準〜やや難。問1〜3は知識問題。問4〜5の考察問題は教科書に載っている細胞分化の中でも細かい知識の理解があれば解けますが、この知識が完璧でない人にとっては難しいです。
大問3：花芽形成・遺伝
大問3、易〜標準。問5のみ難。問1、2、4は知識問題で、問3も簡単な考察問題。問5はメンデルの法則の計算の応用問題。
大問4：種間関係
大問4は標準。問1〜3は知識問題。問4の考察は苦手な人には時間がかかるので解くのを後回しにするといいです。問5は知識の記述問題。問6の考察問題はとても簡単なので、時間切れで解けなかった、ということにならないよう注意しましょう。
各大問の考察問題をざっとみて、分からなかったり、記述に時間がかかりそうなものを後回しにするといいです。
大問の初めの方は知識問題が多いので、まずは各大問の知識問題を埋めましょう。
そして、考察問題の解きやすそうな問題から手を付けましょう。自分にとって苦手な分野の考察問題が案外易しかったりするので、問題の難易度の判断はテスト開始してすぐ行う、または知識問題を埋めた後すぐするとと良いと思いました。全体的に知識問題が多いので、細かい知識の抜け漏れ部分はさっさと諦めて次の問題へ進むようにすれば、時間は足りるでしょう。自分の知識不足で解けない問題を素早く見分ける力が重要で、大問4の問2、問3などがその良い例だと感じました。
生物のオススメ参考書
①生物重要問題集
問題量が多いです。巻末には融合問題もあります。
②大森徹の最強講義117講生物
知識問題だけでなく、計算問題や実験考察、論述問題なども扱われています。解説が丁寧で分かりやすいです。
まとめ
この記事では、以下の3つについて解説しました。
- 入試の基礎情報
- 各科目の過去問分析
- 京大生が過去問を解いた感想
「他の学部も迷っているんだよな・・・」という方は、受験科目や配点などを知ることで、自分に合う学部が見つかるかもしれません。
合格するための最短経路を知れるので、ぜひ他学部の記事もご覧ください。
↓他学部の記事はこちら
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