抱えているお悩み
- 共通テストの化学は平均点が低くて難しそう
- 自分の目標点数に達するための勉強法が分からない…
- 共通テスト化学独自の必要な対策はあるの??
共通テスト化学についてこのような悩みを持っている方は少なくないでしょう。
化学に関してはセンター試験から共通テストに変わって傾向が大きく変わりました。難易度も高くなり、以前より対策が難しくなっています。
しかし、傾向を押さえて分析した上で対策すれば、きちんと目標点に達することは可能です。今回は、共通テスト化学を徹底分析して、傾向と分析・分野別対策・目標点別勉強法と参考書などをご紹介します。
この記事を読むと、効率よく共通テスト化学の対策ができ、本番でも周りに差をつけられること間違いなしです。
共通テスト化学の形式・出題分野は?
共通テスト化学の問題形式
共通テストでは理科2科目を120分で解きます。
60分経ってから2科目目の解答用紙が配布されますが、1科目目の時間に2科目目の問題を解いておいても問題はありません。
問題は全問マーク式です。
選択問題がセンター試験までは出題されていましたが、共通テストでなくなりました。
共通テスト化学の出題分野と配点・問題数
共通テストでは、例年以下の表の分野が出題されます。
大問は5問で、選択問題はありません。
配点は大問1問につき20点です。各大問5〜8問程度の小問で構成されています。
昨年のマーク数は33でした。
1つのマーク当たり3,4点程度です。
大問 | 出題分野 | 配点 |
---|---|---|
第1問 | 物質の構造・状態 | 20点 |
第2問 | 物質の変化と平衡 | 20点 |
第3問 | 無機物質 | 20点 |
第4問 | 有機化合物、高分子化合物 | 20点 |
第5問 | さまざまな分野※ | 20点 |
2021年度:化学平衡、天然高分子化合物
共通テスト「化学」と「化学基礎」の違い
結論、「化学」と「化学基礎」の違いは出題範囲の広さと難易度です。
「化学」では無機化学・有機化学・理論化学の3分野を学ぶのに対し、「化学基礎」では理論化学の一部しか学びません。
「化学基礎」は初歩的な内容で、文系理系問わず履修しますが、「化学」はより発展的な内容であり、基本的に理系の人のみ履修します。
また、共通テスト「化学」と「化学基礎」は試験内容だけでなく、形式も異なります。
共通テスト「化学」は試験時間が約60分・マーク数が約30であるのに対し、「化学基礎」は試験時間約30分・マーク数約15です。また「化学」は100点満点ですが、「化学基礎」は50点満点となっています。
科目 | 試験時間 | マーク数 | 配点 |
---|---|---|---|
化学 | 約60分 | 30程度 | 100点 |
化学基礎 | 約30分 | 15程度 | 50点 |
化学基礎は理科基礎2科目で60分の試験時間
共通テスト化学の難易度
共通テスト化学の難易度は低くありません。暗記だけで解ける問題は少なく、思考力や推察力の求められる問題が多いです。
易しめの問題から、二次試験レベルの難しい問題まで、バランス良くちりばめられています。
平均点は2021年度が57.59点、2022年度が47.63点です。センター試験時代は平均点が55〜65点程度で推移していたことを考えると、低いと言えます。
他の理科の科目との比較は以下の通りです。理科の中でも低めの点数となっています。
化学 | 物理 | 生物 | 地学 | |
---|---|---|---|---|
2021年度 | 57.59点 | 62.36点 | 72.64点 | 46.65点 |
2022年度 | 47.63点 | 60.72点 | 48.81点 | 52.72点 |
共通テスト化学のセンター試験との違いは?過去問は活用できる?
