この記事で解決するお悩み
- 阪大英作文の傾向や特徴を知りたい
- 阪大英作文の対策を始めたいけど、何をすればいいかわからない
- 京大生が実際にどうやって問題を解くのか教えてほしい
こんにちは、スタペディア編集部の山田です。
私の指導経験を振り返ると、英語の中でも和文英訳や自由英作文に苦労している受験生はとても多いです。
今回は阪大英作文にスポットを当てて、現役京大生が傾向と対策を解説していきます。
この記事を読めば、京大生の合格戦略がすべてわかります。
ぜひ最後まで読んでいただいて、英作文を得点源にしていきましょう!
この記事を書いた人
京都大学総合人間学部に在学中。高3の8月まで部活動に夢中で、自習時間ほぼ0の日々を送る。部活引退後もその余韻を引きずり、切り替えができなかったことが原因で成績は大して上がらず、共通テスト(当時はセンター試験)では得点率73%と大コケ。二次試験も合格者最低点-30点で不合格→浪人生活へ。それからは高校時代に満足に勉強できなかった悔しさをバネに、周囲に流されない独自の勉強法・習慣を貫き、夏の冠模試では目標としていたA判定&成績優秀者としての冊子掲載を達成。その後も着実に成績を伸ばし合格。タイパを重視した独自の勉強法を編み出すのが得意。
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受験分析ポリシー
直近の過去問3年分を実際に解き、徹底的に分析しました。
ステップ 1
まずは、実際に問題を解くことから始めます。その時に難しかったポイントをまとめておきます。
ステップ 2
解いた所感から、問題の傾向・特徴を徹底的に分析します。別解を考えるのもこの段階です。
ステップ 3
個々人で分析した結果を、ライター・ディレクター含む複数名で議論します。一人では満点解答は作れないので、互いにミスを指摘し合うことも大切な仕事です。分析内容の客観性・正確性を担保し、受験生に本当に有益な情報になっているかチェックをします。
阪大英作文の基本情報
大問構成:和文英訳と自由英作文が1題ずつ
阪大英語の大問構成は以下の通りです。
- 大問1:英文解釈
- 大問2:読解総合
- 大問3:自由英作文
- 大問4:英作文
- 大問5:リスニング ※外国語学部のみ
阪大の英語は大問4題構成で、英文解釈が1題、長文読解が1題、英作文が2題の形式が多いです。
ただし、外国語学部受験者には、大問5でリスニングが追加されます。
英作文の内訳は、和文英訳とテーマが与えられる自由英作文が1題ずつとなっています。
配点・制限時間
大問 | 配点 |
大問1:英文解釈 | 25% |
大問2:長文読解 | 30~35% |
大問3:自由英作文 | 15~20% |
大問4:英作文 | 20~25% |
英語全体のうち、英作文が占める点数の割合は約40%です。
阪大の合格者の平均点を見ると、合格するには二次試験で7割の得点が求められます。阪大の二次試験はどの科目も難易度が同じくらいなので、英語の二次試験でも7割程度得点したいです。
英作文は得点源にしやすいので、英語に自信がある人は、英作文で7割、医学部受験生は8割を目標にしましょう。
解答時間:英作文は30~40分で解きたい
阪大英語の制限時間は90分です。
※文学部と外国語学部は異なります。
配点・分量の観点から、英作文にかけられる時間は大問2つ合わせて30〜40分です。
大問3、 4に15〜20分ずつ費やすのがちょうどよいでしょう。
阪大英語は、問題量が多いわりには、時間はそれほど多くありません。
英作文ではあまり時間をかけず素早く英文に訳す力が求められます。
奇問は少なく素直な問題が多いので、基礎力を確実にして正確に解きましょう。
阪大英作文の出題傾向・特徴
過去5年の出題内容
年度 | 大問 | キーポイント・テーマ |
2022年度 | 3 | 機械やAIが取って代われない仕事とは何か |
4 | 「雲行きが怪しくなる」 「仕事に見切りをつける」 | |
2021年度 | 3 | 前向きな姿勢を保ち続けることが難しい時の対処法 |
4 | 「公共の福祉」 「翻意させる」 | |
2020年度 | 3 | キャッシュレス社会の利点と問題点 |
4 | 「ペンを持つ人間」 「とりもなおさず」 | |
2019年度 | 2 | 諦めることに対する意見 |
3 | 「周囲は真っ暗な死の世界である」 「石ころに毛躓いて倒れる」 | |
2018年度 | 3 | あなたの過去の失敗とその学びは何か |
4 | ※情報なし |
【和文英訳】対応する英語を見つけるのが難しい日本語が多い
阪大の和文英訳はキーポイントからわかる通り、対応する英語を見つけるのが難しい日本語が多いです。
2022年度の大問4を例にとってみましょう。
”進路でも仕事でも進めていることを途中で見切るのは”
いきなり「見切る」を英訳しようとしても戸惑ってしまいますよね。
