『英文解釈の技術100』は、桐原書店が出版している英文解釈の参考書です。名前の通り英文解釈に必要な技術が100個収録されており、問題演習を通じてその技術を習得することができます。
ただ、世の中にはたくさんの英文解釈の参考書があり、『英文解釈の技術100』が自分の志望大学のレベルに合っているのか、効果的な使い方ができているのか知るのは難しいですよね。
この記事では、『英文解釈の技術100』の難易度やレベル、効果的な使い方などを解説します。本書の具体的な内容や難易度を理解して、適切に参考書を選べるようにしましょう。
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英文解釈の技術100の商品情報
『英文解釈の技術100』の基本情報です。

価格 | 1,650円 |
科目 | 英語 |
出版社 | 桐原書店 |
目的 | 最難関大に合格するための英文解釈力をつける |
対象ユーザー | 最難関大学受験をする受験生全般 |
レベル | 早慶・旧帝国大学レベル |
難易度 | 難しい |
特徴 | 最難関大学入試レベルの問題が多数収録されています。最難関大学合格に必要な技術100個が詰まっていますが、難易度が非常に高いため、難関大学を受験しない方にとっては不向きです。 |
英文解釈の技術100のレベル

難易度は旧帝国大学レベルと、難易度は非常に高いです。
この参考書は、難関大を志望する生徒が最後の一冊として取り組むべきものです。そのため非常に難易度が高く、中堅国公立志望の方やGMARCHを志望する方には不向きだといえます。
英文解釈の技術100で到達できる偏差値

『英文解釈の技術100』で到達できる偏差値は65〜70です。
複雑な英文が多数掲載されており、歯ごたえのある参考書だといえます。この参考書を完璧にすれば、最難関大で出題される英文のほとんどが読めるようになるはずです。
英文解釈の技術100の強み
ここからは、『英文解釈の技術100』について、他の参考書と比較した強みを解説していきます。
すべての英文にSVOCが振られている

この参考書の特徴は全ての英文にSVOCが振られていることです。英語を読む際に重要なのは、英文を見てすぐにSVOCを見抜くことです。この参考書を完璧にすれば5文型をすぐに見抜けるようになるため、長文問題、英文和訳も楽に解けるようになるでしょう。
演習問題で理解度チェックが簡単にできる

『英文解釈の技術100』には例題が100題収録されているのですが、それに加えて演習問題が100題掲載されています。例題を解き、解説を読んだだけでわかったつもりになってしまう人も多いですが、演習問題が収録されているため、わかったつもりを改善することができます。
リスニング対策ができる

CDや音声ダウンロードが収録されており、リスニング対策もできるというのもこの参考書の特徴です。
英語の音声を聞きながら同時に音読する「オーバーラッピング」や、英語の音声を聞いて、英文を見ずに少し遅れて音読する「シャドーイング」に取り組むと効果的です。
英文解釈の技術100の弱み
ここからは、『英文解釈の技術100』について、他の参考書と比較した弱みを解説していきます。
出てくる語彙が難しい

この参考書は難関大合格に向けた参考書なので、英文中に出てくる語彙も難しいものが多いです。1冊英単語帳を完璧にしている人なら大丈夫ですが、まだ半分くらいしか単語帳を終わらせていない方にとっては難易度が高いです。わからない単語が出てきたら毎回メモをとって、復習の際に見返せるようにしておきましょう。
シンプルすぎて使いづらい可能性がある

英文解釈の技術100は見開き1ページに例題、解説、演習問題の3つが載っていることに加えて、2色刷りの非常にシンプルな構成になっています。使いやすいと感じる人も多いですが、図やイラストでわかりやすく学習したい人にとっては使いにくい可能性もあります。
解説のすぐ下に演習問題があるため、わかったつもりになってしまう

先ほども述べた通り、同じページに解説、演習問題が掲載されているため、演習問題を解きながら解説を読めてしまいます。意識していなくても目に入ってきてしまうため、解けたつもりになってしまわないよう注意が必要です。
英文解釈の技術100の使い方
ここからは『英文解釈の技術100』の効果的な使い方を解説します。
STEP1:例題を和訳し、解説を読む

テーマごとに例題が1題が掲載されているので、まず解説を見ないで例題を解いてみましょう。入試本番で出題されるような複雑な英文が収録されているので、全く読めないということもあるかもしれません。
解説にはSVOCが振られているため、これに着目しながら解説を熟読しましょう。わからない文法用語が出てきたら、すぐに調べる癖をつけて、STEP1の段階では80%程度理解できるようにしましょう。
STEP2:演習問題に取り組む

STEP1を終えたら、次は演習問題に取り組みましょう。例題1題に対して、演習問題が1題収録されています。学んだ技術が実際に使えるかどうか、演習問題を通じて試してみましょう。
この際に注意してほしいのは、演習問題が思うように解けなくても落ち込まないことです。例題と同じように、演習問題も初見では難しい問題が収録されています。一度で解けなくても構いません。まずは構造を捉えることを意識して、問題が解けないからと一喜一憂しないようにしましょう。
STEP3:翌日以降にもう一度例題・演習問題を解く

STEP2が終わったら、少し時間をあけて復習に取り組みましょう。もう一度解いた問題でも時間をあけてから解くと、忘れてしまっていることが実感できると思います。逆に、初めに解いたときはわからなかったのに、解けるようになっていることもあるかもしれません。復習として問題を解いて、知識を定着させられるようにしましょう。
英文解釈の技術100で1問にかける時間