センター試験との違いは、「問題量」と「選択問題の有無」
問題形式の違い
共通テストは大問5つで構成されており、全問必答です。
対して、センター試験は大問7つで構成されており、大問6・7は選択問題になっています。
大問6は合成高分子化合物、大問7は天然高分子化合物と決まっていたため、両方が必答の共通テストになって勉強量が少し増えました。
問題の難易度の違い
問題数はセンターと共通テストで大差ないものの、問題の難易度が大幅に上がり、時間制限が厳しくなりました。
センター試験では知識だけで即答できる問題や、基礎的な計算問題が多かったです。
しかし、共通テストではグラフを自分で書く問題や、2次試験レベルの複雑な計算問題が増え、表面的な暗記では太刀打ちできません。
各問題の難易度はかなり上昇したと言えます。
共通テストでは、解けない問題に見切りをつけることも重要になってきます。
平均点の違い
センター試験のとき、平均点は約55点〜65点で推移していました。最低点は2017年度の51.94点です。
共通テストは1年目はセンター試験並みの平均点でしたが、2年目で47.63点と急低下しました。
平均点が50点をきったのはセンター時代を含めて初めてです。
今後、共通テストの難易度がどうなっていくかは分かりませんが、センター試験のときよりも低い平均点で推移していく可能性は高いです。
センター試験 平均点の推移
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
---|---|---|---|---|
54.48 | 51.94 | 60.57 | 54.67 | 54.79 |
共通テスト 平均点の推移
2021年度 | 2022年度 |
---|---|
57.6 | 47.63 |
共通テスト化学独自の対策しなければならないポイント
共通テストとセンター試験では、問題形式だけでなく、問題の傾向が異なります。
センター試験では網羅的な知識が重要視されていました。対して、共通テストでは、基礎的な知識をもとにして、科学的に判断する力が求められています。
共通テスト化学の出題の特徴は以下の2点です。
- 教科書に載っていない知識を与えられて、持っている知識と組み合わせて解く問題
- 実験レポートを題材にして、表やグラフと絡めた問題
これらの特徴を踏まえて独自の対策を立てます。
共通テストでは、現場での思考力が高いレベルで求められます。
過去問や予想問題に取り組むのが最も重要です。
その際は、本番を想定して、時間を測って取り組みましょう。
センター試験の過去問と予想問題どちらを優先?使い分けは?
結論、センター試験の過去問は、共通テストと全く同じものとしては利用できません。
なぜなら、共通テストの方がセンター試験よりも難しいからです。
しかし、センター過去問にも有効な利用方法はあります。センター過去問は網羅性があるので、苦手つぶしに最適です。
センター過去問は共通テスト勉強のスタートとして有効活用できます。
こちらの手順で学習をするのがオススメです。
- センター過去問を使って苦手分野を発見・勉強
- 予想問題で共通テスト独自の問題の対策
- 時間配分も含めて、共通テスト過去問や予想問題で実践演習
【傾向と分析】共通テスト化学の対策ポイント3つ
ポイント1:基礎を完璧にすることが最優先
共通テストには基礎的な問題だけでなく、二次試験レベルの難しい問題も出題されます。
難しい問題を解くためには、基礎を固めることが一番大事です。基礎が組み合わさって応用問題が作られます。
問題を暗記するのではなく、なぜそうなるのか、この公式はどんな状況で使えるのか、など基本的な知識を「理解」しましょう。
マーク式の問題なので裏技やコツがあると思っている方もいるかもしれませんが、残念ながら共通テスト化学は付け焼刃では解けません。
きちんと練られた問題です。
共通テストは全分野から満遍なく出題されるため、苦手をつくらず、学校で配布される問題集レベルの問題は解けるようになりましょう。
ポイント2:グラフ・実験問題への対策
センター試験でもグラフや表に関する問題は出ていましたが、共通テストになってそれらの問題が大幅に増加しました。
また、共通テストではグラフを読み取るだけでなく、自分で作成する問題が出るなど、問題が1段階レベルアップしています。
常用対数表と絡めて数値を計算する必要があるなど、数学的な知識を問われる問題もあります。
初見のグラフの意味を正確に読み取れるようになる練習が必要です。過去問や予想問題で対策しましょう。