そういう時は、まず日本語がどのような意味で使われているかを考えましょう。
日本語の「見切る」には複数の意味があります。
- ものをすっかり見てしまう。見終わる。
- 見捨てる。見限る。見切りをつける。
- よく見て判断する。状態を見きわめる。
この文章では、2の意味で使われていると判断できます。
ここまでできれば、abandonやgive upなどの英語が適切だと分かります。
訳に困ったときは、焦らずにまず日本語の意味を考えることが重要です。
【自由英作文】テーマに対する自分の意見や体験談を述べる
阪大の自由英作文は、与えられたテーマに対する自分の意見や体験談を述べるものが多いです。
字数は80語と比較的多いので、内容の構成もしっかり考える必要があります。
2022年度の大問3は、「どうしても機械やAIが取って代わることができない、もしくは、取って代わってほしくないとあなたが考えるのはどのような仕事ですか」という問題でした。
自由英作文のテーマは、社会的な課題や生き方・考え方についてが多いです。
初めて入試本番でこのようなテーマについて考えていると時間が足りなくなってしまうので、日頃からさまざまなテーマに目を向け、思考を深めておく必要があります。
また、それらの思考を自分の英作レベルと相談しながら表現する力も求められています。
日頃から何かテーマを決めて80語程度で自由記述する練習を積んでおくと良いでしょう。
阪大英作文を解くのに必要な英語レベル
【単語】
単語の知識はそれほど必要ありませんが、基礎的な単語の派生語が多く出題されます。
そのため、「システム英単語」「ターゲット1900」など、標準レベルの単語帳を使い、見出しの単語に加え、派生語を意識して頭に入れると良いでしょう。
【構文・熟語】
阪大英作文では、単語よりこちらが重要です。
構文というのは「One of ~ is 〇〇.」(~の中の一つは〇〇です。)のような、英文構造のパターンのことです。
熟語というのは、「for free」(無料で)のような、複数の英単語のまとまりで特定の意味をなす語彙のことです。
これらの知識は、英作文を書く上では欠かせません。
特に、阪大の英語は、英作文の得点の比率が大きいため、構文や熟語をしっかり身に着けておくだけで、合格に大きく近づきます。
高校範囲を大きく逸脱した構文などは必要ありませんが、一般的な文法の教科書に出てくるものは完璧にしておきたいです。
阪大英作文で高得点をとる3つのコツ
それでは、具体的にどうやって阪大英作文で高得点をとるのか、解説していきます。
①字数制限に気を付ける
基本的なことではありますが、字数制限に気を付けましょう。
というのも、後でも述べますが問題文中でかなり回答の方向性が決められます。しかも内容が社会的課題や生き方・考え方といった日本語でも説明するのが難しい内容が多いです。
そのため、要件を満たしながら字数制限の中で作文を書くことはかなり難しいです。
ですので字数を減らして表現できるところはできるだけ減らして表現することを意識しましょう。
②問題の指示に従って具体例を挙げる
阪大の英作文では必ずと言っていいほど問題で指示が出ます。
例えば、2022年の大問3である「どうしても機械やAIが取って代わることができない、もしくは、取って代わってほしくないとあなたが考えるのはどのような仕事ですか」という問題では「具体的な仕事を1つ挙げ、述べなさい」という指示が出ています。
こうした指示に従わなければ大きく減点されてしまいます。
簡単なことだと思うかもしれませんが、文章を書いているうちに忘れてしまうことが多いです。
書き終わった後に指示は何だったか、自分の文章は指示に従えているかを確認する習慣をつけるようにしましょう。
③慣用表現・熟語表現、代名詞を活用する
先ほども述べたように、阪大では字数制限がかなり厳しくなっています。
そのため自分の意見をできるだけ少ない語数で表現できる慣用・熟語表現、代名詞が重要になってきます。
英作文を練習している時のみならず、普段の読解練習などの時から慣用・熟語表現を意識的に覚えていきましょう。
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実際に京大生が解答・解説を作成!難易度やポイントを解説
ここまで阪大英作文の特徴や、高得点をとるポイントを説明してきました。ここでは、実際に大阪大学の2019年度過去問を解いて、ポイントを実践して解説します。
<問>「何事もあきらめが肝心」と言われますが、一方で、「あきらめなければ、必ず道は開ける」という言葉もあります。あなたの考えはどちらに近いですか。あなたの過去の経験を1つ挙げて、70語程度の英文で述べなさい。(2019年大阪大学 大問3)
阪大英作文の書き方を京大生が実際に解いて解説
コツを実践しながら解説していきます!