例題・解説・演習問題の3つを合わせて30〜45分で解き終えるようにしましょう。
復習には15分ほどをかけてもう一度和訳、音読に取り組むと効果的です。
英文解釈の技術100に関する注意点
ここからは『英文解釈の技術100』を使用する際の注意点を解説していきます。
英文法の基礎がなければ難しい

『英文解釈の技術100』は前述の通り難関大志望者向けの参考書です。
そのため収録されている例題・演習問題は骨のある問題が多く、さらに解説も英文法の知識がある前提で書かれているため、英文法の基礎が完成していない方にはおすすめできません。英文法の基礎がまだ完成していないという方は、後述の「英文解釈の技術100の前におすすめの参考書」を参考にしてみてください。
中堅国公立〜GMARCHを目指す方には必要ない

『英文解釈の技術100』は、難関大を目指す人が総仕上げとして取り組むことを目的とした参考書です。東大、京大などの難関大入試で出題されるような問題が収録されているので、中堅国公立〜GMARCHを志望する方にとっては難易度が高すぎます。
中堅国公立〜GMARCHをを志望する方は後述の『基礎英文解釈の技術100』を使用するのがおすすめです。
わからない単語が出てきてもすぐに辞書を引かない

大学入試本番では、英文を読む中で必ず知らない単語が出てきます。本番で分からない単語が出てきた場合には意味を推測することも必要になります。そこで重要なのが、参考書学習においても知らない単語が出てきてもすぐに辞書を引かないことです。推測する技術をつけるためにも問題を解き終わったあとに単語の意味を確認するようにしましょう。
英文解釈の技術100の前におすすめの参考書
ここからは、『英文解釈の技術100』の前に使うと効果的な、おすすめの参考書を解説していきます。
入門英文解釈の技術70

『入門英文解釈の技術70』は英文解釈をまだ勉強したことがない方におすすめの参考書です。なんとなくで英語を読んでいる方、志望大学で英文和訳が出題される方には特におすすめです。『英文解釈の技術100』と同じ構成になっていて、シンプルで取り組みやすくなっています。この参考書を完璧にした後に、『英文解釈の技術100』に取り組んでみましょう。
基礎英文解釈の技術100

『基礎英文解釈の技術100』は中堅私立大学〜GMARCHを目指す方におすすめの参考書です。この参考書も例題・演習問題100題ずつ掲載されており、『英文解釈の技術100』と同じ構成になっています。
高校で学ぶ最低限の文法力がついている方にはおすすめです。
この参考書を6〜7割程度理解すれば、『英文解釈の技術100』に取り組むための文法力がついているといえるでしょう。

関正生の英文法ポラリス2 応用レベル

前述の通り、英文解釈の技術100に取り組むにあたっては、ある程度の文法力が必要です。
その文法力をつけるためにおすすめなのがこの参考書です。収録されている問題数が約400題と、ネクステージやスクランブル英文法といった他の英文法の参考書に比べると分量が少なく、学習しやすいです。
事前にこの参考書に取り組んで、7割程度理解できるようになったら、『英文解釈の技術100』に取り組むには十分な文法力がついているといえるでしょう。

英文解釈の技術100の後におすすめの参考書
ここからは『英文解釈の技術100』を使用した後におすすめの参考書を紹介していきます。
英文解釈教室

『英文解釈の技術100』も難易度が高い参考書ですが、それ以上に難易度が高いのがこの『英文解釈教室』です。英文解釈の技術100を完璧にしたうえでこの参考書に取り組んでも、解けない問題が5割出てくるほど難しい参考書です。英文解釈を極めたい方にとってはおすすめですが、難易度も高く、分量も多いため高3夏休みまでに取り掛かるようにしましょう。
やっておきたい英語長文700

大手予備校である河合塾が出版している英語長文の問題集で、600〜900語の長文が15題収録されています。難易度は「やや難しい〜難しい」ですが、英文解釈の技術100を終えた方にとっては取り組みやすいはずです。英文解釈の参考書を終わらしてから取り組むのではなく、英文解釈の参考書に取り組みつつこの参考書にも取り組むのがおすすめです。
志望大学の過去問
『英文解釈の技術100』が終わったら、志望校の過去問に取り組んでも構いません。
英文解釈については、この参考書を7割習得すればある程度解けるようになっているはずです。過去問をやりつつ、わからない箇所が出てきた際にはこの参考書に戻って復習するようにしましょう。

英文解釈の技術100についてのよくある質問
ここからは、『英文解釈の技術100』について、よくある質問に答えていきます。
他の英文解釈の参考書との違いを教えてください

同程度のレベルの参考書2つ(英文読解の透視図・ポレポレ)と比較してみます。
・英文読解の透視図
東大や京大を目指す受験生におすすめの参考書。
河合塾の模試で英語偏差値65以上を取れる人向け。
多くの受験生が苦手な分野を詳しく解説している
・ポレポレ
早稲田や慶應などの難関私立大学を受験する人におすすめの参考書。
問題数は少なめなので、時間がない人でも取り組みやすい。
難易度は「英文読解の透視図>ポレポレ=英文解釈の技術100」です。