また、共通テストでは実験について考察する問題も増加しました。
実験結果をプロットしてグラフに絡める問題や、複数の資料を用いて初見の実験の結果を推察するといった問題が出題されます。
二次試験用の問題集や、予想問題を用いて対策しましょう。基本反応を完璧に覚えることは大前提です。
ポイント3:二次試験レベルに難しい問題も
共通テストでは難しい問題が多いです。
複数分野の融合問題や、グラフや表を用いた問題、学習指導要領範囲外のものを持っている知識から考察する問題など、二次試験形式の問題が増加しました。
共通テストに特化した問題集だけでなく、二次試験用の問題集も併用して勉強しましょう。
二次試験対策がそのまま共通テスト対策につながるので、二次試験でも化学を使う人は二次試験重視で勉強を進めるとよいでしょう。
共通テストでのみ化学を利用する人は、目標点数によって使用する問題集を変えましょう。
7割未満が目標の方は、学校で配布される問題集をマスターしてください。
7割以上を目指す方は、もう1つレベルの高い、二次試験対策にもなる問題集も行うことがオススメです。
【分野別】共通テスト化学の対策
共通テスト「無機化学」の対策方法
無機化学は暗記がメインの分野です。
共通テストが思考力を求めるようになったといっても、無機分野は知識があれば点数は取れます。
無機化学で覚えるべき優先事項は以下の通りです。
- イオン化傾向
- イオン分析
- 有名な製法(アンモニアソーダ法やAlの工業的製法など)
- 炎色反応、気体、水溶液などの「色」
- 気体の発生装置・捕集法・乾燥剤
- 各化学反応式
- メッキと合金
この他にも覚えることはたくさんありますが、これらは最優先で押さえておきましょう。
無機化学の勉強は、後述のオススメ参考書にある「大学受験DOシリーズ 福間の無機化学」がオススメです。
共通テスト「有機化学」の対策方法
有機化学は暗記と問題演習の両方を頑張る必要があります。
構造決定問題は演習量がものをいうので、手を動かしてなるべく多くの問題を解きましょう。
構造決定問題のコツは、炭素数と不飽和度に注目することです。
暗記のオススメの勉強法は、中心となる化合物(アルケンやベンゼン)から、様々な化合物を作っていくロードマップを自分で書くことです。有機化学では、自分で構造式を書けることが大切になります。
共通テストレベルでは、初見の物質などは出てこないと思うので、教科書の知識を完璧にし、典型問題の対策をきちんと行いましょう。
共通テスト「理論化学」の対策方法
理論化学は、無機化学や有機化学の基になります。理解を曖昧にしたまま放って置かないようにしましょう。理論化学は計算がメインではありますが、用語の理解も非常に重要です。
特に以下の範囲では、暗記が非常に重要です。
- 原子の構造①(電子配置やイオン、イオン化エネルギーなど)
- 原子の構造②(結合の種類、電気陰性度、共有電子対、極性など)
- 酸化還元(酸化や還元の定義、酸化数、酸化剤・還元剤、イオン化傾向など)
また、計算問題では以下の範囲が最も重要です。
- 物質量に関する問題
- 酸塩基に関する問題
しかし、共通テストは各分野から満遍なく出題されるので、その他分野の計算問題も、典型問題は確実に解けるようにしておきましょう。
共通テストの計算問題は、2次試験レベルに難しいものも多いです。2次試験対応の参考書で演習することがオススメです。
理論の演習の際は、自分が何を分かっていなかったのかをはっきりさせることを意識してください。
共通テスト「高分子」の対策方法
共通テストでは選択問題が廃止され、天然高分子と合成高分子の両方を勉強する必要があります。
高分子の分野を最後に学習する高校も多いため、現役生は勉強不足のまま試験本番に臨んでしまう方も多いと思います。
高分子は学校の授業を受けながらマスターしていく気持ちで勉強しましょう。
高分子は基本的に暗記です。教科書やセミナーレベルの知識で大丈夫ですが、隅々まで覚えましょう。センター試験の過去問での演習が有効です。
計算問題も出題されますが、パターンが決まっています。
簡単なものが多いので、典型問題を少しすれば問題ありません。
他の受験生が対策不足になりやすいこの分野で差をつけましょう。
共通テスト化学の対策はいつから始めるべき?
共通テストに特化した化学の対策は12月から始めましょう。不安な人は11月下旬から始めても大丈夫です。
共通テストの対策は11月から始めるのが一般的とされています。