- コツ① 字数制限に気を付ける
- コツ② 問題の指示にしたがって具体例を挙げる
- コツ③ 慣用表現・熟語表現、代名詞を活用する
1. 字数制限に気を付ける
阪大の英作文は字数制限が非常に厳しいですが、工夫次第で文字数は変えられます。
「諦めないことが重要だ」と言いたい場合を例にとって見てみましょう。
<解答>
〇:I think never giving up is important.(7語)
✖:I think it is better to try again and again when you do something.(14語)
このように、言い方を変えれば7単語も差が出ます。同じ表現でも語数が半分になるのは大きいですよね。
普段からできるだけ少ない語数で表現することを心がけましょう。
過去問の解答例や解説に載っている表現は語数の少ない表現が載っているので、知らない表現があった際には次から書けるようにしっかり覚えておくのが良いでしょう。
ただし、省略しすぎて伝わらない文章になってしまってはいけないので、主張が伝わる表現になっているのかどうかも意識しながら書けると良いですね。
2. 問題の指示にしたがって具体例を挙げる
問題中に「過去の経験を1つ挙げて」とあるので、諦めてよかったことあるいは諦めずに続けてよかったと思うことを挙げましょう。
<解答例>
例①:
I think I was glad to quit the basketball club because I could concentrate on studying.
例②:
Although I was reluctant to study English, I could help a foreign man by using English thanks to keep learning.
具体例を挙げるうえで、文章のどの位置に具体例を書くのかということにも注意しましょう。
英作文の書き方の方法として「PREP法」というのがあるのはご存じでしょうか。
PREP法とは、「point(主張)」、「reason(理由)」、「example(例)」、「point(再主張)」の順序で文章を組み立てていく手法のことです。
基本的には説得力を与えるためにビジネスの現場やプレゼンテーションなどで使われる方法なのですが、英作文でも使える方法です。
説得力のある文章にするためには、具体例は後半に持ってくるのが良いとされています。
具体例を挙げる際にはどのタイミングで挙げるべきかも意識してみましょう。
3. 慣用表現・熟語表現、代名詞を活用する
「〜できないのは仕方ない」という内容を表現したい場合について考えてみましょう。
皆さんはどのような表現が頭に浮かんだでしょうか?代名詞や熟語表現を使えば次のように表せます。
<解答例>
It’s too much to handle.
このようにわずか5語で表現できてしまいます。
慣用・熟語表現なしで言いたいことを字数制限内で言うことは非常に難しいです。ですので日頃から知らない表現は暗記する習慣をつけておきましょう。
また、代名詞は基礎中の基礎ではありますが意外と足元をすくわれることもあるので確実にマスターしておきましょう。
ただし、代名詞もあまり使いすぎては読みにくい文章になってしまうので使いすぎには気をつけましょう。
【PR】阪大英作文対策に使える参考書を紹介!
①竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本
英作文を書くのに必要な60の「原則」と67の「頻出表現」が紹介されています。
阪大の英作文に必要な構文や熟語などが「頻出表現」で身につきます。
内容が易しめなので、英作文の勉強をこれから始める人や、英作文が苦手な人にオススメです。
ボリュームたっぷりなので、夏休みあたりからコツコツ進めていきましょう。
②ドラゴン・イングリッシュ 基本英文100
①と同じく竹岡先生の本で、こちらは英作文の基本となる熟語が100個扱われています。
1冊で英作文のテクニックを網羅できるといっても過言ではありません。
①と比べると難易度が高めなので、共通テストで最低8割程度得点できるようになってから、取り組みましょう。
③大学入試 英作文ハイパートレーニング 和文英訳編・自由英作文編
和文英訳編と自由英作文編に分かれています。
それぞれに使える構文や熟語が多く扱われているので、学習したい大問ごとに使用できます。
どちらも受験生が頻発するミスを網羅しているので、ある程度英作文の実力が固まった、という受験生にも手に取ってもらいたい1冊です。
④大学入試 最難関大への英作文ハイパートレーニング
③を最難関大に対応させたものです。
東大・京大をはじめとする最難関大の英作文問題を6つのタイプに分類し、タイプ別に対策や解き方が解説されています。
英作文で高得点を狙うなら、ぜひともやっておきたい参考書です。
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阪大英作文のまとめ
今回は阪大英作文の傾向や対策を解説しました。
大阪大学 英作文で高得点を取るコツ
- 字数制限に気を付ける
- 問題の指示にしたがって具体例を挙げる
- 慣用表現・熟語表現、代名詞を活用する
英作文は大学ごとの傾向や特徴を知って、正しく対策することで、高得点を狙える分野です。
今回解説した解説を基に、勉強に励んで、合格を勝ち取って下さい!