ただ、化学に限っては、共通テストの問題傾向が2次試験に寄っており、特別必要な対策は少ないです。そのため、対策を始める時期が遅くても、準備は十分間に合います。
共通テストに特化した対策を早くから始めるより、2次試験対策を多めに行い、思考力や応用力をつける方が効率が効率的です。
しかし、共通テストに頻出の知識の確認など、共通テストメインの勉強ももちろん必要なため、1月から急に対策を始めるなどは厳禁です。
もちろん、配点や化学の実力は人それぞれですので、勉強を始める時期は自分と相談して決めてくださいね。
【京大生が語る】私の共通テスト化学の全て
実践していた勉強法
私は化学に関して、塾や通信教材はやっていなかったので、学校の授業のペースに合わせて学習を進めていました。
学校の授業の進度は遅く、試験範囲が終わったのは12月初旬で、最後に習った範囲である無機化学は、本当に直前まで詰め込んでいました。
学校の進度が遅い人は、最後のほうは独学も混ぜて早く範囲を終わらせるのも1つの手だと思います。
その後学校では、共通テストの問題集と過去問を何年分か解くという、共通テスト対策の授業が行われました。
しかし、私の受験した京都大学では、共通テストよりも2次試験の配点の方が大きかったので、自分の勉強では、12月30日ごろまでずっと2次試験対策の問題集(化学実践重要問題集)を解いていました。
問題集をまるまる1周して、間違った問題を2周目でもう一度解くというやり方です。
年が明けたあと、共通テストまではひたすら、過去問と予想問題をしました。問題を解いて分からなかった部分を解説を見て理解して、時間が経ってからもう一度解いていました。
私は共通テストの勉強を始めるのが遅すぎて直前でとても焦ったので、みなさんにはもう少しはやくから勉強を始めることをオススメします。
2次試験メインの対策を積んでいましたが、2次試験の問題が解ける基礎力があれば、共通テストの問題も基本的に解けるので、本番前にまったく解けなくて悩むことはなかったです。
私の年は共通テストが難化したこともあり、結果的には2次試験メインの対策が功を奏しました。
実践していた時間配分
私は、共通テスト化学では時間配分は決めていませんでした。
なぜなら、化学の問題は年度によって難しい大問が変わるからです。
また、一見簡単に見える問題が難しくてつまずいてしまうということもよくありました。
不確定分野が多い試験だからこそ、決めた時間配分にとらわれるのではなく、解けるところから確実に解くことが大事だと考えています。
また、分からない問題を一旦飛ばしていくと、結局全部の問題を解くので、時間を決める必要はあまりないと思っていました。
解く順番
結論、自分の得意な範囲の大問から解いていました。
共通テスト化学は問題数が多く、時間制限が厳しいため、テンポよく解き進める必要があります。
苦手分野から解くと、得意な問題を解く時間がなくなってしまう可能性があるため、得意な分野から解いて波にのる方が最後まで調子よく解くことができます。
また、解く順番を決めて迷いをなくすことも大事ですが、もっと大事なのは分からない問題は悩む前にとばすことだと思っています。一度悩み始めるとなかなかその問題から抜け出せなくなってしまうので、分からない問題は後でじっくり考えましょう。
私の共通テスト化学のキーワードは「悩まず、テンポよく」です。
また、もう1つの理科の科目との解く順番ですが、結論、化学を後に解く方がオススメです。時間の厳しい化学でも、1科目目の時間に少しでも解いておくことで時間に余裕を持つことができます。
私は化学と物理で共通テストを受験しましたが、物理を50〜55分程度で解き、余った時間は化学に回していました。
自分の科目の得意不得意を考えて、解く順番を決めるようにしましょう。
共通テスト本番の体験
共通テスト本番の化学は難しくて本当に焦りました。
物理が易しかったため、化学ものんびり気楽に解いていたのですが、途中から計算問題が分からなくなって、何問もとばしました。
結局、暗記分野、有機化学分野を先に全部解いてしまって、後からもう一度計算に取り組みました。もう一度解くと解けた計算も多かったです。
焦って計算にずっと時間を割くことがなかったのがよかったです。
本番でも冷静に、柔軟に対応することが大切だと感じました。
一年間、もしくはそれ以上の時間を費やした努力を、初めて発揮する日が共通テストです。きっと全員緊張します。
本番で焦ってパニックにならないよう、緊張感を持って、事前の演習に取り組むことが大切です。
【目標点別】共通テスト化学の勉強法・オススメの参考書を紹介!
【共通テスト化学】目標点別のオススメ勉強法
共通テスト化学で平均点取るための勉強法
共通テスト化学で平均点を取りたい人は、教科書と学校で配布される問題集を完璧にしましょう。
共通テストでは応用問題も出題されますが、それを解く必要はありません。知識や、基本的な考え方で解ける問題を取りこぼさないようにしましょう。
基本レベルの問題集をこなすのではなく、理解して解いてください。
共通テスト化学で7割取るための勉強法
共通テスト化学で7割取りたい人は、教科書対応の問題集だけでなく、もう1つ上のレベルの問題集で演習を積んでください。
理論の計算は難しめの問題が多いので、無機と有機の範囲で点を取りこぼさないようにしたいです。
今苦手分野がある人は、苦手つぶしを最優先にしましょう。
共通テスト化学で8割取るための勉強法
共通テスト化学で8割取りたい人は、2次試験対策をメインに行って実力を付けていきましょう。
8割取るためには、難しい問題にも手を付ける必要があります。
具体的には、2次試験レベルの計算問題をどの分野もだいたい解ける、というレベルには達していてほしいです。
2次試験重視で勉強しつつ、共通テスト特有の知識問題を取りこぼさないよう、対策が必要です。
しかし、8割取るためには、1番難しい問題まで解ける必要はありません。時間と相談しながら、解けるところを確実にとることが大切です。
本番で解けない問題を見極めるために、予想問題や過去問で時間を計って実践練習を積みましょう。
共通テスト化学で9割取るための勉強法
共通テスト化学で9割取りたい人は、2次試験用の問題集をしっかりこなして、確かな化学の実力をつけることが必要です。
教科書の知識はもちろん隅々まで覚え、無機や高分子の知識問題を取りこぼさないようにしましょう。
あとは、自分がどこで、なぜこの問題を間違ったのかを意識して2次試験対策の問題集に取り組んでください。
有機化学の問題よりも計算問題・グラフ問題の方が難しい傾向にあるので、苦手な人はそちらを重点的に取り組みましょう。
2次試験用の問題集がほぼ解けるようになったら、8・9割はとれるはずです。
最後は予想問題や共通テスト過去問で形式に慣れて、分からないところをつぶしていきましょう。
【PR】オススメの参考書
【全員向けの参考書】化学の新研究
化学の新研究は、分野ごとに詳しく解説している参考書です。化学初学者でも分かるような導入から解説されている一方、教科書には書いていないような濃い内容まで載っています。
化学をより深く理解できる参考書であり、化学の辞書として使うのがオススメです。すべてを読み込むのではなく、より本質的に理解したいことをピックアップして読み進めましょう。
問題も一応載っていますが、説明がメインのものなので、問題演習は別途必要です。
【全員向けの参考書】共通テスト予想問題集
共通テスト予想問題集での演習は全受験生必須です。
12月後半からの直前期に活用しましょう。共通テストの形式に慣れることと、時間配分の対策に役立ちます。先述したように、共通テストはセンター試験よりも時間制限が厳しいので、センター過去問ではなく予想問題集で対策するようにしましょう。
河合塾・駿台・Z会が出版している3冊がオススメです。
【6割目標の参考書】セミナー化学+化学基礎
セミナーには、大学受験に最低限必要な情報が網羅されています。セミナーを完璧にすれば、共通テストに必要な知識はとりあえず全てついている状態です。
また、セミナーは段階を踏んで問題が難しくなっていくので、無理なく理解できます。
別冊の解答も分かりやすく、学校の勉強の復習にオススメの一冊です。
【7割目標の参考書】大学受験DOシリーズ(無機・有機・理論)
大学受験DOシリーズは、問題集を解くときに隣に置いておく参考書としてオススメです。
教科書のように隅々まで読むのではなく、分からないところを理解したいときに、その単元の部分を読むようにしましょう。典型問題の解き方が詳しく載っているので、ぜひマスターしてください。
また、別冊の暗記用冊子は、赤シートで隠せるので、移動時間や直前の確認に使いやすいです。
【9割目標の参考書】化学実践重要問題集
化学実践重要問題集は、1通り化学を学び終わった方にオススメです。セミナーやリードαなどの教科書に沿った基礎的な問題集の次に行うのがいいでしょう。
問題は頻出の応用問題が多く、私大や国公立2次試験の過去問が使われています。
レベルとしては共通テストの中でも難しいレベルの問題となるので、共通テストでしか化学を使わない人にはあまりオススメできません。共通テストと2次試験を兼ねた勉強に使ってください。
化学実践重要問題集の特徴として、問題数がかなり多く、それぞれの分野を満遍なく学べます。また、A問題とB問題に分かれているので、自分のレベルに合った演習が可能です。
別冊の解答解説も詳しく、これ1冊でしっかり理解できるでしょう。
まとめ 共通テスト化学は難しい。目標に合った対策を
今回は、共通テスト化学の分析・対策について詳しく解説しました。
【共通テストの分析】
- 共通テストはセンター試験より難しい
- センター過去問は対策には使えないが、苦手つぶしとして利用できる
- 共通テスト対策は12月から
【共通テストの分野別対策】
- 無機化学:暗記がメインで点数が取りやすい。優先順位をつけて覚える。
- 有機化学:暗記と問題演習の両方が必要。典型問題を解けるようにしよう。
- 理論化学:計算がメインで、難しい問題が多い。2次試験用の問題集で対策しよう。
- 高分子 :暗記がメインで少し計算も。簡単だが、勉強不足になりがちで差がつく。
共通テスト化学は付け焼刃では対策できないからこそ、膨大な分野の各ポイントを押さえて、自分の目標点に合った勉強ができているかどうかが鍵となります。
この記事で紹介した、勉強法・参考書を実践して、共通テスト化学の本番で高得点を目指しましょう!